段階4 入国・生活の立ち上げ

役所や会社からの郵便物を見落とさない|外国籍スタッフの郵便受けと手紙の確認

日本では、税金や保険料の納付書、役所からのお知らせ、管理会社からの連絡など、大事な知らせの多くが郵便で届きます。ところが、日本語の手紙を読めない外国籍スタッフにとっては、どれが大事な手紙なのかを見分けるのが難しく、広告と一緒に捨ててしまったり、開けずに置いたままにしたりすることがあります。

この記事では、外国籍スタッフが大事な郵便物を見落とさないための工夫と、支援担当者がつくっておきたい相談の仕組みを解説します。

結論:「名札」「不在票」「分からない手紙は写真で相談」の3つを入居時に伝える

郵便物の見落としを防ぐには、郵便受けに名前を出して郵便物が届くようにすること、不在票が入っていたら再配達を頼むこと、そして読めない手紙は捨てずに、写真を撮って支援担当者に送ることの3つを、入居のときに伝えておきましょう。

特に、税金や保険料の納付書を見落とすと、未納が積み重なり、在留の手続きにも影響することがあります。どんな手紙が大事なのかを、実物の写真で見せておくと効果的です。

郵便受けの準備

  • 名札を出す。郵便受けや玄関に名前が出ていないと、郵便物が届かずに差出人に戻されることがあります。ルームシェアの場合は、住んでいる全員の名前を出しておきます。名前はローマ字の表記とあわせて、在留カードと同じつづりで書きます。
  • 郵便受けに鍵をかける。大事な郵便物が抜き取られないよう、郵便受けの鍵やダイヤルを使います。入居者が替わったら番号を変えましょう。社宅の鍵の管理|合鍵・紛失・入居者が替わるときの交換も参照。
  • こまめに確認する。郵便受けがいっぱいになると、郵便物があふれて紛失や盗難の原因になります。毎日、少なくとも数日に一度は確認するよう伝えます。

不在票と再配達

書留など、受け取りに署名や印鑑が必要な郵便物は、留守のときに届くと「ご不在連絡票」(不在票)が郵便受けに入ります。不在票には、再配達の申込みの方法と、郵便物を保管しておく期限が書かれています。

  • 不在票を見つけたら、すぐに再配達を申し込むか、郵便局の窓口に受け取りに行く
  • 再配達はインターネットや電話で申し込める。日本語が難しい場合は支援担当者に相談する
  • 保管の期限を過ぎると、郵便物は差出人に戻される

入国直後や引っ越し直後は、カード類や手続きの書類が書留で届くことがあります。不在票の見本を見せて、見つけたらどうするかを伝えておきましょう。

見落としやすい大事な手紙

差出人 主な内容 見落とすと
市区町村 住民税の納付書、国民健康保険料の納付書、各種のお知らせ 未納や延滞金が生じる。在留の手続きで確認されることもある
日本年金機構 国民年金保険料の納付書、年金に関するお知らせ 未納の期間ができる
出入国在留管理庁 申請の結果のお知らせ、追加の書類の依頼など 手続きが遅れる。期限までに対応できない
管理会社・貸主 設備の点検、断水や停電の予定、契約の更新、家賃のこと 点検を受けられない。更新の手続きが遅れる
銀行・携帯会社など カード、暗証番号、請求書、契約の確認 カードが使えない。料金の未払いが生じる

住民税は、退職や転職をすると納付書で自分で納める形に切り替わり、自宅に納付書が届きます。また、派遣の仕事の切れ目には、国民健康保険や国民年金の手続きの通知が届くこともあります。住民税の仕組みは外国籍スタッフの住民税|2年目の手取りと帰国時の納税、保険と年金の手続きは派遣の仕事の切れ目の国民健康保険・国民年金|外国籍スタッフに伝える手続きで解説しています。税金や保険料の未納と在留の関係は永住許可の取消し制度の新設|税金・社会保険料の未納が在留に影響するをご覧ください。

分からない手紙を相談できる仕組み

  • 「捨てる前に写真を送る」をルールにする。読めない手紙は捨てずに、封筒と中身の写真を撮って支援担当者に送るよう伝えます。
  • 翻訳アプリの使い方を教える。スマートフォンのカメラで文字を読み取って翻訳するアプリを使えば、おおまかな内容は分かります。ただし、金額や期限は担当者と一緒に確認します。
  • 大事な手紙の見本を資料にする。納付書や管理会社からのお知らせの見本の写真を、住まいのルールの資料に入れておきます。資料の作り方は外国籍スタッフ向け住まいのルール資料の作り方|多言語化のコツを参照。
  • 面談のときに確認する。定期面談のときに、「最近届いた手紙で分からないものはないか」を聞きます。

あやしい手紙やはがきにも注意

「未払いの料金がある」「すぐに連絡しないと法的な手続きをとる」といった内容のはがきや手紙で、お金をだまし取ろうとする手口もあります。身に覚えのない請求が届いたら、書かれている連絡先には電話せず、まず支援担当者に相談するよう伝えましょう。詐欺への注意は住まいの防犯と詐欺への注意|鍵・訪問販売・電話で解説しています。

引っ越しや帰国のときの郵便

場面 やること
国内で引っ越すとき 郵便局に転居の届出をすると、前の住所あての郵便物を1年間、新しい住所に転送してもらえる。あわせて、市区町村での住所の届出や、銀行・携帯会社などへの住所の変更も行う
帰国するとき 郵便局の転送は国内の住所に限られる。帰国後に届く郵便物の扱い(会社で預かるか、差出人に返すか)を決めておく
社宅の入居者が替わるとき 前の入居者あての郵便物の扱いを決め、郵便受けの名札を付け替える

帰国のときは、住民税の納め方や年金の手続きなど、帰国後に届く通知に関わる手続きを出国前に済ませておくことが大切です。帰国前の段取りは退職・帰国が決まったら|届出と住まいの退去の段取り、入居者の入れ替えのときの郵便の扱いは社宅の入居者が入れ替わるときの準備|清掃・備品・ライフラインの引き継ぎで解説しています。

郵便物の見落としを防ぐチェックリスト

  • ☐ 郵便受けに、住んでいる全員の名前を出した
  • ☐ 郵便受けの鍵やダイヤルの使い方を伝えた
  • ☐ 郵便受けをこまめに確認するよう伝えた
  • ☐ 不在票の見本を見せ、再配達の頼み方を伝えた
  • ☐ 納付書など、大事な手紙の見本を見せた
  • ☐ 読めない手紙は捨てずに写真を送る、というルールを伝えた
  • ☐ あやしい請求が届いたら相談するよう伝えた
  • ☐ 引っ越しや帰国のときの郵便の扱いを伝えた

まとめ

  • 税金や保険料、役所や管理会社からの大事な知らせの多くは郵便で届く
  • 郵便受けに名前を出し、鍵をかけ、こまめに確認する
  • 不在票が入っていたら、保管の期限までに再配達を頼むか受け取りに行く
  • 読めない手紙は捨てずに、写真を撮って支援担当者に送るルールをつくる
  • 国内の引っ越しでは郵便局の転送を使い、帰国のときは帰国後の郵便の扱いを決めておく

郵便の転送や再配達の方法は、変わることがあります。最新の情報は、日本郵便のウェブサイトなどでご確認ください。

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このガイドの運営者

不動産のイブキ(伊吹株式会社)。外国籍スタッフの住まいの手配を全国で行っています。制度は改正されることがあるため、手続きの最終確認は出入国在留管理庁などの公式情報もあわせてご確認ください。