制度・法改正

外国人材の住まいに使える自治体の支援|寮の改修の補助や不動産会社の認定制度の探し方

外国人材の受入れが広がる中で、住まいの確保を後押しするための支援を設ける県や市が増えています。たとえば、空き家を外国人材の住まいに改修する費用の補助や、外国籍の方の入居に協力する不動産会社を認定する制度などです。こうした支援は地域ごと・年度ごとに内容が違うため、知らないまま見逃していることも少なくありません。

この記事では、外国人材の住まいに関わる自治体の支援の例と、自社の地域の制度の探し方、申請の前に確認したいことを解説します。

結論:まず受入れ先の県・市の制度を調べ、使えるものは申請前に事前相談する

住まいに関わる支援は、県や市ごとに、その年度の予算で行われることが多く、内容も期間も地域によって違います。受入れ先の地域が決まったら、まずその県や市の制度を調べましょう。

補助金の多くは、工事や契約の前に申請や事前相談が必要で、予算に達すると受付が終わります。使えそうな制度があれば、早めに窓口に相談することが大切です。

自治体の支援の例

例 内容
香川県「外国人材の住まい環境整備事業補助金」(2026年度) 県内で外国人材を雇う事業者が、空き家を購入して外国人材の住まいに改修する費用の3分の1を補助。上限100万円。事前相談が必要で、予算に達し次第終了
広島県「ひろしま外国人材住まいサポート店認定制度」(2026年8月開始) 外国人材の入居に積極的に取り組む不動産店を県が認定し、住まい探しのサポートや受入れ企業との協力につなげる
そのほかの県 外国人材の宿舎の改修費の補助など、住まいに関わる支援を設けている県もある

上の表は一例です。制度の名前や内容、受付の期間は年度によって変わるため、必ず最新の案内を確認してください。

補助金は「先に工事・契約」すると対象外になることが多い

多くの補助金は、交付の決定の前に工事を始めたり、契約を結んだりすると、補助の対象にならなくなります。また、改修したあとも一定の期間、外国人材の住まいとして使い続けることが条件になっている場合もあります。使う前に、条件と手続きの順番を窓口で確認しましょう。

自社の地域の制度の探し方

  • 県の外国人材の受入れの窓口を見る。多くの県には、外国人材の受入れ企業を支援する窓口やセンターがあり、補助金の情報をまとめていることがあります。
  • 住宅や空き家の担当の部署を見る。空き家の活用や住宅の支援の一つとして、外国人材の住まいが対象になっていることがあります。
  • 移住や地域振興の担当の部署を見る。人手不足の地域では、移住・定住の支援の中に外国人材の住まいの支援が含まれていることがあります。
  • 市町村の制度も確認する。県とは別に、市や町が独自に支援をしていることもあります。
  • 国の制度も合わせて確認する。住宅セーフティネット制度など、国の制度も使えることがあります。住宅セーフティネット制度は外国籍スタッフの住まい探しに使える?|2025年10月の改正と保証会社の認定制度も参照。

不動産会社の認定制度は、部屋探しの手がかりに

広島県のように、外国籍の方の入居に協力する不動産会社を認定・公表する自治体もあります。こうした不動産会社は、外国籍の方を受け入れる大家とのつながりを持っていることが多く、部屋探しの手がかりになります。不動産会社の選び方は住まいの手配を不動産会社に任せるとき|登録支援機関・派遣会社が確認したいこと、外国籍を理由に断られたときの考え方は外国籍を理由に入居を断られたとき|大家側の不安と、登録支援機関・派遣会社ができることで解説しています。

空き家を改修して住まいにするときの注意点

  • 改修の費用と期間を見込む。古い家屋は、思った以上に修理が必要なことがあります。入居の時期に間に合うかも確認します。
  • 住まいの基準を満たすか。特定技能の場合は、一人あたりの寝室の広さなどの基準を満たす必要があります。
  • 職場への通い方。空き家が職場から離れている場合は、通勤の手段も考えます。
  • 管理の手間。自社で持つ住まいは、修理や近隣への対応も自社で行うことになります。

空き家を住まいに使うときの考え方は農業で働く外国籍スタッフの住まい|農家の敷地内の住居・車のない暮らし・季節の移動への備え、建物をまとめて借りる場合の考え方は派遣会社が寮を一棟借りするとき|メリットと契約・管理の注意点も参考になります。

受入れ企業への提案の材料にする

登録支援機関が受入れ企業に住まいの準備を提案するとき、地域の補助金や支援の制度を紹介できると、提案の説得力が増します。受入れ先の地域の制度を調べておきましょう。提案の進め方は受入れ企業に住まいの準備を提案するとき|登録支援機関が示したい費用と段取り、地域の共生のための施策との関わりは特定技能の「協力確認書」と住まいの場所|寮が別の市にあるとき・引っ越すときの提出先、職場の周りの住環境の確認は受入れ前に確認したい職場周辺の住環境|物件が少ない地域の見極め方をご覧ください。

自治体の支援を使うときのチェックリスト

  • ☐ 受入れ先の県・市の、外国人材の住まいに関わる支援を調べた
  • ☐ 外国人材の受入れ、住宅・空き家、移住の担当の部署の情報を確認した
  • ☐ 補助の対象・補助率・上限・受付期間を確認した
  • ☐ 工事や契約の前に、事前相談や申請が必要かを確認した
  • ☐ 改修後の使い方の条件(使い続ける期間など)を確認した
  • ☐ 住まいの基準や通勤の手段を確認した

まとめ

  • 外国人材の住まいの確保を後押しする支援を設ける県や市が増えている
  • 空き家の改修の補助や、外国籍の方の入居に協力する不動産会社の認定などの例がある
  • 支援は地域ごと・年度ごとに違う。受入れ先の県・市の制度を調べる
  • 補助金は、工事や契約の前に事前相談や申請が必要なことが多い
  • 地域の支援の情報は、受入れ企業への提案の材料にもなる

補助金や支援の制度の内容は、年度や予算によって変わります。最新の情報は、各県・市の窓口でご確認ください。

このガイドの運営者

不動産のイブキ(伊吹株式会社)。外国籍スタッフの住まいの手配を全国で行っています。制度は改正されることがあるため、手続きの最終確認は出入国在留管理庁などの公式情報もあわせてご確認ください。