寮や社宅では、水漏れやエアコンの故障、トイレの詰まり、お湯が出ないといったトラブルが起きます。外国籍スタッフは、誰に連絡すればよいか分からなかったり、日本語で状況を説明できなかったりして、対応が遅れがちです。中には、インターネットで見つけた業者を自分で呼んで、高額な料金を請求されてしまう人もいます。
この記事では、寮や社宅の設備が壊れたときの対応を、故障の種類ごとの注意点、連絡の流れ、修理費の負担の考え方に分けて解説します。
結論:連絡の流れを入居のときに決めておき、本人が自分で業者を呼ばないようにする
設備の故障は、本人から会社の担当者へ、担当者から管理会社へという連絡の流れを入居のときに決めておくと、対応が早くなります。水漏れやガスのにおいなど急ぐ場合は、管理会社の緊急の連絡先に本人や担当者がすぐ連絡できるようにしておきます。
また、本人が自分で修理の業者を呼ばないことを伝えておきましょう。修理費の負担は、故障の原因や契約の内容によって変わります。
故障の種類ごとの対応
| 故障 | まずすること | 注意点 |
|---|---|---|
| 水漏れ | 止水栓や元栓を閉め、すぐに連絡する | 下の階に水が漏れると被害が広がる。止水栓の場所を入居のときに伝えておく |
| エアコンが動かない | リモコンの電池やブレーカーを確認し、連絡する | 夏や冬は体調に関わるため、急いで対応する |
| トイレの詰まり | 水を流し続けず、連絡する | トイレットペーパー以外の物を流したことが原因の場合、本人の負担になることがある |
| お湯が出ない | 給湯器の電源や表示を確認し、連絡する | ガスの供給が止まっていないかも確認する |
| 電気がつかない | ブレーカーを確認する | 部屋全体か一部か、建物全体かで原因が違う |
| ガスのにおいがする | 火をつけず、窓を開け、ガス会社に連絡する | 電気のスイッチにも触らない。最優先で対応する |
| 鍵をなくした・開かない | 担当者に連絡する | 本人が自分で鍵業者を呼ばない |
入居初日に説明しておきたい設備の使い方は入居初日に部屋で説明すること|鍵・設備の使い方と、その夜に困らないための準備、鍵をなくしたときの対応は社宅の鍵の管理|合鍵・紛失・入居者が替わるときの交換、夏と冬のエアコンの大切さは外国籍スタッフの夏と冬の暮らし|熱中症・暖房・結露、火やガスの注意点は外国籍スタッフの住まいの火災予防|たこ足配線・調理・たばこの注意点で解説しています。
本人が自分で業者を呼んで、高額な請求を受けるトラブル
水道の修理や鍵の開け閉めでは、インターネットの広告で「安い」と見せて、実際には高額な料金を請求する業者もいます。外国籍スタッフが慌てて自分で業者を呼び、その場で高い料金を支払ってしまうことがあります。故障のときは必ず担当者に連絡すること、自分で業者を呼ばないことを、入居のときに本人の言語で伝えておきましょう。詐欺や悪質な訪問への注意は住まいの防犯と詐欺への注意|鍵・訪問販売・電話もご覧ください。
連絡の流れの決め方
- 通常の故障は担当者へ。本人は会社の担当者に連絡し、担当者が管理会社に修理を依頼します。
- 急ぐ場合の連絡先を決める。水漏れやガスのにおいなど急ぐ場合に、夜間や休日でも連絡できる先(管理会社の緊急窓口、ガス会社など)を決めておきます。
- 写真で状況を伝えてもらう。言葉で説明するのが難しい場合は、故障した場所の写真や動画を送ってもらうと、状況が早く伝わります。
- 連絡先を部屋に貼っておく。担当者、管理会社の緊急窓口、ガス会社、119・110をまとめた紙を、本人の言語も添えて部屋に貼っておきます。
関係者の役割分担は住まいの担当と役割分担を決める|受入れ企業・支援機関・不動産会社の情報共有で解説しています。
修理費の負担の考え方
| 故障の原因 | 負担の考え方 |
|---|---|
| 古くなったことによる故障、普通に使っていて壊れた | 貸主の負担になるのが一般的 |
| 使い方の誤りや不注意で壊した | 借りている側(会社や本人)の負担になることがある |
| 会社が用意した家具・家電の故障 | 会社の負担になるのが一般的。本人の不注意の場合の扱いを寮の規程で決めておく |
本人に負担させるときは、ルールを決めてから
本人の不注意で壊した場合に修理費を負担してもらうかどうかは、寮の規程であらかじめ決め、入居のときに説明しておきましょう。負担させる場合も、金額の根拠を示し、本人が納得したうえで決めることが大切です。給料から差し引く場合は、労使協定などのルールも確認が必要です。規程の例は外国籍スタッフ向け寮規程の条文例|派遣会社・受入れ企業がそのまま使えるひな形、退去のときの費用の考え方は社宅の退去の立ち会い|原状回復の費用で揉めないための確認をご覧ください。
故障の連絡は、住まいの困りごとを知る入口
設備の故障の連絡が来たときは、ほかに困っていることがないかを聞く機会にもなります。故障を放っておくと、本人の不満がたまり、退職の理由になることもあります。小さな故障でも、早めに対応しましょう。
設備の故障に備えるチェックリスト
- ☐ 故障のときの連絡の流れを決め、本人に伝えた
- ☐ 夜間・休日の緊急の連絡先を確認した
- ☐ 連絡先をまとめた紙を、本人の言語も添えて部屋に貼った
- ☐ 止水栓やブレーカーの場所を入居のときに伝えた
- ☐ 自分で業者を呼ばないよう伝えた
- ☐ 故障のときは写真や動画を送ってもらうよう伝えた
- ☐ 本人の不注意による故障の費用の扱いを、寮の規程で決めた
まとめ
- 設備の故障は、本人から担当者へ、担当者から管理会社へ、という連絡の流れを入居のときに決めておく
- 水漏れやガスのにおいなど急ぐ場合の連絡先も確認しておく
- 本人が自分で業者を呼んで高額な請求を受けないよう、必ず担当者に連絡するよう伝える
- 修理費は、古くなったことによる故障は貸主、不注意による故障は借りている側の負担になることがある
- 本人に負担させる場合のルールは、寮の規程で決め、入居のときに説明しておく
修理費の負担は、賃貸の契約の内容や故障の原因によって異なります。具体的な扱いは、契約書と管理会社への確認をもとに判断してください。