段階5 就労開始後の支援

入居者が隣や上の階の音に悩んでいるとき|騒音の被害を受けた側の聞き取り、記録、管理会社への相談、住み替えの判断

住まいの騒音というと、外国籍スタッフが近所から苦情を受ける場面を思い浮かべがちです。しかし反対に、外国籍スタッフ自身が、隣や上の階の足音、夜中の話し声やテレビの音、早朝の物音に悩んでいることもあります。

言葉の壁から誰にも相談できず、眠れない日が続いて体調を崩したり、仕事に集中できなくなったりすることもあります。この記事では、入居者が騒音の被害を受けているときに、支援担当者ができることを解説します。

結論:本人から具体的に聞いて記録してもらい、管理会社を通して相手に伝える。改善しなければ部屋の移動や住み替えも

騒音の相談を受けたら、いつ、どんな音が、どれくらい続くのかを本人から具体的に聞き、日時と音の内容を記録してもらいます。そのうえで、管理会社や大家に相談し、管理会社から相手に伝えてもらうのが基本です。

本人が直接相手に言いに行くと、トラブルが大きくなるおそれがあります。管理会社を通しても改善しない場合や、本人の睡眠や体調に影響が出ている場合は、部屋の移動や住み替えも考えましょう。

本人から聞きたいこと

聞くこと 例
どんな音か 足音、話し声、テレビや音楽、ドアの開け閉め、洗濯機など
どこからか 上の階、隣の部屋、下の階、建物の外
いつ、どれくらい 時間帯と、毎日か、週に何回か、どれくらい続くか
どんな影響があるか 眠れない、夜勤明けに休めない、気持ちが落ち着かない
これまでにしたこと 相手に直接言ったか、壁をたたくなどしていないか

夜勤の人は、昼間の音でも眠れなくなる

夜勤のある外国籍スタッフは、昼間に眠ります。昼間の生活音は、近所の人にとっては普通の音でも、夜勤明けの人には眠りを妨げる音になります。相手に「やめてほしい」とは言いにくい音でもあるため、耳栓や遮光カーテンなどの工夫とあわせて、部屋の場所の見直しも考えましょう。

音の記録のとり方

  • 日時と内容をメモする。音がした日時、続いた時間、どんな音かをメモしてもらいます。本人の言語でかまいません。
  • 録音や動画を残す。スマートフォンで音を録音しておくと、管理会社に伝えるときに役立ちます。
  • 同じ建物の人にも聞く。寮の場合は、ほかの入居者も同じ音に困っていないかを確認します。
  • 担当者も記録を残す。相談を受けた日と内容、管理会社への連絡と結果を記録します。

相談の記録の残し方は相談・苦情対応の記録の残し方|支援実施状況の確認に備えるで解説しています。

管理会社への相談の進め方

  1. 記録をもとに伝える。日時と音の内容、本人への影響を、管理会社に具体的に伝えます。
  2. 相手への伝え方を相談する。建物全体への掲示や、相手の部屋への手紙など、相手を特定しすぎない方法から始めてもらうのが一般的です。
  3. 様子を見る期間を決める。伝えてもらったあと、しばらく様子を見て、改善したかを本人に確認します。
  4. 改善しなければ再度相談する。記録を続け、改善しない場合は管理会社に再度相談します。

本人が直接言いに行かない、やり返さない

本人が相手の部屋に直接言いに行くと、言葉の行き違いからトラブルが大きくなったり、逆に苦情を受けたりすることがあります。壁や天井をたたいて音でやり返すことも、トラブルのもとになります。相手とのやり取りは管理会社を通して行うよう、本人に伝えましょう。夜中に大きな物音や怒鳴り声が続くなど、身の危険を感じる場合は、ためらわずに警察に相談します。近所からの嫌がらせへの対応は近所から入居者が嫌がらせを受けたとき|外国籍スタッフを守るための聞き取り、記録、管理会社・警察への相談、夜間の連絡先は夜間・休日に住まいのトラブルが起きたとき|鍵の閉め出し、水漏れ、停電への対応と、会社の連絡体制のつくり方をご覧ください。

寮の中の入居者どうしの音の場合

  • 担当者が間に入る。同じ会社の寮の入居者どうしの場合は、担当者が双方から話を聞きます。
  • 勤務の時間を考えて部屋を分ける。夜勤の人と日勤の人の部屋を離すなど、部屋割りを見直します。
  • 寮のルールを見直す。夜の静かにする時間や、共用部の使い方のルールを決め直します。

部屋割りの考え方は国籍の違うスタッフが同じ寮に住むとき|部屋割りの考え方とトラブルを防ぐ工夫、反対に苦情を受けたときの対応は住まいの騒音の苦情を受けたとき|聞き取りから改善までで解説しています。

住み替えを考えるとき

  • 改善の見込みがない。管理会社を通しても音が続く場合は、住み替えを考えます。
  • 体調に影響が出ている。眠れない、仕事中に体調を崩すなどの様子があれば、早めに対応します。
  • 解約の時期と費用を確認する。社宅を解約する場合は、解約の申し出の期限や費用を確認します。
  • 次の物件で同じことを防ぐ。建物の構造や、角部屋・最上階かどうか、周りの環境を確認して選びます。

解約の進め方は社宅の解約手続きの進め方|解約の申し出の期限、日割り、ライフラインの停止、敷金の精算まで、物件の選び方は外国籍スタッフの社宅の内見|本人の代わりに確認したいポイントと写真の撮り方をご覧ください。

音の悩みは、本人から言い出しにくい

外国籍スタッフは、「外国人の自分が苦情を言ってよいのか」と遠慮して、音の悩みを我慢していることがあります。面談のときに「夜はよく眠れている?」「周りの音は気にならない?」と聞いてみると、悩みを話しやすくなります。外部の相談先は住まいの困りごとの相談先|内容別の窓口と、支援担当者が外部につなぐときのコツも参考にしてください。

騒音に悩む入居者への対応のチェックリスト

  • ☐ どんな音が、どこから、いつ、どれくらいかを本人から聞いた
  • ☐ 日時と音の内容を記録してもらい、録音も残してもらった
  • ☐ 本人の睡眠や体調への影響を確認した
  • ☐ 管理会社に記録をもとに相談し、相手への伝え方を決めた
  • ☐ 本人に、直接言いに行かない、やり返さないよう伝えた
  • ☐ 寮の入居者どうしの場合、部屋割りやルールを見直した
  • ☐ 改善しない場合の住み替えと、解約の期限・費用を確認した

まとめ

  • 外国籍スタッフが、隣や上の階の音に悩み、眠れなくなっていることがある
  • どんな音が、いつ、どれくらいかを聞き、日時と内容を記録してもらう
  • 相手とのやり取りは管理会社を通し、本人が直接言いに行ったりやり返したりしない
  • 夜勤の人は昼間の音でも眠れなくなるため、部屋の場所の見直しも考える
  • 改善しない場合や体調に影響が出ている場合は、住み替えを考える

騒音への対応の進め方は、管理会社や物件によって異なります。具体的な対応は、管理会社や大家にご相談ください。

次の段階 6. 届出・更新

このガイドの運営者

不動産のイブキ(伊吹株式会社)。外国籍スタッフの住まいの手配を全国で行っています。制度は改正されることがあるため、手続きの最終確認は出入国在留管理庁などの公式情報もあわせてご確認ください。