段階1 受入れ決定・準備

受入れ人数が急に増えるとき|短い期間で複数の住まいを確保する方法

大きな受注が決まった、新しい派遣先を獲得した、別の会社から受入れの支援をまとめて引き受けた。こうした理由で、外国籍スタッフの受入れ人数が急に増えることがあります。人数が増えると、在留資格の手続きや生活の準備に加えて、短い期間で複数の住まいを確保しなければなりません。

この記事では、受入れ人数が急に増えるときに、短い期間で複数の住まいを確保するための進め方を解説します。

結論:「全員分を一度に」ではなく、入国日の順に優先順位をつけて段階的に確保する

人数が多いと、全員分の住まいを一度にそろえようとして、条件に合わない物件で妥協したり、どこから手をつければよいか分からなくなったりしがちです。入国日や入社日の早い順に優先順位をつけ、確保の方法を組み合わせて段階的に進めることが大切です。

入国日に住まいが間に合わない人がいる場合に備えて、つなぎの住まいもあらかじめ用意しておきましょう。

まず全体を整理する

整理すること 内容
人数と入国日 何人が、いつ入国・入社するか。グループごとに分ける
職場の場所 勤務先が一か所か複数か。それぞれの通勤の範囲
住まいの形 1人1室か、ルームシェアか。男女の内訳
予算 一人当たりの家賃と、初期費用の総額
今ある住まい 今の寮や社宅に空きがあるか

職場の周りにどのくらい物件があるかによって、確保の難しさが大きく変わります。受入れ前に確認したい職場周辺の住環境|物件が少ない地域の見極め方も参照してください。

確保の方法を組み合わせる

方法 向いている場面 注意点
今の寮・社宅の空きを使う 空きがあり、職場に通える 定員や広さの基準を守る
同じ建物や近くで複数の部屋を借りる 同じ職場に複数人が通う 空室がそろうとは限らない。近くの複数の建物に分けることも考える
広めの物件でルームシェア 2〜3人ずつまとめて住める 人数分の個室と、一人当たりの広さを確保する
建物を一棟まとめて借りる 人数が多く、長く受け入れる予定がある 空室のリスク、契約の条件、防火の確認
家具付きの短期の住まい 入国日までに住まいが間に合わない人のつなぎ 費用が割高。長く使わない

ルームシェアの広さの考え方は複数名を同時に受け入れるときの住まい|ルームシェアの広さと契約の注意点、一棟借りの注意点は派遣会社が寮を一棟借りするとき|メリットと契約・管理の注意点で解説しています。

人数に追われて基準を下げない

人数が多くて住まいが足りないと、1部屋に定員を超える人数を住まわせたり、広さの基準を満たさない部屋を使ったりしたくなることがあります。特定技能では一人当たりの広さの基準があり、貸主との契約で入居人数が決められていることもあります。基準を守れない場合は、入国日をずらすなどの調整を考えましょう。

つなぎの住まいを用意しておく

人数が多いと、どうしても一部の人の住まいが入国日に間に合わないことがあります。家具付きの短期の住まいやホテルなどを、つなぎとしてあらかじめ押さえておくと安心です。つなぎの期間の住所の届出の扱いや、本人の費用負担についても決めておきましょう。入国日に住まいが間に合わないとき|一時的な宿泊先の選び方と注意点で解説しています。

家具・家電とライフラインをまとめて手配する

  • 家具・家電は、必要な数をまとめて発注し、物件ごとの搬入日を決める
  • 寝具や消耗品は、入居の日に必要な数をセットにして用意する
  • 電気・ガス・水道・インターネットの手続きを、物件ごとに一覧で管理する
  • ガスの開栓など立ち会いが必要な手続きの日程を、入居日に合わせて押さえる

そろえておきたいものの目安は家具・家電はどこまで用意する?最低限そろえたい生活用品リストで解説しています。

入国日の調整

受入れの人数が多い場合は、全員を同じ日に入国させるのではなく、いくつかのグループに分けて入国日をずらすことも考えましょう。住まいの手配、入居の立ち会い、生活の立ち上げの手続きの負担を分けられます。住まいの手配のスケジュールの考え方は特定技能の住居確保はいつから動く?入国日から逆算した物件手配のスケジュールで解説しています。

社内の体制と外部の力を組み合わせる

短い期間に多くの住まいを確保するには、担当者一人で抱え込まず、物件ごとの情報を一つの台帳にまとめて社内で共有することが欠かせません。物件探しや家具・家電の手配を、外国籍の方の住まいの手配に慣れた不動産会社にまとめて任せるのも一つの方法です。住まいの担当と役割分担を決める|受入れ企業・支援機関・不動産会社の情報共有、住まいの手配を不動産会社に任せるとき|登録支援機関・派遣会社が確認したいこともご覧ください。

人数が急に増えるときのチェックリスト

  • ☐ 人数、入国日、職場、住まいの形、予算を一覧にした
  • ☐ 入国日の早い順に優先順位をつけた
  • ☐ 今の寮・社宅の空きを確認した
  • ☐ 複数の部屋、ルームシェア、一棟借りなどの方法を組み合わせた
  • ☐ 定員や広さの基準を守れているか確認した
  • ☐ 間に合わない人のためのつなぎの住まいを押さえた
  • ☐ 家具・家電とライフラインを物件ごとに一覧で管理した
  • ☐ 必要に応じて入国日をグループに分けた

まとめ

  • 人数が急に増えたときは、全員分を一度にそろえようとせず、入国日の順に優先順位をつける
  • 今の寮の空き、複数の部屋、ルームシェア、一棟借り、短期の住まいを組み合わせる
  • 人数に追われて、定員や広さの基準を下げない
  • 間に合わない人のためのつなぎの住まいを、あらかじめ押さえておく
  • 家具・家電とライフラインはまとめて手配し、入国日のグループ分けも考える

住まいの確保にかかる期間は、地域や時期、人数によって大きく変わります。受入れの計画が決まったら、できるだけ早く住まいの手配を始めてください。

次の段階 2. 在留資格の手続き

このガイドの運営者

不動産のイブキ(伊吹株式会社)。外国籍スタッフの住まいの手配を全国で行っています。制度は改正されることがあるため、手続きの最終確認は出入国在留管理庁などの公式情報もあわせてご確認ください。