段階6 届出・更新

入管の実地調査に備える|住まいの支援で確認されやすい書類と記録

特定技能外国人を受け入れている企業や、支援を委託されている登録支援機関には、出入国在留管理庁が、受入れや支援が適正に行われているかを確認するための調査に入ることがあります。調査では、届け出た内容と実際の状況が合っているか、支援がきちんと行われているかが確かめられます。

この記事では、住まいの支援について確認されやすい書類と記録、日ごろから整えておきたいことを解説します。

結論:「計画どおりの住まいか」「本人負担の根拠」「支援の記録」を説明できるようにしておく

住まいの支援で確認されやすいのは、支援計画に書いた住居確保の方法と、実際の住まいが合っているか、広さなどの基準を満たしているか、本人から受け取る費用が適正か、そして支援を行った記録があるかです。

調査が入ってから慌てて書類を集めるのではなく、日ごろから住まいごとに書類と記録をまとめ、すぐに出せるようにしておきましょう。

住まいの支援で確認されやすい書類

書類・記録 確認されやすい点
賃貸借契約書(借上げ社宅の場合) 契約の名義、住所、家賃、入居できる人数
間取り図・広さの分かる資料 一人当たりの居室の広さが基準を満たしているか
本人負担の計算の資料 本人から受け取る家賃などの額と、その計算の根拠
本人への説明の記録 住まいの条件や費用を、本人が理解できる言語で説明し、同意を得たか
支援の実施の記録 物件探しや契約の手伝い、入居後の相談への対応などの記録
給与明細(家賃を差し引いている場合) 差し引いている額が、説明した額と合っているか

支援計画に書いた住居確保の方法は支援計画の「住居確保」欄の書き方|3つの方式ごとの記載例、広さの基準の考え方は複数名を同時に受け入れるときの住まい|ルームシェアの広さと契約の注意点で解説しています。

本人負担の根拠を説明できるようにする

特定技能外国人に借上げの社宅を提供する場合、本人から受け取れる家賃は、借上げにかかる費用(管理費・共益費を含む)を入居する人数で割った額までとされています。調査では、受け取っている額がこの範囲に収まっているかが確認されることがあります。

  • 物件ごとに、家賃・管理費・共益費の額と、入居人数を記録しておく
  • 人数が変わった月は、その月から負担額を計算し直し、記録を残す
  • 計算の方法を社宅の規程に書いておく
  • 給料から差し引く場合は、労使協定と給与明細をそろえておく

社宅の規程の作り方は外国籍スタッフの社宅規程の作り方|家賃負担・退去・備品のルール、給料から差し引くときのルールは社宅の家賃を給料から差し引くとき|労使協定と課税の考え方で解説しています。

届け出た内容と実際の状況のずれに注意

引っ越しや入居者の入れ替えで住まいが変わったのに、支援計画の変更の届出をしていなかった、ルームシェアの人数が増えて広さの基準を満たさなくなっていた、といったずれは、調査で問題になりやすい点です。住まいに変化があったときは、届出が必要かどうかをその都度確認しましょう。

支援の記録の残し方

住まいの支援の記録は、いつ、誰が、何をしたかが分かるように残します。年1回の定期届出でも、支援の実施状況を報告します。

  • 物件探しの手伝いや、契約への立ち会いの日時と内容
  • 入居時の説明(住まいのルール、費用)の日時と、使った資料
  • 入居時の部屋の状態の記録
  • 入居後の相談や苦情への対応の内容と結果
  • 定期面談で住まいについて聞いた内容

記録の残し方は相談・苦情対応の記録の残し方|支援実施状況の確認に備える、入居時の記録は入居時の部屋の写真記録とチェックシートの作り方、定期届出は定期届出の期限と書き方|提出前に確認したいポイントで解説しています。

書類の保管の方法

保管の工夫 内容
スタッフごと・物件ごとにまとめる 契約書、間取り図、負担額の計算、説明の記録を一つにまとめる
保管の期間を決める 受入れが終わったあとも、決められた期間は保管する
見られる人を決める 個人の情報が含まれるため、保管の場所と見られる人を決める
登録支援機関と分担を決める 支援を委託している場合、どちらが何を保管するかを決めておく

台帳があれば、調査にもすぐ対応できる

物件ごとの契約、入居者、本人負担の額、入居時の記録を一つの台帳にまとめておくと、調査のときにも必要な情報をすぐに出せます。台帳の作り方は住まいの担当と役割分担を決める|受入れ企業・支援機関・不動産会社の情報共有で解説しています。

実地調査に備えるチェックリスト

  • ☐ 支援計画の住居確保の方法と、実際の住まいが合っている
  • ☐ 一人当たりの広さが基準を満たしていることを、間取り図で示せる
  • ☐ 本人負担の額と計算の根拠を、物件ごとに記録している
  • ☐ 人数が変わったときに、負担額を計算し直した記録がある
  • ☐ 本人への説明と同意の記録がある
  • ☐ 物件探しから入居後の相談までの支援の記録がある
  • ☐ 住まいの変化のときに、届出が必要か確認している
  • ☐ 書類をスタッフごと・物件ごとにまとめ、保管の期間と場所を決めている

まとめ

  • 受入れ企業や登録支援機関には、支援の状況を確認する調査が入ることがある
  • 住まいでは、支援計画どおりか、広さの基準、本人負担の根拠、支援の記録が確認されやすい
  • 本人負担は、物件ごとの費用と入居人数から計算した根拠を残しておく
  • 住まいに変化があったら、届出が必要かをその都度確認する
  • 書類はスタッフごと・物件ごとにまとめ、すぐに出せるようにしておく

調査の内容や求められる書類、保管の期間は、運用要領の改訂などで変わることがあります。最新の情報は、出入国在留管理庁の案内でご確認ください。

このガイドの運営者

不動産のイブキ(伊吹株式会社)。外国籍スタッフの住まいの手配を全国で行っています。制度は改正されることがあるため、手続きの最終確認は出入国在留管理庁などの公式情報もあわせてご確認ください。