派遣会社の実務

寮から職場への送迎を用意するとき|送迎のルールと寮の場所の決め方

工業団地や郊外の物流倉庫など、電車やバスで通いにくい職場では、寮から職場まで会社の車で送迎することがあります。送迎があれば、職場から少し離れた場所でも寮を確保しやすくなり、運転免許を持たないスタッフも通勤できます。一方で、送迎の運用には、安全や法律の面で気をつけることも多くあります。

この記事では、寮から職場への送迎を用意するときの、寮の場所の決め方、送迎の運用のルール、守るべき決まり、送迎に頼りすぎないための工夫を解説します。

結論:送迎は「寮の場所」とセットで考え、安全の決まりを守って運用する

送迎を用意する場合は、送迎のルートを短く、効率よくできる場所に寮を集めることが大切です。寮がばらばらの場所にあると、送迎の時間と負担が大きくなります。

そして、送迎は会社の業務として行う以上、安全運転の管理や、運転する人の体調・酒気帯びの確認など、決められたルールを守って運用しなければなりません。

寮の場所の決め方

考えること 内容
送迎のルート 寮から職場までの距離と時間。複数の寮を回る場合の順番
寮をまとめる 同じ職場に通うスタッフを、同じ建物や近くの寮にまとめる
生活の便利さ 職場の近くより、駅や町の中心に寮を置き、送迎で職場に通う方が、休みの日の生活は便利なことがある
勤務の時間帯 交代制の場合、送迎の便の数と時間帯に合わせて寮の割り当てを考える

寮をどこに置くかは、職場の周りの住環境によっても変わります。受入れ前に確認したい職場周辺の住環境|物件が少ない地域の見極め方、車通勤が前提の地域の考え方は車通勤が前提の地域での住まい探し|地方の受入れで気をつけることで解説しています。

送迎の運用のルール

  • 時間と乗り場を決めて伝える。出発の時間、乗り場の場所、遅れたときの連絡先を、本人の言語で伝えます。乗り場の写真を資料にしておくと分かりやすくなります。
  • 乗り遅れたときの扱いを決める。乗り遅れたときに自分で通う方法があるか、欠勤扱いになるかなどを、あらかじめ決めておきます。
  • 車内のルールを決める。シートベルトの着用、車内での飲食や喫煙、大きな声で話さないことなど。
  • 乗り場での近隣への配慮。早朝や夜に寮の前で大勢が待つと、話し声が近隣の迷惑になることがあります。

ルールの資料の作り方は外国籍スタッフ向け住まいのルール資料の作り方|多言語化のコツで解説しています。

守るべき決まり

決まり 内容
安全運転管理者 一定の台数以上の車(乗車定員11人以上の車1台以上、またはそれ以外の車5台以上など)を使う事業所では、安全運転管理者を選任する必要がある
運転前後の確認 安全運転管理者を置く事業所では、運転する人の酒気帯びの有無を、アルコール検知器を使って確認し、記録を残すことが求められている
運転する人 車の種類に合った運転免許を持っているか。大きな車には中型・大型の免許が必要な場合がある
保険 送迎に使う車の任意保険で、乗っている人のけがも補償されるか

具体的な決まりは、使う車の台数や種類によって違います。所管の警察署などで確認しておきましょう。

送迎の費用を受け取るときは注意

送迎の費用をスタッフから受け取る場合、運送の事業の許可が問題になることがあります。送迎の費用を寮費や給料から差し引く形にする場合も含めて、事前に運輸支局や専門家に確認しておきましょう。また、スタッフ同士が乗り合いでガソリン代をもらって送り合うような場合も、トラブルのもとになるため、ルールを決めておくと安心です。

送迎に頼りすぎないために

送迎だけが通勤の手段になっていると、送迎の時間以外に出かけられず、スタッフの生活の幅が狭くなります。休みの日の買い物や病院、地域の交流の場に出かけられるよう、ほかの移動の手段も考えておきましょう。

移動の手段が少ないと、孤立にもつながりやすくなります。外国籍スタッフの孤立を防ぐ|地域の交流の場や相談窓口につなぐもあわせてご覧ください。

派遣先が変わったら送迎も見直す

派遣先が変わると、送迎のルートや時間も変わります。今の寮から新しい派遣先への送迎が難しい場合は、寮の住み替えも考えましょう。考え方は派遣先が変わるときの住まい|通勤圏の変化と住み替えの判断、寮の空室を減らす工夫は派遣会社の寮の空室を減らす|配属計画と寮の配置・入れ替えの工夫で解説しています。

送迎を用意するときのチェックリスト

  • ☐ 同じ職場に通うスタッフの寮を、まとめられる場所にした
  • ☐ 送迎の時間、乗り場、遅れたときの連絡先を本人の言語で伝えた
  • ☐ 乗り遅れたときの扱いと、車内のルールを決めた
  • ☐ 安全運転管理者の選任が必要か確認した
  • ☐ 運転前後の酒気帯びの確認と記録の方法を決めた
  • ☐ 運転する人の免許と、車の保険を確認した
  • ☐ 送迎の費用を受け取るかどうかと、その扱いを確認した
  • ☐ 休みの日の移動の手段も考えた

まとめ

  • 送迎は寮の場所とセットで考え、同じ職場に通うスタッフの寮をまとめる
  • 送迎の時間、乗り場、乗り遅れたときの扱い、車内のルールを決めて伝える
  • 安全運転管理者の選任や、運転前後の酒気帯びの確認など、決まりを守って運用する
  • 送迎の費用を受け取る場合は、事前に確認する
  • 送迎に頼りすぎず、休みの日の移動の手段も考える

安全運転管理者やアルコールチェックの決まり、送迎の費用の扱いは、使う車や運用の方法によって異なります。具体的には、警察署や運輸支局、専門家にご確認ください。

このガイドの運営者

不動産のイブキ(伊吹株式会社)。外国籍スタッフの住まいの手配を全国で行っています。制度は改正されることがあるため、手続きの最終確認は出入国在留管理庁などの公式情報もあわせてご確認ください。