段階2 在留資格の手続き

特定技能のスタッフが退職して転職先を探すとき|次の会社が決まるまでの住まいと在留

特定技能の外国籍スタッフが退職したあと、帰国せずに日本で次の会社を探すことがあります。特定技能は転職ができる在留資格ですが、新しい会社で働くには在留資格の手続きが必要で、許可が出るまでは働けません。その間、収入がなくなる一方で、住まいは必要です。寮をいつまで使えるか、次の住まいをどうするかが、本人にとっても会社にとっても大きな問題になります。

この記事では、特定技能のスタッフが退職して転職先を探すときの住まいと在留の注意点を、退職する側の会社と支援担当者の目線で解説します。転職者を受け入れる側の手続きは国内転職の特定技能外国人を受け入れるとき|在留資格変更と引っ越しの進め方で解説しています。

結論:退職日・寮の退去日・転職先での就労開始日を、できるだけ近づける

退職したあと、転職先で働き始めるまでの期間が長くなるほど、本人の収入がない期間が延び、住まいの問題も大きくなります。理想は、転職先が決まり、在留資格の手続きの見通しが立ってから退職することです。

それが難しい場合は、寮をいつまで使えるか、その間の家賃をどうするかを退職の前に本人と決めておき、次の住まいが決まらないまま寮を出る状態を作らないようにしましょう。

退職から転職先で働き始めるまでの流れ

時期 在留・届出 住まい
退職前 受入れ企業は、受入れが難しくなったことの届出を検討する。本人は転職先を探し始める 寮をいつまで使えるか、家賃をどうするかを決める
退職後14日以内 受入れ企業は、雇用契約の終了の届出をする。本人も、所属機関に関する届出をする 寮に住み続ける場合は、条件を書面で確認する
転職先が決まったら 転職先で在留資格の変更許可申請をする。許可が出るまでは働けない 転職先の寮や社宅の準備を始める
許可が出たら 転職先で働き始める。転職先は外国人雇用状況の届出などをする 新しい住まいに引っ越し、14日以内に住居地の届出をする

退職のときの届出の全体は退職・帰国が決まったら|届出と住まいの退去の段取り、審査中にできることとできないことは在留資格の変更・更新の審査中にできること・できないことで解説しています。

活動をしない期間が3か月以上続くと、在留資格の取消しの対象になることがある

在留資格に応じた活動を、正当な理由なく継続して3か月以上行わずに日本にいると、在留資格の取消しの対象になることがあります。転職先を探している期間の扱いは状況によって異なるため、退職から長く間が空きそうな場合は、出入国在留管理庁や行政書士などの専門家に早めに相談するよう本人に伝えましょう。また、寮を出たあと次の住まいを届け出ないまま90日を過ぎることも、取消しの対象になります。住居地の届出が遅れるとどうなる?|14日の期限と、90日で在留資格の取消しの対象になるケースも参照してください。

寮をいつまで使えるか

決めておくこと 考え方
退去の期限 寮の規程で、退職後の退去の期限を決めておく。転職先が決まるまでの猶予を設けるかも決める
猶予期間の家賃 退職後も住む場合、家賃を誰がいくら負担するか。給料からの差し引きはできなくなるため、支払い方法も決める
契約の名義 会社名義の社宅に、退職した人が住み続けることを貸主が認めているかを確認する
ほかの入居者 ルームシェアの場合、退職した人が住み続けることで、新しく入る人の部屋が足りなくならないか

派遣契約の終了にともなう寮の退去の考え方は派遣契約が終わったときの寮の退去|猶予期間と次の住まいでも解説しています。

収入がない期間の家賃と生活費

受入れ企業の都合で辞める場合の転職支援

人員の整理など、受入れ企業の都合で特定技能の雇用契約を終えるときは、次の会社を探すための支援(転職支援)が、受入れ企業が行う支援の一つとされています。転職先を探す手伝いや、求職活動のための時間の確保などがあります。登録支援機関に支援を委託している場合は、どこまでを誰が行うかを確認しておきましょう。住まいの面でも、次の住まいが決まるまでの猶予を設けるなど、配慮できることを考えます。

転職先の住まいへの移り方

  • 転職先が寮や社宅を用意する場合。在留資格の許可が出る時期に合わせて入居日を決め、今の寮の退去日と近づけます。
  • 本人が自分で部屋を探す場合。無職の期間は入居審査が通りにくいことがあります。転職先の内定の書類があると、審査で役立つことがあります。
  • 同じ地域で転職する場合。今の寮から通えるなら、住み続けられないかを貸主・会社と相談する方法もあります。
  • 引っ越したら届出をする。新しい住まいに移ったら、14日以内に住居地の届出をします。

引っ越しの相談を受けたときの流れは外国籍スタッフから「引っ越したい」と言われたら|支援担当者がやることも参考になります。

退職の相談を受けた時点で、住まいの話もする

本人から退職の相談があったときは、退職日だけでなく、「次の仕事が決まるまでどこに住むか」「家賃は払えるか」を一緒に確認しましょう。住まいの見通しがないまま退職すると、寮を出たあとに住む場所がなくなり、在留にも影響が出るおそれがあります。

退職後の転職活動と住まいのチェックリスト

  • ☐ 退職日と、転職先での就労開始の見通しを本人と確認した
  • ☐ 寮をいつまで使えるか、その間の家賃と支払い方法を書面で決めた
  • ☐ 会社名義の社宅に住み続けることを、貸主が認めているかを確認した
  • ☐ 受入れ企業と本人の、退職にともなう届出を済ませた
  • ☐ 活動しない期間が長くなりそうな場合、専門家への相談を案内した
  • ☐ 健康保険・年金の切り替えと、雇用保険の手続きを伝えた
  • ☐ 転職先の住まいへの入居日を、在留資格の許可の時期に合わせた
  • ☐ 引っ越したら14日以内に住居地の届出をするよう伝えた

まとめ

  • 特定技能の転職では、転職先での在留資格の許可が出るまで働けず、収入のない期間ができる
  • 退職日・寮の退去日・転職先での就労開始日をできるだけ近づける
  • 寮をいつまで使えるか、その間の家賃をどうするかを、退職の前に決めておく
  • 活動しない期間が3か月以上続く場合や、住居地を届け出ないまま90日を過ぎる場合は、在留資格の取消しの対象になることがある
  • 受入れ企業の都合で辞める場合は、転職支援も支援の一つ。住まいの猶予など配慮できることを考える

在留資格の手続きや取消しの判断は、一人ひとりの状況によって異なります。具体的なケースは、出入国在留管理庁や行政書士などの専門家にご確認ください。

次の段階 3. 住まいの確保

このガイドの運営者

不動産のイブキ(伊吹株式会社)。外国籍スタッフの住まいの手配を全国で行っています。制度は改正されることがあるため、手続きの最終確認は出入国在留管理庁などの公式情報もあわせてご確認ください。