外国籍スタッフの社宅を手配するときは、在留カードの写し、パスポートの写し、勤務先や収入の情報、連絡先など、たくさんの個人情報を扱います。入居審査のために不動産会社や保証会社に渡したり、入居後の連絡のために管理会社に伝えたりと、社外と共有する場面も少なくありません。
個人情報の扱いが雑になると、本人の信頼を失うだけでなく、会社の責任が問われることもあります。この記事では、外国籍スタッフの住まいに関わる個人情報の扱い方と、社外と共有するときの注意を解説します。
結論:「何を、誰に、何のために渡すか」を本人に伝え、必要な分だけ共有する
入居審査や契約のために本人の情報を社外に渡すときは、どの情報を、どこに、何のために渡すかを本人に説明し、了解を得ることが基本です。渡す情報は、目的に必要な分だけにしましょう。
また、受け取った写しや書類は、保管する場所と見られる人を決め、使い終わったら処分することが大切です。とくにマイナンバーは、住まいの契約のために集めたり渡したりするものではない点に注意が必要です。
住まいの手配で扱う主な個人情報
| 情報 | 使う場面 | 注意したい点 |
|---|---|---|
| 在留カードの写し | 入居審査、保証会社の審査 | 表と裏の両方が必要か確認する。必要な提出先にだけ渡す |
| パスポートの写し | 入居審査で求められることがある | 求められていなければ渡さない |
| 勤務先・収入の情報 | 入居審査、保証会社の審査 | 在籍の確認の電話に、誰がどう答えるかを決めておく |
| 連絡先・緊急連絡先 | 入居後の連絡、緊急時 | 海外の家族の連絡先を渡すときは、本人の了解を得る |
| マイナンバー | 住まいの契約では使わない | 求められても渡さない。マイナンバーカードの裏面の写しも渡さない |
入居審査で必要な書類は外国籍の方の入居審査で必要な書類と、審査に通りやすくする準備、マイナンバーの基本は外国籍スタッフのマイナンバー|住所の届出から番号の通知・カードの有効期限までで解説しています。
マイナンバーは、住まいの契約のために集めない
マイナンバー(個人番号)は、税金や社会保険、災害対策などの決められた手続きのためにしか集めたり使ったりできません。賃貸の契約や入居審査のために、マイナンバーやマイナンバーカードの裏面の写しを求められても、渡す必要はありません。本人確認の書類としてマイナンバーカードの表面を使う場合も、裏面の番号が写らないようにしましょう。
社外と共有するときのルール
- 本人の了解を得る。入居審査のために、不動産会社や保証会社に在留カードの写しなどを渡すことを、本人の言語で説明して了解を得ます。
- 必要な分だけ渡す。提出先が求めていない情報まで、まとめて渡さないようにします。
- 送り方に気をつける。メールで送るときは送り先を確認し、ファイルにパスワードをかけるなど、誤送信や漏えいに備えます。
- 手配を任せる先を確認する。不動産会社や管理の委託先が、個人情報をどう扱っているかを確認します。
不動産会社に手配を任せるときの確認は住まいの手配を不動産会社に任せるとき|登録支援機関・派遣会社が確認したいこと、社宅の管理を外部に任せるときは社宅の管理を外部に任せるとき|自社管理との比べ方、任せられる業務と、社宅台帳で押さえたいことをご覧ください。
写しの保管と処分を決めておく
在留カードやパスポートの写しは、鍵のかかる場所やアクセスを制限したフォルダに保管し、見られる人を決めておきましょう。入居審査が終わったあと、不要になった写しは処分します。支援の記録として保管が必要な書類は、保管の期間を決めて管理し、期間が過ぎたら処分します。退職や帰国のときに、本人の書類をどう扱うかも決めておくと安心です。退職・帰国が決まったら|届出と住まいの退去の段取りもご覧ください。
社内や寮の中で情報を広めない
| 場面 | 気をつけること |
|---|---|
| 社内での共有 | 住まいの担当者など、必要な人だけが入居者の情報を見られるようにする |
| 寮の掲示や名簿 | 入居者の名簿や連絡先を、共用部に貼り出さない |
| 寮のまとめ役への共有 | 寮長などに、ほかの入居者の個人的な事情や書類を渡さない |
| 連絡用のグループ | 本人の了解なく、電話番号などを大勢に共有しない |
| 相談の記録 | 相談の内容は、関係のない人に見せない |
寮のまとめ役の役割は寮のまとめ役(寮長)を置くとき|役割の決め方・選び方と、負担をかけすぎないための注意、相談の記録の残し方は相談・苦情対応の記録の残し方|支援実施状況の確認に備えるで解説しています。
防犯カメラの映像も、個人情報として扱う
寮の防犯カメラの映像で特定の人が分かる場合も、個人情報として扱う必要があります。見られる人や保存の期間を決めておきましょう。寮に防犯カメラを付けるとき|付けてよい場所、プライバシーへの配慮、映像の扱い方もご覧ください。
入居者の個人情報の扱いのチェックリスト
- ☐ 社外に渡す情報と提出先、目的を本人に説明し、了解を得た
- ☐ 提出先が求める情報だけを渡している
- ☐ マイナンバーやマイナンバーカードの裏面の写しを渡していない
- ☐ 海外の家族の連絡先を渡すときは、本人の了解を得た
- ☐ 写しの保管場所と、見られる人を決めた
- ☐ 不要になった写しを処分している
- ☐ 入居者の名簿や連絡先を、共用部に貼り出していない
- ☐ 手配や管理を任せる先の、個人情報の扱いを確認した
まとめ
- 住まいの手配では、在留カードの写しや連絡先など、多くの個人情報を扱う
- 社外に渡すときは、何を、誰に、何のために渡すかを本人に説明し、了解を得る
- マイナンバーは住まいの契約のために集めたり渡したりしない
- 写しの保管場所と見られる人を決め、不要になったら処分する
- 社内や寮の中でも、入居者の情報を必要な人以外に広めない
個人情報の扱いの細かなルールは、会社の規程や個々の事情によって異なります。判断に迷う場合は、個人情報保護委員会の案内や専門家にご確認ください。