外国籍スタッフが自分の名義で部屋を借りるとき、入居審査の中で、保証会社や管理会社から勤務先に「〇〇さんはこちらにお勤めですか」という在籍確認の電話が来ることがあります。電話を受けた社員がスタッフの名前に心当たりがなかったり、答えに迷ったりして、確認がとれないと、それだけで審査に通らないことがあります。
この記事では、在籍確認の電話が来たときに会社がどう対応すればよいか、答えてよい範囲と、外国籍スタッフならではの注意点を解説します。
結論:受ける担当を決め、名前の表記を共有し、答えるのは「在籍の有無」を中心にする
在籍確認にすばやく正確に答えることは、外国籍スタッフの部屋探しを後押しすることにつながります。そのためには、電話を受ける担当を決めておくこと、本人の名前の書き方(ローマ字・カタカナ)を社内で共有しておくことが大切です。
答える内容は、本人が在籍しているかどうかを中心にし、収入などの詳しい情報は、本人の了解がある範囲で答えるようにしましょう。
在籍確認の電話で聞かれやすいこと
| 聞かれやすいこと | 答え方の考え方 |
|---|---|
| 本人が在籍しているか | 本人から入居の申込みについて聞いていれば、在籍していることを答える |
| 勤務の形(正社員・派遣など) | 本人の了解がある範囲で答える |
| 入社の時期・勤続の見込み | 本人の了解がある範囲で答える。派遣の場合は、勤続の見込みを伝えると審査の助けになることがある |
| 収入の額 | 本人の了解を得ている場合に限り答える。申込みの書類で確認してもらうのが基本 |
| 本人の私的な事情 | 答えない |
入居審査で必要な書類は外国籍の方の入居審査で必要な書類と、審査に通りやすくする準備、個人情報を社外に伝えるときの考え方は入居者の個人情報の扱い方|在留カードの写しや連絡先を、不動産会社や管理会社と共有するときの注意で解説しています。
名前の表記の違いで「在籍していない」と答えない
外国籍スタッフの名前は、ローマ字、カタカナ、通称など、書き方がいくつもあることがあります。保証会社は申込みの書類の書き方で問い合わせるため、社内の呼び方と違うと、電話を受けた人が「そのような者はおりません」と答えてしまうことがあります。本人が部屋の申込みをしたら、申込みに書いた名前の表記と、問い合わせが来る予定の時期を、受付や担当者に共有しておきましょう。
会社として決めておきたいこと
- 受ける担当を決める。人事や総務、支援担当者など、在籍確認の電話を受ける担当を決め、ほかの社員は担当に回すようにします。
- 本人から事前に聞いておく。部屋の申込みをしたら担当者に知らせてもらうよう、外国籍スタッフに伝えておきます。
- 答える範囲を本人と確認する。勤続の見込みや収入をどこまで答えてよいか、本人の了解をとっておきます。
- 相手を確認する。電話の相手の会社名と担当者名、折り返しの番号を確認してから答えます。
- 記録を残す。いつ、どこから、何を聞かれ、何と答えたかを記録します。
派遣会社は、在籍確認で審査を後押しできる
派遣で働く外国籍スタッフは、収入が安定していないと見られて、審査で不利になることがあります。派遣会社が在籍確認にすばやく応じ、同じ派遣先で長く働いていることや、次の仕事の見込みを伝えると、審査の助けになることがあります。審査に通らなかったときの対処は保証会社の審査に落ちたときの対処法|外国籍スタッフの部屋探し、永住者や定住者の部屋探しは永住者・定住者の派遣スタッフの部屋探し|入居審査で見られることをご覧ください。
入居後に家賃の連絡が勤務先に来たとき
入居したあとに家賃の支払いが遅れると、保証会社や管理会社から、本人と連絡がとれないなどの理由で勤務先に電話が来ることがあります。
- 会社が代わりに払う約束をしない。会社が保証人でない限り、会社に支払いの義務はありません。
- 本人に連絡があったことを伝える。本人に、保証会社や管理会社に連絡するよう伝えます。
- 困っている事情を聞く。収入が減った、病気で働けないなどの事情があれば、相談先を案内します。
家賃の滞納が起きたときの対応は外国籍スタッフの家賃滞納が起きたとき|原因の聞き取りと支払いの立て直し、保証人を頼まれたときの注意はスタッフの部屋の連帯保証人を頼まれたら|会社・担当者が保証人になるときの注意と、2020年の民法改正で解説しています。
入居を断られやすいときは、会社の名義で借りる方法も
本人の名義で借りる部屋の審査に何度も通らない場合は、会社の名義で借りて社宅として住んでもらう方法もあります。外国籍を理由に入居を断られたときの対応は外国籍を理由に入居を断られたとき|大家側の不安と、登録支援機関・派遣会社ができること、会社名義と本人名義の切り替えは退職後も社宅に住み続けたいと言われたら|会社名義から本人名義への切り替えの進め方と注意点をご覧ください。
在籍確認への対応のチェックリスト
- ☐ 在籍確認の電話を受ける担当を決めた
- ☐ 部屋の申込みをしたら担当者に知らせるよう、外国籍スタッフに伝えた
- ☐ 申込みに書いた名前の表記を、受付と担当者で共有した
- ☐ 勤続の見込みや収入をどこまで答えるか、本人の了解をとった
- ☐ 電話の相手の会社名と担当者名を確認してから答えている
- ☐ 在籍確認のやり取りを記録している
- ☐ 入居後に家賃の連絡が来たとき、会社が代わりに払う約束をしないことを決めた
まとめ
- 在籍確認にすばやく正確に答えることは、外国籍スタッフの部屋探しの後押しになる
- 名前の表記の違いで「在籍していない」と答えないよう、申込みの名前を社内で共有する
- 答えるのは在籍の有無を中心にし、収入などは本人の了解がある範囲にとどめる
- 受ける担当を決め、相手を確認し、やり取りを記録する
- 入居後に家賃の連絡が来ても、会社が代わりに払う約束はしない
在籍確認で聞かれる内容は、保証会社や管理会社によって異なります。個人情報の扱いは、会社の規程にも沿って対応してください。