外国籍スタッフが引っ越したとき、本人は市区町村で住所の届出をします。一方で、会社の側でも、社内の記録の更新や社会保険の手続き、通勤手当の見直しなど、やることがあります。特定技能で受け入れている場合は、入管関係の届出が必要かどうかの確認も欠かせません。
この記事では、外国籍スタッフが引っ越したときに会社が行う手続きを、担当者向けに整理します。本人が行う届出の全体は住所が変わったときの届出まとめ|在留カード・住民票・勤務先で解説しています。
結論:まず新しい住所を正確に把握し、社会保険・手当・入管関係を順に確認する
会社が最初にすることは、本人の新しい住所を、在留カードの裏面の記載で確認して社内の記録を更新することです。そのうえで、社会保険の住所変更の届出が要るか、通勤手当の見直し、特定技能の場合の届出の要否を順に確認します。
社会保険の住所変更は、マイナンバーと年金の番号が結びついていれば原則として届出が要りませんが、外国籍の方では例外にあたる場合もあるため、一人ひとり確認しましょう。
会社が行う手続きの一覧
| 手続き | 内容 |
|---|---|
| 社内の住所の更新 | 在留カードの裏面の新しい住所を確認し、社員の名簿や緊急連絡先の記録を直す |
| 社会保険の住所変更 | マイナンバーと基礎年金番号が結びついていれば、日本年金機構への届出は原則不要。結びついていない場合などは、会社が住所変更の届出を出す |
| 健康保険組合への届出 | 健康保険組合に加入している場合は、組合への住所変更の届出が必要 |
| 通勤手当 | 通勤の経路や距離が変わるため、手当の額を見直す |
| 社宅・寮の記録 | 社宅を移った場合は、入居者の記録や寮費、光熱費の扱いを直す |
| 特定技能の届出 | 住居の確保の内容が支援計画から変わる場合などに、届出が必要か確認する |
社会保険の住所変更の届出が必要な場合
日本年金機構によると、マイナンバーと基礎年金番号が結びついていない人のほか、短期在留外国人や、マイナンバーを持たない海外居住者、健康保険組合の被保険者などは、住所が変わったときに届出が必要とされています。外国籍スタッフについては、番号が結びついているかを、入社のときに確認しておくと安心です。
住民税・年末調整への影響
- 住民税は1月1日の住所で決まる。年の途中で別の市区町村に引っ越しても、その年度の住民税は1月1日に住んでいた市区町村に納めます。給料から差し引く住民税の手続きは、そのまま続くのが一般的です。外国籍スタッフの住民税|2年目の手取りと帰国時の納税も参照。
- 年末調整の書類の住所を直す。扶養控除の申告書などの住所は、新しい住所で記入してもらいます。海外の家族を扶養に入れている場合の書類は外国籍スタッフの年末調整|海外の家族を扶養に入れるときの書類で解説しています。
特定技能で受け入れている場合の確認
| 確認すること | 考え方 |
|---|---|
| 支援計画の住居の内容 | 借上げ社宅から本人の契約に変わった、提供する社宅が変わったなど、支援計画に書いた内容が変わる場合は、届出が必要になることがある |
| 新しい住まいの基準 | 一人あたりの広さなど、住まいの基準を満たしているか |
| 協力確認書 | 別の市区町村に引っ越した場合は、新しい市区町村への協力確認書の提出が必要になる |
| 定期届出への反映 | 次の定期届出で、住まいの支援の状況を正しく書けるよう記録しておく |
随時届出の考え方は随時届出が必要になるのはどんなとき?ケース別の期限と届出先、定期届出は定期届出の期限と書き方|提出前に確認したいポイント、協力確認書は特定技能の「協力確認書」と住まいの場所|寮が別の市にあるとき・引っ越すときの提出先で解説しています。
本人の届出が済んでいるかも確認する
会社の手続きは、本人が市区町村で住所の届出を済ませ、在留カードの裏面に新しい住所が記載されていることが前提です。引っ越してから14日以内に届け出るよう、本人に伝えましょう。届出が遅れると、罰則や在留資格の取消しの対象になることもあります。住居地の届出が遅れるとどうなる?|14日の期限と、90日で在留資格の取消しの対象になるケースも参照してください。マイナンバーカードの住所の変更も、あわせて済ませるよう伝えます。外国籍スタッフのマイナンバー|住所の届出から番号の通知・カードの有効期限までもご覧ください。
引っ越しの前に相談してもらう仕組みをつくる
本人が会社に知らせずに引っ越すと、会社の手続きが遅れ、郵便物も届かなくなります。引っ越しを考えたら、まず担当者に相談するよう、入社のときに伝えておきましょう。引っ越しの相談を受けたときの流れは外国籍スタッフから「引っ越したい」と言われたら|支援担当者がやることで解説しています。
外国籍スタッフの引っ越しで会社がする手続きのチェックリスト
- ☐ 在留カードの裏面で新しい住所を確認し、社内の記録を直した
- ☐ 緊急連絡先の記録を直した
- ☐ マイナンバーと基礎年金番号が結びついているかを確認し、必要なら住所変更の届出を出した
- ☐ 健康保険組合に加入している場合、組合に届け出た
- ☐ 通勤手当を見直した
- ☐ 社宅・寮の記録や寮費の扱いを直した
- ☐ 特定技能の場合、支援計画の変更や協力確認書の提出が必要かを確認した
まとめ
- まず在留カードの裏面で新しい住所を確認し、社内の記録を更新する
- 社会保険の住所変更は、番号が結びついていれば原則不要。結びついていない場合や健康保険組合の場合は届出が必要
- 通勤手当や社宅・寮の記録を見直す
- 住民税は1月1日の住所で決まる。年の途中の引っ越しでも、その年度は前の市区町村に納める
- 特定技能では、支援計画の変更や協力確認書の提出が必要かを確認する
手続きの内容は、加入している保険や会社の制度によって異なります。具体的な手続きは、日本年金機構や加入している健康保険、出入国在留管理庁の案内でご確認ください。