段階1 受入れ決定・準備

住まいの担当と役割分担を決める|受入れ企業・支援機関・不動産会社の情報共有

外国籍スタッフの住まいの対応には、受入れ企業の人事や総務、現場の上司、登録支援機関、派遣会社、不動産会社や管理会社など、多くの人が関わります。関わる人が多い分、「設備の故障の連絡を誰が受けるのか」「更新の手続きは誰がするのか」があいまいになり、対応が遅れたり、漏れたりすることがあります。

この記事では、外国籍スタッフの住まいの対応について、役割分担の決め方と、情報を一つにまとめて共有する仕組み、夜間や休日の連絡体制、担当者が替わるときの引き継ぎを解説します。

結論:「誰が・何を」を一覧にし、物件ごとの情報を一つの台帳にまとめる

住まいの対応の漏れを防ぐには、住まいに関わる業務ごとに担当を決めて一覧にすることと、物件ごとの契約や入居者の情報を一つの台帳にまとめて共有することが基本です。

あわせて、本人が困ったときに最初に連絡する窓口を一つに決めておくと、本人も迷わず相談でき、情報も集まりやすくなります。

住まいに関わる主な業務と担当の例

業務 担当の例
住まいの条件と予算を決める 受入れ企業(人事・総務)
本人の希望を聞く・住まいの説明をする 登録支援機関または受入れ企業の支援担当者
物件探し・契約の手続き 受入れ企業、または依頼を受けた不動産会社
家具・家電・ライフラインの手配 受入れ企業、または依頼を受けた不動産会社
入居時の立ち会いと記録 支援担当者、不動産会社
本人からの相談の最初の窓口 支援担当者
設備の故障の連絡 管理会社(支援担当者が取り次ぐ)
家賃の支払い・本人負担の精算 受入れ企業(経理)
契約の更新・解約 受入れ企業(契約者)
退去の立ち会い 受入れ企業または支援担当者

担当の分け方は、受入れの形(自社で支援するか、登録支援機関に委託するか、派遣か)によって変わります。大切なのは、すべての業務に担当が決まっていて、関わる人がそれを知っていることです。住まいの手配を外部に任せる場合の考え方は住まいの手配を不動産会社に任せるとき|登録支援機関・派遣会社が確認したいことで解説しています。

物件ごとの情報を一つの台帳にまとめる

物件の契約の情報、入居者、鍵、期限などがばらばらに管理されていると、担当者が替わったときや、急なトラブルのときに必要な情報が見つかりません。物件ごとに一つの台帳にまとめ、関わる人が見られるようにしておきましょう。

台帳に入れたい項目 内容の例
物件の情報 住所、間取り、家賃、管理会社と連絡先(夜間も)
契約の情報 契約者の名義、契約の期間、更新日、更新料、解約予告の期間、短期解約の違約金
入居者の情報 入居者の名前、入居日、在留期限、本人負担の額
鍵 鍵の種類と本数、予備の鍵の保管場所、暗証番号の変更日
保険・保証 火災保険の内容と期限、保証会社
ライフライン 電気・ガス・水道・インターネットの契約の名義
記録 入居時の写真の保管場所、修理やトラブルの履歴

在留期限と契約の期限を同じ台帳で管理しておくと、ずれに早く気づけます。考え方は在留期間と社宅の契約期間の合わせ方|2年契約と在留期限のずれへの備え、鍵の管理は社宅の鍵の管理|合鍵・紛失・入居者が替わるときの交換で解説しています。

個人情報の扱いに注意する

台帳には、入居者の在留期限など個人の情報も含まれます。見られる人の範囲を決め、外部の不動産会社などと共有する場合は、必要な項目だけにしましょう。個人情報の扱いについて、本人への説明と同意も忘れずに行います。

夜間・休日の連絡体制

水漏れや鍵の閉め出し、急な病気など、住まいのトラブルは夜間や休日にも起こります。本人が夜中に誰にも連絡できず困ることのないよう、連絡の流れを決めておきましょう。

  • 緊急のときに本人が最初に連絡する先(支援担当者の緊急連絡先、管理会社の夜間窓口など)を決める
  • 連絡先を、本人が理解できる言語で書いて部屋に貼っておく
  • 担当者が休みのときの代わりの連絡先を決めておく
  • 119番・110番など、命に関わるときはまずそちらに連絡するよう伝える

災害のときの安否の確認の方法も、あわせて決めておきましょう。災害への備え|住まいの防災と安否確認の準備で解説しています。

社宅のルールと共有の仕組み

担当と台帳を決めたら、本人負担の額や退去のときの扱いなど、会社として決めたことを社宅のルールにまとめておきます。関わる人がルールを共有していれば、本人への説明が人によって変わることも防げます。ルールの作り方は外国籍スタッフの社宅規程の作り方|家賃負担・退去・備品のルールで解説しています。

相談やトラブルの対応の記録も、関わる人が見られる場所に残しておきましょう。記録の残し方は相談・苦情対応の記録の残し方|支援実施状況の確認に備えるで解説しています。

担当者が替わるときの引き継ぎ

人事異動や退職、登録支援機関の変更などで担当者が替わるときは、住まいの情報の引き継ぎが漏れやすくなります。

  • 台帳と記録の保管場所を引き継ぐ
  • 賃貸の契約や保証会社の緊急連絡先が、前の担当者の個人の連絡先になっていないか確認し、必要なら変更する
  • 対応中のトラブルや、近く期限が来る更新・解約を一覧にして引き継ぐ
  • 本人に、新しい担当者と連絡先を伝える

登録支援機関を変えるときの引き継ぎは登録支援機関を変更するとき|手続きと住まいの引き継ぎ、入居者が入れ替わるときの準備は社宅の入居者が入れ替わるときの準備|清掃・備品・ライフラインの引き継ぎで解説しています。

住まいの担当と体制づくりのチェックリスト

  • ☐ 住まいに関わる業務ごとに担当を決め、一覧にした
  • ☐ 本人が最初に相談する窓口を一つに決めた
  • ☐ 物件ごとの情報を一つの台帳にまとめた
  • ☐ 台帳を見られる人の範囲を決めた
  • ☐ 夜間・休日の連絡の流れと、代わりの連絡先を決めた
  • ☐ 連絡先を本人の言語で書いて部屋に貼った
  • ☐ 社宅のルールを関わる人で共有した
  • ☐ 担当者が替わるときの引き継ぎの項目を決めた

まとめ

  • 住まいの対応には多くの人が関わる。業務ごとに担当を決めて一覧にする
  • 本人が最初に相談する窓口を一つに決める
  • 物件ごとの契約、入居者、鍵、期限などの情報を一つの台帳にまとめ、見られる人の範囲を決める
  • 夜間・休日の連絡の流れを決め、本人の言語で部屋に貼っておく
  • 担当者が替わるときは、台帳、緊急連絡先、対応中の案件を確実に引き継ぐ

役割分担のしかたは、受入れの形や会社の規模によって変わります。自社に合った形で、無理なく続けられる仕組みをつくりましょう。

次の段階 2. 在留資格の手続き

このガイドの運営者

不動産のイブキ(伊吹株式会社)。外国籍スタッフの住まいの手配を全国で行っています。制度は改正されることがあるため、手続きの最終確認は出入国在留管理庁などの公式情報もあわせてご確認ください。