段階2 在留資格の手続き

技能実習から特定技能へ移行するとき|住まいの広さの基準と手続き

技能実習を修了した人を、特定技能1号として引き続き雇用するケースは多くあります。仕事の内容は大きく変わらなくても、在留資格が変わることで、住まいに求められる基準や、支援の担い手が変わります。

この記事では、技能実習から特定技能1号へ移行するときの手続きの流れと、住まいの広さの基準の扱い、同じ会社で移行する場合と別の会社へ移る場合の違いを解説します。

結論:今の寮に住み続けるなら「寝室4.5㎡」でよい扱いがある

特定技能1号の住居確保支援では、原則として居室1人当たり7.5㎡以上が求められます。ただし、技能実習から特定技能1号へ移行する人が、すでに住んでいる社宅などに引き続き住むことを希望する場合は、技能実習と同じ寝室1人当たり4.5㎡以上を満たしていればよいとする扱いがあります。

一方、別の会社へ移る場合や、新しい住まいへ引っ越す場合は、原則どおり7.5㎡の基準を満たす住まいが必要です。移行のパターンによって、住まいの準備が大きく変わります。

移行の手続きの流れ

技能実習2号を良好に修了した人は、仕事の内容が対応する分野であれば、特定技能1号の技能試験と日本語試験が免除されます。手続きの大まかな流れは次のとおりです。

手順 やること
1. 移行の意向確認 本人と受入れ企業の意向を確認し、移行する分野と業務を決める
2. 雇用契約・事前ガイダンス 特定技能としての雇用契約を結び、事前ガイダンスを行う
3. 支援計画の作成 住居確保を含む支援計画を作る。登録支援機関に委託する場合は委託契約も結ぶ
4. 在留資格変更許可申請 技能実習の在留期間が終わる前に申請する
5. 許可・就労開始 許可が出たら、特定技能1号として働き始める

技能実習の在留期間の満了日が近く、審査が間に合わない場合は、条件を満たせば移行の準備のための在留資格を利用できることがあります。満了日の数か月前には準備を始め、必要に応じて地方出入国在留管理局に相談しましょう。

パターン別:住まいの扱い

パターン 住まいの扱い 確認したいこと
同じ会社で移行し、今の寮に住み続ける 本人が希望すれば、寝室1人当たり4.5㎡以上でよい 本人が住み続けることを希望しているか。家賃の本人負担額の扱い
同じ会社で移行し、別の住まいへ移る 新しい住まいは居室1人当たり7.5㎡以上が必要 入居の時期と、許可が出る時期の調整
別の会社へ移って移行する 新しい会社の住まいは居室1人当たり7.5㎡以上が必要 今の寮の退去日と、新しい住まいの入居日の調整

同じ会社で、今の寮に住み続ける場合

最も手間が少ないパターンです。ただし、4.5㎡でよいのは本人が住み続けることを希望している場合です。特定技能になって給与が上がり、「個室に移りたい」「自分で部屋を借りたい」と考える人もいます。移行の前に、本人の希望をきちんと聞いておきましょう。

また、支援計画には住み続ける住まいと本人負担額を記載します。技能実習のときの寮費をそのまま引き継ぐ場合も、特定技能の住居確保のルール(借上げなら費用を入居人数で割った額まで、利益を得ない)に合っているかを確認しておくと安心です。記載のポイントは支援計画の「住居確保」欄の書き方|3つの方式ごとの記載例で解説しています。

同じ会社で、別の住まいへ移る場合

相部屋から個室に移る、勤務地の変更に合わせて引っ越すといったケースです。新しい住まいは7.5㎡の基準を満たす必要があります。複数名で住む場合は、人数で割った広さを確認しましょう。計算の考え方は複数名を同時に受け入れるときの住まい|ルームシェアの広さと契約の注意点をご覧ください。

別の会社へ移って移行する場合

技能実習を終えた会社とは別の会社で、特定技能として働き始めるケースです。技能実習の寮は、実習の終了とともに退去を求められることが多く、新しい会社の住まいを許可の時期に合わせて用意する必要があります。進め方は、特定技能の転職者を受け入れるときとよく似ています。詳しくは国内転職の特定技能外国人を受け入れるとき|在留資格変更と引っ越しの進め方を参考にしてください。

寮の退去日と許可の時期にすき間ができやすい

別の会社へ移る場合、技能実習の寮を出る日と、在留資格変更の許可が出て新しい住まいに入れる日の間にすき間ができることがあります。前の会社に退去日を延ばせるか相談するか、新しい住まいを早めに確保しておくなど、住む場所がなくなる期間をつくらないよう調整しましょう。

支援の担い手が変わる点にも注意

技能実習では監理団体が受入れを支えていましたが、特定技能では受入れ機関が自ら支援を行うか、登録支援機関に委託します。住まいについても、困ったときの相談先や、管理会社とのやり取りの窓口が変わることになります。

移行のタイミングで、本人に新しい相談先と連絡方法を伝え、住まいのトラブルや設備の故障のときに誰へ連絡すればよいかをあらためて確認しておきましょう。

育成就労制度の開始も見据えて

2027年4月には、技能実習制度に代わって育成就労制度が始まります。技能実習から特定技能への移行は、移行期間の間しばらく続きますが、今後は育成就労から特定技能へ移行する流れが中心になっていきます。育成就労での住まいの基準と、移行を見据えた住まい選びは育成就労制度で住居の確保はどう変わる?2027年4月の開始前に確認したいことで解説しています。

まとめ

  • 技能実習2号を良好に修了した人は、対応する分野なら特定技能1号の試験が免除される
  • 技能実習の在留期間が終わる前に、在留資格変更許可申請を行う
  • 今の寮に住み続けることを本人が希望する場合は、寝室1人当たり4.5㎡以上でよい扱いがある
  • 新しい住まいへ移る場合や、別の会社へ移る場合は、居室1人当たり7.5㎡以上が必要
  • 移行のタイミングで、住まいの相談先と連絡方法をあらためて本人に伝える

移行時の住まいの扱いや手続きの要件は、変わることがあります。最終的な確認は、出入国在留管理庁の運用要領や公式情報をご確認ください。

次の段階 3. 住まいの確保

このガイドの運営者

不動産のイブキ(伊吹株式会社)。外国籍スタッフの住まいの手配を全国で行っています。制度は改正されることがあるため、手続きの最終確認は出入国在留管理庁などの公式情報もあわせてご確認ください。