技能実習や留学から特定技能1号へ移るとき、在留期限までに特定技能1号への変更の申請の準備が間に合わないことがあります。そうした場合に、4か月の間、移る予定の会社で働きながら準備ができる在留資格「特定活動」があります。
この記事では、特定技能1号への移行の準備のための「特定活動」の対象となる人と主な要件、使うときの注意点、そしてこの期間の住まいの扱いを解説します。
結論:4か月で更新はできない。この期間のうちに特定技能1号の申請と住まいの準備を終える
この「特定活動」の在留期間は4か月で、原則として更新はできません。また、この期間は特定技能1号の通算5年の上限に含まれます。
4か月のうちに、特定技能1号への変更の申請を済ませる必要があります。移る会社が変わる場合は、この期間の住まいと、特定技能1号として働き始めてからの住まいを、早めに決めておきましょう。
対象となる人と主な要件
技能実習や留学などで日本にいて、在留期限までに特定技能1号への変更の申請をすることが難しい人が対象です。主な要件は次のとおりです。
| 要件 | 内容 |
|---|---|
| 申請が間に合わない理由 | 在留期限までに特定技能1号への変更の申請をすることが難しい、合理的な理由があること |
| 受入れ企業 | 受入れ企業が、特定技能1号への変更の申請を予定していること |
| 仕事の内容 | 特定技能1号で就く予定の仕事と同じ仕事をすること |
| 報酬 | 特定技能1号として支払われる予定の報酬と同じ額で、日本人と同等以上であること |
| 試験 | 分野の技能の試験と日本語の試験に合格していること(技能実習2号を良好に修了した人などは免除) |
| 生活の支援 | 受入れ企業または支援の委託先が、日常生活の支援を適切に行うことが見込まれること |
要件の細かな内容や必要な書類は、出入国在留管理庁の案内で確認してください。技能実習からの移行の流れは技能実習から特定技能へ移行するとき|住まいの広さの基準と手続き、留学生の採用は留学生を特定技能で採用するとき|在留資格変更と引っ越しのタイミングで解説しています。
分野によっては、この「特定活動」が認められないことがある
受入れ見込数の上限に近づいた分野では、この「特定活動」への変更が原則として認められない措置がとられることがあります。2026年4月には、外食業分野でこうした措置がとられました。受け入れる分野の最新の状況を確認してから進めましょう。特定技能の受入れ見込数と上限|受付が止まる分野が出たときの備えも参照してください。
使うときの注意点
- 更新できない。4か月の間に特定技能1号への変更の申請を済ませるよう、書類の準備を逆算して進めます。
- 通算5年に含まれる。この4か月も特定技能1号の通算の在留期間に数えられます。通算の考え方は通算5年が近づいた特定技能1号の選択肢|2号移行・転職・帰国を参照。
- 働けるのは移る予定の会社だけ。移る予定の会社で、特定技能1号として就く予定の仕事と同じ仕事に限られます。
- 申請中の扱いを確認する。特定技能1号への変更の申請中にできることとできないことは、在留資格の変更・更新の審査中にできること・できないことで解説しています。
この期間の住まい
同じ会社で移行する場合
技能実習をしていた会社で、そのまま特定技能1号として働く場合は、今の寮に住み続けることが多いでしょう。ただし、技能実習と特定技能では住まいの広さの基準が違います。特定技能1号では一人当たり7.5㎡以上が求められるため、ルームシェアの人数などを確認しておきましょう。
別の会社に移る場合
別の会社に移る場合は、「特定活動」の期間から新しい会社で働くため、この時点で引っ越しが必要になることが多くあります。
| 確認すること | 内容 |
|---|---|
| 今の住まいの退去 | 技能実習の寮や、留学中に住んでいた部屋の退去の時期と、解約予告の期間 |
| 新しい住まい | 新しい会社の近くで、「特定活動」の期間から住める住まいを用意する |
| 入居の審査 | 在留期間が4か月と短いため、本人名義の賃貸の審査が通りにくいことがある。会社名義の借上げなども検討する |
| 住所の届出 | 引っ越したら14日以内に、新しい住所の市区町村で届出をする |
在留期間が短いと、本人名義での入居の審査で慎重に見られることがあります。特定技能1号に変わってから住み続けることを前提に、会社名義で借りるなどの方法を考えましょう。国内で別の会社に移る場合の進め方は国内転職の特定技能外国人を受け入れるとき|在留資格変更と引っ越しの進め方、住所の届出は住所が変わったときの届出まとめ|在留カード・住民票・勤務先で解説しています。
生活の支援が要件の一つ
この「特定活動」では、受入れ企業や支援の委託先が日常生活の支援を適切に行うことが見込まれることが要件の一つになっています。住まいの確保や、引っ越しにともなう手続きの手伝いも、早めに計画しておきましょう。
移行準備の「特定活動」のチェックリスト
- ☐ 在留期限までに特定技能1号への申請が間に合わない理由を整理した
- ☐ 技能の試験と日本語の試験の合格(または免除)を確認した
- ☐ 受け入れる分野で、この「特定活動」が認められているか確認した
- ☐ 4か月の間に特定技能1号への申請を終える予定を立てた
- ☐ この期間が通算5年に含まれることを本人に伝えた
- ☐ 同じ会社の場合、寮の広さが特定技能1号の基準に合うか確認した
- ☐ 別の会社に移る場合、退去と新しい住まいの時期を合わせた
- ☐ 引っ越したら14日以内に住所の届出をするよう伝えた
まとめ
- 特定技能1号への変更の準備が在留期限に間に合わないときは、4か月・就労可の「特定活動」で準備できる場合がある
- 在留期間は4か月で、原則として更新できない。この期間は通算5年に含まれる
- 試験の合格(または免除)、報酬、生活の支援など、いくつかの要件を満たす必要がある
- 受入れの上限に近い分野では、この「特定活動」が認められないことがある
- 別の会社に移る場合は、この時点で引っ越しが必要になることが多い。会社名義での住まいの確保も検討する
要件や手続きは変わることがあります。最新の情報は、出入国在留管理庁のウェブサイトでご確認ください。