寮・社宅に会社が冷蔵庫や洗濯機、電子レンジ、布団などを用意している場合、物件や入居者が増えるにつれて、どの部屋に何があるのか、いつ買ったのかが分からなくなりがちです。退去のときに「この傷は前からあった」「この電子レンジは前の入居者が置いていったもの」と、話がかみ合わないこともあります。
こうした混乱を防ぐのが、備品台帳です。この記事では、寮・社宅の備品台帳に記録したい項目と、貸し出し、故障・買い替え、入居者が替わるときの確認の進め方を解説します。
結論:部屋ごとに「何を・いつ・いくらで」用意したかを記録し、入居のときに入居者と一緒に確認する
備品台帳には、部屋ごとに、どの備品を、いつ、いくらで用意したかを記録します。そのうえで、入居のときに備品の一覧と状態を入居者と一緒に確認し、写真とともに残しておくことが大切です。
故障や買い替えがあったら台帳を更新し、入居者が替わるときは台帳と照らし合わせて確認します。これだけで、退去のときの揉めごとや、買い替えの判断の迷いが大きく減ります。
備品台帳に記録したい項目
| 項目 | 記録する内容 |
|---|---|
| 物件・部屋 | 物件名と部屋番号 |
| 備品の名前 | 冷蔵庫、洗濯機、電子レンジ、エアコン、布団、カーテンなど |
| メーカー・型番 | 修理の依頼や買い替えのときに使う |
| 用意した日と方法 | 購入、中古、レンタル、物件に付いている設備のどれか |
| 金額 | 購入やレンタルの費用 |
| 状態 | 新品、傷あり、動作に問題ありなど。写真もあわせて残す |
| 修理・買い替えの記録 | 故障した日、修理の内容と費用、買い替えた日 |
寮・社宅にどこまで備品を用意するかは家具・家電はどこまで用意する?最低限そろえたい生活用品リスト、買うか借りるかの判断は寮・社宅の家具・家電は買うか借りるか|新品・中古・レンタルの比べ方と、故障や処分のときの考え方で解説しています。
会社の備品と、物件の設備を分けて記録する
エアコンや給湯器、コンロなど、もともと物件に付いている設備は、故障したときに大家側が修理するのが一般的です。一方、会社が用意した備品は、会社が修理や買い替えをします。台帳では、「会社の備品」か「物件の設備」かを分けて記録しておくと、故障したときの連絡先を迷わずに済みます。設備が壊れたときの流れは寮・社宅の設備が壊れたとき|水漏れ・エアコン・トイレの詰まりの連絡の流れと費用の負担をご覧ください。
入居者への貸し出しの確認
- 備品の一覧を渡す。部屋にある会社の備品の一覧を、本人の言語で渡します。
- 状態を一緒に確認する。傷や汚れ、動作に問題がないかを入居者と一緒に確認し、写真を撮ります。
- 確認書に署名をもらう。一覧と状態を確認したことを、入居者に署名してもらいます。
- 扱いのルールを伝える。壊れたときはすぐ連絡すること、勝手に処分したり持ち出したりしないことを伝えます。
- 壊したときの負担を決めておく。不注意で壊した場合の負担を、寮規程で決めておきます。
入居時の部屋の記録のしかたは入居時の部屋の写真記録とチェックシートの作り方で解説しています。
故障と買い替えの管理
| 場面 | 台帳でやること |
|---|---|
| 故障の連絡を受けたとき | 日付と症状を記録する。過去に同じ故障がないかを確認する |
| 修理したとき | 修理の内容と費用を記録する |
| 買い替えを判断するとき | 使った年数と修理の回数を見て、修理と買い替えのどちらがよいかを決める |
| 買い替えたとき | 新しい備品の情報に書き換え、古い備品の処分の方法を記録する |
| 年に一度の見直し | 古くなった備品をまとめて洗い出し、翌年の買い替えの予算を考える |
前の入居者が置いていった物を、備品として扱わない
前の入居者が退去のときに置いていった家電や家具を、そのまま次の入居者に使わせると、会社の備品なのか、誰の物なのかがあいまいになります。故障したときの責任も分からなくなります。置いていかれた物は、台帳に記録して会社の備品として扱うか、処分するかをはっきり決めましょう。残された荷物の扱いは退去後に荷物が残されないように|寮・社宅の残置物の扱いを入居時に決めておくをご覧ください。
入居者が替わるときの確認
- 退去の立ち会いで台帳と照らし合わせる。備品がそろっているか、入居のときの写真と比べて新しい傷や故障がないかを確認します。
- 次の入居者のために点検する。動作の確認と掃除をし、必要なら修理や買い替えをします。
- 台帳を更新する。状態の変化と、次の入居者の名前と入居日を記録します。
入居者の入れ替えの準備は社宅の入居者が入れ替わるときの準備|清掃・備品・ライフラインの引き継ぎ、退去の立ち会いは社宅の退去の立ち会い|原状回復の費用で揉めないための確認で解説しています。
社宅の台帳と一緒に管理すると、引き継ぎも楽になる
備品台帳は、物件の契約や入居者の情報をまとめた社宅の台帳と一緒に管理すると、担当者が替わったときにも引き継ぎやすくなります。表計算ソフトで、物件ごとのシートに備品の一覧をまとめるだけでも十分です。社宅の台帳の項目は社宅の管理を外部に任せるとき|自社管理との比べ方、任せられる業務と、社宅台帳で押さえたいことを参考にしてください。
備品台帳のチェックリスト
- ☐ 部屋ごとに、会社の備品の一覧を作った
- ☐ メーカー、型番、用意した日と方法、金額を記録した
- ☐ 会社の備品と物件の設備を分けて記録した
- ☐ 入居のときに備品の状態を入居者と確認し、写真を残した
- ☐ 一覧と状態の確認書に、入居者の署名をもらった
- ☐ 故障・修理・買い替えのたびに台帳を更新している
- ☐ 前の入居者が置いていった物の扱いを決めた
- ☐ 退去の立ち会いで、台帳と照らし合わせて確認している
まとめ
- 備品台帳がないと、どの部屋に何があるか、退去のときの傷や故障が前からあったのかが分からなくなる
- 部屋ごとに、何を、いつ、いくらで用意したかと、状態を記録する
- 会社の備品と物件の設備を分けて記録し、故障したときの連絡先を迷わないようにする
- 入居のときに入居者と一緒に状態を確認し、写真と署名を残す
- 故障や買い替えのたびに台帳を更新し、入居者が替わるときは台帳と照らし合わせて確認する
備品の扱いや、壊したときの負担の決め方は、会社の寮規程や物件の契約によって異なります。自社の規程に合わせて台帳の項目を調整してください。