外国籍スタッフの住まいで、近隣や管理会社からの苦情として最も多いものの一つがゴミの出し方です。分別が違う、収集日でない日に出している、決められた場所以外に置いている。本人に悪気はなくても、日本の細かな分別のルールは、多くの国の人にとってなじみのないものです。
この記事では、自治体ごとに違うゴミのルールの調べ方と、外国籍スタッフに分別を定着させるための伝え方、間違えやすいゴミや大きなゴミの処分の方法を解説します。入居時に伝える住まいのルール全体は生活オリエンテーションで伝えたい住まいのルール|ゴミ出し・騒音・家賃の支払いでまとめています。
結論:「その地域のルールを調べ」「ゴミ置き場で実物を見せ」「台所に写真を貼る」
ゴミの分別のルールは、住んでいる市区町村によって大きく違います。まずその地域のルールを調べ、入居の日にゴミ置き場まで一緒に行って、実物を見せながら説明するのが最も伝わる方法です。
そのうえで、種類ごとの出し方と収集日を写真付きでまとめ、台所に貼っておくと、本人が迷ったときにすぐ確認できます。一度説明しただけで覚えられるものではないため、最初の1〜2か月は様子を見ながら、何度か確認しましょう。
地域のルールの調べ方
| 調べること | 調べ方 |
|---|---|
| 分別の種類と出し方 | 市区町村のウェブサイトの「ゴミの分け方・出し方」。外国語版を用意している自治体も多い |
| 収集日 | 地区ごとの収集カレンダー。自治体によってはゴミの分別や収集日を知らせるアプリもある |
| 指定のゴミ袋 | 決められた袋(有料の場合もある)があるか、どこで買えるか |
| ゴミ置き場のルール | 出してよい時間、場所、ネットのかけ方、当番の有無。管理会社や自治会に確認する |
| 大きなゴミの出し方 | 粗大ゴミの申込みの方法と費用 |
同じ会社の寮や社宅でも、市区町村が違えばルールも違います。複数の地域に住まいがある場合は、住まいごとにルールの資料を用意しましょう。
伝わる教え方
- ゴミ置き場に一緒に行く。入居の日に、ゴミ置き場の場所、出してよい時間、ネットのかけ方を実際に見せます。
- 実物で分けてみせる。ペットボトルのラベルとキャップを外す、缶をすすぐなど、実物を使って一緒にやってみます。
- 写真付きの表を台所に貼る。種類ごとに、よく出るゴミの写真と、出す曜日、使う袋を並べた表をつくります。
- 収集日を知らせる工夫をする。スマートフォンのカレンダーに収集日を登録する、自治体のアプリを入れるなどの方法を手伝います。
- 母国語の資料を渡す。自治体の外国語版のガイドがあれば、あわせて渡します。
写真付きの資料の作り方は外国籍スタッフ向け住まいのルール資料の作り方|多言語化のコツで解説しています。
間違えやすいゴミ
| ゴミ | 間違えやすい点 |
|---|---|
| ペットボトル | キャップとラベルを外し、中を軽くすすいでから出す地域が多い |
| 缶・びん | 中をすすいでから出す。中身が残ったまま出さない |
| プラスチックの容器や包装 | 汚れを落としてから資源として出す地域と、燃えるゴミとして出す地域がある |
| 使い終わった油 | 流しに捨てない。固めるか、紙にしみこませて出す。詳しくは宗教や食習慣への配慮と住まい|キッチン・におい・お祈りの場所を参照 |
| 電池・モバイルバッテリー | 普通のゴミに混ぜると火災の原因になる。決められた方法で出す。外国籍スタッフの住まいの火災予防|たこ足配線・調理・たばこの注意点も参照 |
| スプレー缶・ガスボンベ | 中身を使い切ってから、決められた方法で出す |
| 大きなゴミ | 収集日に普通のゴミとして出せない。粗大ゴミとして申し込む |
粗大ゴミと家電の処分
家具や布団、自転車などの大きなゴミは、多くの自治体で粗大ゴミとして事前に申し込み、手数料を払って出します。申込みから収集まで日数がかかることがあるため、早めに手配しましょう。
エアコン、テレビ、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機・衣類乾燥機は、家電リサイクル法の対象で、自治体の粗大ゴミとしては出せません。買い替えるときの販売店に引き取ってもらうか、決められた方法でリサイクル料金を払って処分します。
無許可の回収業者に注意
「無料で回収します」とトラックで回っている業者や、チラシで不用品の回収を案内する業者の中には、家庭のゴミを回収するのに必要な許可を持っていないところもあります。回収したものを不法に捨てたり、後から高い料金を請求したりするトラブルもあります。処分を頼むときは、自治体の案内に沿った方法を選びましょう。
違反のシールが貼られたとき
分別が違うゴミや、収集日でない日に出したゴミには、収集されずに「違反」のシールが貼られて残されることがあります。そのままにしておくと、近隣の苦情につながります。
- 残されたゴミを回収し、どこが違っていたのかを確認する
- 本人に、実物を見せながら正しい出し方を説明し直す
- 正しく分け直して、次の収集日に出す
- 同じ間違いが続く場合は、写真付きの表を見直す
誰が出したゴミか分からない場合でも、本人を一方的に責めるのは避けましょう。苦情を受けたときの対応は外国籍スタッフの住まいのトラブル対応|騒音・ゴミ・退去時の原状回復で解説しています。見回り訪問のときにゴミ置き場の様子を確認するのも効果的です。寮・社宅の見回り訪問のしかた|確認するポイントと記録も参照してください。
ルームシェアでは当番を決める
ルームシェアでは、「誰かが出すだろう」とゴミがたまりがちです。ゴミ出しの当番を決め、当番表を台所に貼っておきましょう。地域によってはゴミ置き場の掃除の当番が回ってくることもあります。自治会の活動は、近隣の人と知り合うきっかけにもなります。外国籍スタッフの孤立を防ぐ|地域の交流の場や相談窓口につなぐも参照してください。
帰国や退去の前のゴミ
帰国や退去の直前に、家具や家電、たくさんのゴミが一度に出ることがあります。粗大ゴミの申込みは日数がかかるため、退去の日から逆算して、少なくとも2〜3週間前には処分の計画を立てましょう。次の入居者や知人に譲れるものは譲り、残るものは自治体のルールに沿って処分します。ゴミをゴミ置き場や部屋に残したまま帰国すると、処分の費用を請求されることがあります。帰国前の段取りは退職・帰国が決まったら|届出と住まいの退去の段取りで解説しています。
ゴミの分別のチェックリスト
- ☐ 住まいの市区町村の分別のルールと収集日を調べた
- ☐ ゴミ置き場の場所、時間、ネットのかけ方を一緒に確認した
- ☐ 実物を使って、分け方を一緒にやってみた
- ☐ 写真付きの表と収集日を台所に貼った
- ☐ 自治体の外国語版のガイドを渡した
- ☐ 電池や油など、危険なゴミや間違えやすいゴミの出し方を伝えた
- ☐ 粗大ゴミと家電の処分の方法を伝えた
- ☐ ルームシェアの場合、ゴミ出しの当番を決めた
- ☐ 帰国や退去の前の処分の計画を早めに立てるよう伝えた
まとめ
- ゴミの分別のルールは市区町村によって違う。住まいごとにルールを調べる
- 入居の日にゴミ置き場に一緒に行き、実物で分け方を見せるのが最も伝わる
- 写真付きの表と収集日を台所に貼り、最初の1〜2か月は何度か確認する
- 電池や油など危険なゴミ、粗大ゴミや家電の処分の方法も伝えておく
- 違反のシールが貼られたら、責めずに説明し直す。帰国前の処分は早めに計画する
ゴミの分別や収集のルールは、自治体によって異なり、変わることもあります。最新の情報は、住んでいる市区町村のウェブサイトでご確認ください。