派遣会社の実務

永住者・定住者の派遣スタッフの部屋探し|入居審査で見られること

派遣で働く外国籍スタッフには、永住者や定住者、日本人の配偶者等など、仕事の内容に制限のない在留資格の人が多くいます。日本での生活が長く、家族と暮らしている人も多いため、派遣会社の寮ではなく、自分で部屋を借りたいと考える人も少なくありません。

ところが、在留資格の面では安定していても、入居審査で思うように通らないことがあります。この記事では、永住者・定住者の派遣スタッフの部屋探しで審査に見られることと、派遣会社としてできる手助けを解説します。

結論:在留期間より「収入の安定」と「支払いの記録」が見られる

永住者は在留期間に期限がなく、定住者も長い在留期間が許可されていることが多いため、特定技能や留学の人に比べると、在留期間の面での不安は少なくなります。

その代わりに審査で見られやすいのが、派遣という働き方での収入の安定と、過去の支払いの記録です。派遣会社が在籍の確認にすばやく応じたり、収入を示す書類を整えたりすることで、審査を後押しできます。

在留資格ごとの特徴

在留資格 在留期間 入居審査での見られ方
永住者 期限なし(在留カードには有効期間があり、更新が必要) 在留期間の不安はない。収入や支払いの記録が中心に見られる
定住者 5年、3年、1年、6か月など 在留期間の残りが短いと慎重に見られることがある
日本人の配偶者等・永住者の配偶者等 5年、3年、1年、6か月 定住者と同じく、在留期間の残りも確認される

永住者の在留カードには「在留期間」の期限はありませんが、カードそのものには有効期間があります。カードの有効期間が切れていないかも確認しておきましょう。在留カードの見方は在留カードの見方|就労制限・在留期限・住所欄で確認することで解説しています。

入居審査で見られること

派遣という働き方での収入の安定

派遣は契約期間が決まっていることが多く、正社員に比べて収入が途切れるおそれがあると見られることがあります。勤続の長さや、毎月の収入が安定していることを示せると、審査に通りやすくなります。

家賃と収入のバランス

家族と暮らす人は広い部屋を探すことが多く、家賃が高くなりがちです。一般的には、家賃が月収の3分の1程度までに収まっていると審査に通りやすいといわれます。配偶者にも収入があれば、あわせて示せるか不動産会社に相談しましょう。

過去の支払いの記録

日本での生活が長い人は、クレジットカードや携帯電話の端末代の分割払いなど、支払いの記録が積み重なっています。支払いが遅れたことがあると、クレジットの記録を参照する保証会社の審査で不利になることがあります。保証会社の種類による違いと、審査に落ちたときの対処法は保証会社の審査に落ちたときの対処法|外国籍スタッフの部屋探しで解説しています。

連絡が取れるか

日本語での会話に問題がない人も多いですが、契約書や重要事項説明の専門的な言葉を理解できるかは別の問題です。必要に応じて、日本語に慣れた家族や知人に同席してもらうと、手続きがスムーズに進みます。

派遣会社ができる手助け

  • 在籍確認にすばやく応じる。保証会社や管理会社から勤務先への在籍確認の電話が来たら、すぐに答えられるよう、社内で担当者を決めておきます。
  • 収入を示す書類を発行する。在職証明書や、直近数か月分の給与明細、源泉徴収票などを、本人の求めに応じて早めに発行します。
  • 勤続の見込みを伝える。同じ派遣先で長く働いている、次の派遣先も決まっているなど、収入が続く見込みを書類や在籍確認の場で伝えられると、安心材料になります。
  • 外国籍の方の入居に慣れた不動産会社を紹介する。受け入れてもらいやすい物件や保証会社を知っている不動産会社を紹介すると、申込みと不合格を繰り返さずに済みます。

入居審査で一般的に求められる書類は外国籍の方の入居審査で必要な書類と、審査に通りやすくする準備でまとめています。

本人契約か、借上げ社宅か

日本での生活が長い永住者や定住者は、派遣会社を移ることもあります。本人の名義で部屋を借りれば、派遣会社が変わっても、同じ部屋に住み続けられます。長く住む前提なら、本人契約のほうが本人にとって安心です。

一方で、審査にどうしても通らない場合や、急いで住まいが必要な場合は、派遣会社が借主となる借上げ社宅で住まいを確保する方法もあります。借上げ社宅の契約で気をつけたい点は派遣スタッフの社宅を借上げで用意するときの契約名義と注意点で解説しています。

家族で住む部屋を探すとき

家族と暮らす人は、人数に合った広さ、子どもの学校や保育園、配偶者の勤務先への通いやすさなど、条件が多くなります。家族で住む広さの目安は、特定技能2号で家族を呼び寄せるとき|住まいの広さと準備で紹介している内容が参考になります。入居する家族は全員、申込みの段階で正しく伝えることも忘れないようにしましょう。

まとめ

  • 永住者・定住者は在留期間の不安が少ないが、派遣での収入の安定と支払いの記録が審査で見られる
  • 定住者や日本人の配偶者等は、在留期間の残りも確認される。永住者はカードの有効期間に注意
  • 家賃と収入のバランスを確認し、配偶者の収入もあわせて示せるか相談する
  • 派遣会社は、在籍確認への対応、収入を示す書類の発行、勤続の見込みの説明で審査を後押しできる
  • 長く住むなら本人契約、急ぎや審査が難しい場合は借上げ社宅も選択肢になる

入居審査の基準は、物件や保証会社によって異なります。具体的な物件については、不動産会社に相談しながら進めてください。

このガイドの運営者

不動産のイブキ(伊吹株式会社)。外国籍スタッフの住まいの手配を全国で行っています。制度は改正されることがあるため、手続きの最終確認は出入国在留管理庁などの公式情報もあわせてご確認ください。