段階3 住まいの確保

特定技能の住居確保はいつから動く?入国日から逆算した物件手配のスケジュール

特定技能外国人の受入れが決まると、支援担当者が最初に迷うことの一つが「住まいの手配をいつから始めるか」です。早く契約すれば入国前の家賃がかさみ、遅すぎると入国日に部屋が間に合いません。

この記事では、入国日から逆算した物件手配のスケジュールと、契約形態によって動き出す時期がどう変わるかを、支援担当者の実務に沿って解説します。

結論:在留資格の審査中に動き出すのが基本

海外から呼び寄せる場合、住まいの準備は在留資格認定証明書の申請を出した後、審査を待っている間に始めるのが基本です。

審査には1〜3か月程度かかることが多く、この期間に住む地域・予算・人数を固め、物件を探し始めておくと、証明書が交付されてから入国までの短い期間で契約と入居準備を終えられます。逆に、証明書の交付を待ってから探し始めると、入国日までに部屋が間に合わず、入国を遅らせたり、一時的な宿泊先を手配したりすることになりがちです。

なお、審査期間は時期や地方出入国在留管理局によって差があります。最新の目安は、出入国在留管理庁が公表している処理期間もあわせて確認してください。

入国日から逆算した全体スケジュール

受入れ側の手続きと、住まいの準備を並べると次のようになります。期間はあくまで目安で、国や時期によって前後します。

時期 受入れ側の手続き 住まいの準備
入国の3〜4か月前 雇用契約の締結、支援計画の作成、在留資格認定証明書の申請 契約形態(借上げ社宅か本人契約か)を決める。勤務地から通える地域、家賃の上限、入居人数を固める
審査中(1〜3か月) 入管からの追加資料の依頼に対応 物件を探し、条件に合う候補を絞る。外国籍の入居に対応できる物件かどうかを確認する
証明書の交付後 証明書を本人へ送付し、本人が現地で査証(ビザ)を申請 入居日を決めて申込み・契約。家賃が発生する日を入国日に近づけるよう調整する
入国の1〜2週間前 入国日・便の確定、空港出迎えの手配 鍵の受け取り、家具・家電の用意、電気・ガス・水道の使用開始の手続き
入国後14日以内 住居地の届出、生活オリエンテーション 本人と一緒に住居地の届出を行い、住まいのルールを説明する

在留資格認定証明書は交付から3か月以内に入国する必要があり、査証の申請には国によって数日から数週間かかります。交付から入国までは思ったより短くなることが多いため、審査中のうちに物件の候補まで進めておくことが、スケジュールを守るいちばんの近道です。

逆算の起点は「入居日」

住まいの手配は、入国日ではなく入居できる状態にしておきたい日から逆算して考えると整理しやすくなります。入国当日に本人がそのまま住まいへ向かうなら、その前日までに鍵の受け取りと、電気・水道などの使用開始を終えておく必要があるからです。

特にガスは、使用開始のときに立ち会いが必要になることが多く、予約が数日先になることもあります。入国当日にお湯が使えない、ということにならないよう、入居日の1週間前までには各社への連絡を済ませておくと安心です。

入国日がまだ決まらないときは

証明書の交付時期が読めず入国日が決まらない段階でも、物件探しは進められます。この段階では「いつ頃に入居したいか」を幅をもって伝え、候補の物件を絞り込んでおきます。交付の見通しが立った時点で入居日を確定させ、申込みに進むのが現実的な流れです。

契約形態によって動き出す時期が変わる

特定技能の住居確保支援には、大きく分けて次の3つの方法があります。どれを選ぶかで、手配を始められる時期が変わります。

方法 契約する人 動き出す時期の目安
借上げ社宅 受入れ機関が借主として契約 入国前に契約まで進められる。審査中から探し始めるのが基本
本人契約の支援 外国人本人が借主として契約し、受入れ側は物件探しの補助や保証の手配をする 入国前は在留カードがないため、契約は入国後になることが多い。入国直後の一時的な住まいが別に必要になりやすい
自社所有の社宅・寮 受入れ機関が自ら所有する住宅を提供 空き状況と広さの基準を早めに確認しておけばよい

海外から呼び寄せる場合、入国前に住まいを確定させやすいのは借上げ社宅です。本人契約を選ぶ場合は、入国直後の数日〜数週間をどこで過ごしてもらうかもあわせて決めておく必要があります。

どちらの方式を選ぶかの比べ方は、借上げ社宅と本人契約、どちらを選ぶ?費用・手間・退去時の違いで詳しく解説しています。

居室の広さの基準

住居確保支援では、居室の広さが一人当たり7.5㎡以上であることが求められます。複数名で一部屋を使う場合は、人数に応じた広さがあるかを物件探しの段階で確認してください。

早すぎ・遅すぎにはそれぞれリスクがある

住まいの手配では、早すぎても遅すぎてもコストやトラブルにつながります。

早く契約しすぎた場合

契約日や入居日から家賃が発生するため、入国が遅れると誰も住んでいない部屋の家賃を払い続けることになります。入国日は、査証の発給や航空便の都合で後ろにずれることも珍しくありません。証明書の交付前に契約まで進めるのは、入国日の見通しが固い場合に限るのが無難です。

手配が遅れた場合

外国籍の方の入居に対応できる物件は、一般の物件より選択肢が限られます。条件に合う物件がすぐに見つからないこともあり、探し始めが遅いと、勤務地から遠い物件や予算を超える物件で妥協せざるを得なくなります。最悪の場合、入国後しばらくホテルなどで過ごしてもらうことになり、費用も本人の負担感も大きくなります。

この2つのリスクの間をとるのが、審査中に探して候補を絞り、交付後に契約するという進め方です。家賃が発生する日の調整については、物件によって相談できる場合もあるので、申込みの段階で確認しておきましょう。

物件の手配にかかる日数の目安

物件探しから入居できる状態になるまでの日数は、地域や人数、時期によって変わります。当サイトを運営する不動産のイブキでお手伝いする場合の目安は、次のとおりです。

ケース 入居までの目安
1名の受入れ 1〜2週間程度
複数名の同時受入れ 2〜3週間程度
急ぎの場合 条件が合えば最短3日

1〜3月の引っ越しシーズンは物件が動きやすい反面、内見や審査が混み合います。この時期に入国が重なる場合は、上の目安より早めに動き出すことをおすすめします。

よくあるつまずきと対策

入国日が後ろ倒しになった

査証の発給が遅れたり、本人の事情で出発が延びたりすることがあります。契約前であれば入居日を調整し、契約後であれば管理会社に事情を伝えて相談します。入国日が確定するまでは、申込みの段階で止めておくのが安全です。

複数名が同じ物件に入れなかった

同時に受け入れる人数が多いと、同じ建物や近い場所に空き部屋がそろわないことがあります。人数が多い場合は、通勤経路や本人同士の関係も考えて、どこまで分かれて住むことを許容するかを先に決めておくと、物件探しが早く進みます。

入居後に住居地の届出を忘れていた

住居地を定めてから14日以内に、市区町村の窓口で住居地の届出が必要です。入国直後は手続きが重なるため、入居日に合わせて役所へ同行する日程まで決めておくと漏れを防げます。

入国後の手続きは住所が起点

住居地の届出が済まないと、銀行口座の開設や携帯電話の契約が進めにくくなります。住まいの確定が遅れると、生活の立ち上げ全体が後ろにずれることになります。

まとめ

  • 住まいの手配は、在留資格認定証明書の審査中に動き出すのが基本
  • 逆算の起点は入国日ではなく、入居できる状態にしておきたい日
  • 入国前に住まいを確定させやすいのは借上げ社宅。本人契約の場合は入国直後の一時的な住まいも考えておく
  • 契約が早すぎると家賃がかさみ、遅すぎると入国に間に合わない。審査中に候補を絞り、交付後に契約するのが現実的
  • 入国後は14日以内に住居地の届出。ここが遅れると口座や携帯の手続きも遅れる

受入れ全体の流れは特定技能外国人の受入れスケジュール|内定から入社まで何か月かかる?、審査を待つ間の準備は在留資格認定証明書の審査期間はどのくらい?待っている間に進める準備で解説しています。

受入れのスケジュールに住まいの手配を最初から組み込んでおくことで、入国直後の慌ただしさを大きく減らせます。制度の運用は変わることがあるため、手続きの最終確認は出入国在留管理庁の公式情報もあわせてご確認ください。

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このガイドの運営者

不動産のイブキ(伊吹株式会社)。外国籍スタッフの住まいの手配を全国で行っています。制度は改正されることがあるため、手続きの最終確認は出入国在留管理庁などの公式情報もあわせてご確認ください。