段階3 住まいの確保

遠くの拠点で社宅を用意するとき|担当者が現地に行けない場合の物件の選び方と入居までの段取り

登録支援機関や派遣会社では、事務所から遠く離れた地域の工場や派遣先で外国籍スタッフを受け入れることがあります。受入れのたびに担当者が現地まで行って物件を見て回るのは、時間も費用もかかります。一方で、地図と募集の情報だけで決めてしまうと、来日してから「職場まで遠すぎる」「近くに店がない」といった問題が見つかることもあります。

この記事では、担当者が現地に行けない場合に、社宅を選んで入居まで進めるための方法と段取りを解説します。

結論:「オンラインで確かめる」「現地の協力者を決める」「入居日の迎え方を先に決める」

現地に行けなくても、不動産会社とのオンライン内見や地図での周辺の確認、オンラインでの重要事項説明と電子契約を組み合わせれば、物件選びから契約まで進めることができます。

そのうえで、現地で動いてくれる人(受入れ企業の担当者、派遣先の担当者、現地の不動産会社など)を決めておき、鍵の受け取りと入居日の迎え方を早めに決めておくことが大切です。

現地に行かずに確かめる方法

方法 分かること 注意したい点
オンライン内見 部屋の広さ、日当たり、設備の状態、においや音以外の様子 不動産会社に、見たい場所を前もって伝えておく
写真・動画をもらう 部屋の配置、収納、水回り、ベランダ、共用部 募集の写真は古いことがある。最新の様子を撮ってもらう
地図・航空写真・道路の写真 職場までの道のり、周りの店、交通量、街灯の有無 写真の撮影時期が古いことがある。工事や閉店に注意
受入れ企業・派遣先の担当者に聞く 地域の評判、通勤の様子、冬の道の状態など 聞いたことを記録し、物件選びの理由として残す

本人の代わりに部屋を見るときの確認ポイントは外国籍スタッフの社宅の内見|本人の代わりに確認したいポイントと写真の撮り方、職場の周りの住環境の見極め方は受入れ前に確認したい職場周辺の住環境|物件が少ない地域の見極め方で解説しています。

オンライン内見で見せてもらいたい場所

オンライン内見では、不動産会社の人が見せたい場所だけを映すことになりがちです。前もって「玄関から部屋の奥まで歩いて」「水回りの床とカビ」「エアコンの型」「窓からの眺めと隣の建物との距離」「郵便受けとゴミ置き場」「建物の入口から駅や停留所の方向」など、見たい場所を一覧にして伝えておくと、確認の漏れを防げます。

契約の手続きをオンラインで進める

賃貸の契約では、宅地建物取引士による重要事項の説明を、テレビ会議などを使ってオンラインで受けることができます(いわゆるIT重説)。また、法改正により、重要事項説明書や契約書を、書面ではなく電子データで受け取ることもできるようになっています。

  • オンラインの説明に対応しているか確認する。不動産会社や貸主によって対応が違うため、申込みの前に確認します。
  • 必要な書類を電子データでそろえる。会社の登記簿の写しや、入居者の在留カードの写しなどを、すぐに送れるようにしておきます。
  • 契約の名義と連絡先を決める。借上げの場合は会社名義、緊急時の連絡先は誰にするかを決めておきます。

不動産会社に手配を任せるときに確認したいことは住まいの手配を不動産会社に任せるとき|登録支援機関・派遣会社が確認したいことをご覧ください。

地図だけで「近い」と判断しない

地図の上では近く見えても、坂道や大きな川、線路があって実際の道のりが長かったり、夜は街灯が少なく歩きにくかったりすることがあります。とくに車通勤が前提の地域では、バスの本数や自転車で通える距離かどうかで暮らしやすさが大きく変わります。職場までの実際の道のりと時間を、受入れ企業や派遣先の担当者に確かめておきましょう。車通勤が前提の地域での住まい探し|地方の受入れで気をつけることも参考になります。

鍵の受け取りと入居日の段取り

決めること 方法の例
鍵の受け取り 現地の不動産会社の店舗で受け取る、受入れ企業の担当者に代わりに受け取ってもらう、郵送してもらう
入居前の確認 現地の協力者に部屋を見てもらい、写真で記録を残す。ライフラインの開始を確かめる
入居日の迎え 空港や駅から住まいまで誰が連れて行くか。担当者が行けない場合は、現地の協力者に頼む
部屋の説明 鍵や設備の使い方を、現地の協力者が説明するか、担当者がビデオ通話で説明する
困ったときの連絡先 夜や休日に困ったとき、本人が誰に連絡するかを決めておく

入居初日の説明は入居初日に部屋で説明すること|鍵・設備の使い方と、その夜に困らないための準備、入居時の写真記録は入居時の部屋の写真記録とチェックシートの作り方、鍵の管理は社宅の鍵の管理|合鍵・紛失・入居者が替わるときの交換で解説しています。

遠方の手配は、いつもより早く動き出す

現地に行けない手配は、写真のやり取りや書類の郵送、協力者との日程の調整に時間がかかります。いつもの手配より2〜3週間ほど早めに動き出すと、入居日に間に合わないという事態を防げます。入国日から逆算したスケジュールは特定技能の住居確保はいつから動く?入国日から逆算した物件手配のスケジュールをご覧ください。

遠くの拠点で社宅を用意するときのチェックリスト

  • ☐ オンライン内見で見たい場所を一覧にして、不動産会社に伝えた
  • ☐ 最新の部屋の写真と動画をもらった
  • ☐ 職場までの実際の道のりと時間を、現地の人に確かめた
  • ☐ オンラインでの重要事項説明と電子契約に対応しているか確認した
  • ☐ 現地で動いてくれる協力者を決めた
  • ☐ 鍵の受け取り方と入居前の確認の方法を決めた
  • ☐ 入居日に本人を住まいまで連れて行く人を決めた
  • ☐ 夜や休日に困ったときの連絡先を本人に伝えた

まとめ

  • 担当者が現地に行けなくても、オンライン内見と地図、現地の人への聞き取りで物件を選べる
  • オンライン内見では、見たい場所を前もって一覧にして伝える
  • 重要事項の説明はオンラインで受けられ、書類を電子データで受け取ることもできる
  • 現地の協力者を決め、鍵の受け取りと入居日の迎え方を早めに決める
  • 遠方の手配は時間がかかるため、いつもより早く動き出す

オンラインでの説明や電子契約への対応は、不動産会社や貸主によって異なります。具体的な手続きは、手配を頼む不動産会社にご確認ください。

次の段階 4. 入国・生活の立ち上げ

このガイドの運営者

不動産のイブキ(伊吹株式会社)。外国籍スタッフの住まいの手配を全国で行っています。制度は改正されることがあるため、手続きの最終確認は出入国在留管理庁などの公式情報もあわせてご確認ください。