段階3 住まいの確保

家具・家電はどこまで用意する?最低限そろえたい生活用品リスト

外国籍スタッフの住まいを用意するとき、意外と迷うのが家具・家電をどこまでそろえるかです。何もない部屋に入居してもらうと、本人は入国したその日から寝る場所や食事に困ります。一方で、会社がすべてそろえると費用がかさみ、退去のときの扱いも決めておかなければなりません。

この記事では、社宅に用意する家具・家電を、入居日から必要なもの、あると便利なもの、本人に任せてよいものに分けて整理します。あわせて、見落としやすい点や、費用負担と退去時の扱いも解説します。

結論:入居日から暮らせる最低限を用意し、残りは本人が選ぶ

入国直後の本人は、日本でどこに何が売っているかも分からず、手持ちのお金も限られています。入居したその日から寝て、食べて、洗濯ができる最低限のものは、入居前に用意しておくのが基本です。

それ以外の家具や生活用品は、本人の好みや生活に合わせて、慣れてから少しずつそろえてもらう形で十分です。何を会社が用意し、何を本人が用意するのかを最初に決めて、本人にも伝えておきましょう。

家具・家電と生活用品のリスト

入居日から必要なもの

品目 確認したいこと
寝具(布団またはベッド、枕、毛布) 入国の季節に合ったものを用意する
照明器具 部屋に照明が付いていない物件も多い。全部屋分を確認する
カーテン 窓の大きさを測ってから用意する。夜に外から見えないようにする
冷蔵庫 置き場所の幅と、ルームシェアなら人数に合った容量
洗濯機 洗濯機置き場の大きさと、蛇口の形
冷暖房(エアコン) 備え付けかどうか。新たに付けるなら工事の日程に余裕をもつ
ガスコンロまたは電気コンロ コンロが付いていない物件がある。ガスの種類(都市ガスかプロパンガスか)に合ったものを選ぶ
炊飯器、電子レンジ 食事の習慣に合わせて用意する
最低限の調理器具・食器 鍋、フライパン、包丁、食器を人数分

あると便利なもの

  • インターネット回線(Wi-Fi)。家族との連絡に欠かせず、携帯電話を契約するまでの連絡手段にもなります
  • 収納(衣装ケース、棚)
  • テーブル、座布団や椅子
  • ゴミ箱(分別の種類に合わせて複数)
  • 掃除機、ハンガー、物干し
  • トイレットペーパー、洗剤など、最初の数日分の消耗品

本人に任せてよいもの

テレビ、ドライヤー、好みの調理家電、衣類や日用品などは、本人が生活に慣れてから選んでもらって構いません。近くのスーパーやホームセンター、リサイクルショップの場所を案内しておくと、本人も買い物がしやすくなります。

見落としやすいのは照明・コンロ・カーテン

日本の賃貸物件では、照明器具やコンロが付いていないことがあり、窓の大きさも物件ごとに違います。入国当日の夜に部屋が真っ暗だった、料理ができなかった、ということにならないよう、内見の段階で何が備え付けかを確認しておきましょう。

新品・中古・レンタル・家具付き物件の比べ方

方法 向いているケース 気をつけたい点
新品を買う 長く住む見込みがあり、同じ社宅を次の入居者にも使う 初期費用が大きくなる。人数が多いほど負担が増える
中古を買う 費用を抑えたい 故障や汚れの状態を確認する。保証の有無も確認する
レンタル 住む期間が短い、または期間がはっきりしない 長く借りると、買うより割高になることがある
家具・家電付きの物件 すぐに入居したい、手配の手間を省きたい 家賃が高めになりやすい。物件数が限られる

派遣のように住む期間が短くなりやすい場合は、レンタルや家具付き物件も選択肢になります。住まいの用意の仕方ごとの費用の考え方は、派遣会社が外国籍スタッフの寮・社宅を用意するときの費用と注意点で解説しています。

ルームシェアの場合

複数名で住む場合は、共用で使うものと、一人ひとりに用意するものを分けて考えます。

  • 共用:冷蔵庫、洗濯機、電子レンジ、炊飯器、調理器具など
  • 一人ずつ:寝具、収納、個室の照明やカーテンなど

冷蔵庫は人数に対して小さすぎると、食材の置き場所をめぐってもめる原因になります。私物を収納できる場所が一人ひとりにあることも、相部屋で気持ちよく暮らすための大切な条件です。ルームシェアの注意点は複数名を同時に受け入れるときの住まい|ルームシェアの広さと契約の注意点でもまとめています。

費用負担と退去時の扱いを決めておく

家具・家電でトラブルになりやすいのが、費用を誰が負担し、退去のときにどう扱うかです。次の2つのどちらにするかを、入居前に決めておきましょう。

考え方 費用 退去のとき
会社の備品として貸す 会社が負担 部屋に残して回収し、次の入居者に使う
本人の持ち物にする 本人が負担(会社が一部を補助することも) 本人が持っていくか、自分で処分する

会社の備品として貸す場合は、何を貸したかを一覧にして、入居時に本人と一緒に確認しておくと、退去時の回収や破損の確認がスムーズです。費用の一部を給与から差し引く場合は、労使協定が必要になります。

本人の持ち物にする場合は、帰国や退去のときに家具・家電が部屋に残されたままにならないよう、処分の方法も入居時に伝えておきましょう。退去の段取りは退職・帰国が決まったら|届出と住まいの退去の段取りで解説しています。

入居前の準備チェックリスト

  • ☐ 備え付けの設備(照明、エアコン、コンロ)を内見の段階で確認した
  • ☐ 窓の大きさを測り、カーテンを用意した
  • ☐ ガスの種類に合ったコンロを用意した
  • ☐ 冷蔵庫と洗濯機の置き場所の大きさを確認した
  • ☐ 季節に合った寝具を人数分用意した
  • ☐ 最初の数日分の消耗品を置いた
  • ☐ 会社が用意したものの一覧を作り、費用負担と退去時の扱いを決めた
  • ☐ 電気・ガス・水道の使用開始と、インターネット回線の手配を済ませた

入国直後の手続きの流れは、入国直後の生活立ち上げチェックリスト|住居地の届出・口座・携帯の順番にまとめています。

まとめ

  • 入居したその日から寝て、食べて、洗濯ができる最低限のものは、入居前に用意する
  • 照明、コンロ、カーテンは付いていない物件があるため、内見の段階で確認する
  • 新品・中古・レンタル・家具付き物件は、住む期間の見込みで選ぶ
  • ルームシェアでは、共用のものと一人ずつ用意するものを分けて考える
  • 会社の備品として貸すか、本人の持ち物にするかを決め、退去時の扱いまで伝えておく

何をどこまで用意するかは、受入れ企業の方針や住む期間によって変わります。本人の生活の様子を見ながら、必要なものを少しずつ補っていきましょう。

次の段階 4. 入国・生活の立ち上げ

このガイドの運営者

不動産のイブキ(伊吹株式会社)。外国籍スタッフの住まいの手配を全国で行っています。制度は改正されることがあるため、手続きの最終確認は出入国在留管理庁などの公式情報もあわせてご確認ください。