北海道や東北、北陸、山間部など、雪が多く寒さの厳しい地域でも、外国籍スタッフの受入れが広がっています。東南アジアなど暖かい国から来たスタッフの多くは、雪や氷点下の寒さを経験したことがありません。冬の暮らし方を知らないまま迎えると、暖房器具の事故や水道管の凍結、凍った道での転倒など、思わぬトラブルが起きることがあります。
この記事では、雪の多い地域・寒さの厳しい地域で受け入れるときの、住まいの選び方と冬の準備を解説します。
結論:「暖かく過ごせる部屋」「安全な暖房」「冬の通勤と除雪」を秋までに準備する
寒い地域の住まいでは、部屋の暖かさ(窓や暖房の方式)を物件選びの段階で確認し、暖房器具を安全に使えるよう説明しておくことが大切です。
あわせて、冬の暖房費が寮費や生活費にどう影響するか、除雪を誰がするか、雪の日にどうやって通勤するかを、雪が降る前の秋までに決めておきましょう。
物件選びで確認したいこと
| 確認すること | ポイント |
|---|---|
| 暖房の方式 | エアコンだけか、FF式の石油暖房やガス暖房があるか。寒さの厳しい地域では、エアコンだけでは暖まりにくいことがある |
| 窓 | 二重窓や複層ガラスか。窓からの冷えと結露に影響する |
| 水道の凍結対策 | 水抜き栓があるか、使い方。凍結防止のヒーターがあるか |
| 灯油の置き場所 | 灯油のタンクやポリタンクを置ける場所があるか |
| 除雪 | 建物の入口や駐車場、通路の除雪を誰がするか。屋根からの落雪の危険がないか |
| 冬の交通 | 雪の日にも職場まで通えるか。バスの本数や道の状態 |
職場の周りの住環境の確かめ方は受入れ前に確認したい職場周辺の住環境|物件が少ない地域の見極め方、車通勤が前提の地域の住まい探しは車通勤が前提の地域での住まい探し|地方の受入れで気をつけることで解説しています。
灯油ストーブは、換気と給油に注意
部屋の中に排気を出すタイプの石油ストーブやファンヒーターは、換気をしないと一酸化炭素中毒のおそれがあります。1時間に1回ほど窓を開けて換気すること、寝るときは消すことを伝えましょう。また、給油は必ず火を消してから行うこと、ガソリンを入れないことも大切です。灯油とガソリンを取り違えると、火事の原因になります。屋外に排気を出すFF式の暖房器具であれば、換気の心配は小さくなります。火事を防ぐための注意は外国籍スタッフの住まいの火災予防|たこ足配線・調理・たばこの注意点をご覧ください。
冬の暖房費と寮費の考え方
寒い地域では、冬の暖房費が夏の何倍にもなることがあります。光熱費を寮費に定額で含めている場合、冬は会社の負担が大きくなり、実費で受け取っている場合は、本人の手取りが冬だけ大きく減ります。
- 冬の光熱費の目安を前もって伝える。入居のときに、冬は暖房費が高くなることと、おおよその金額を伝えておきます。
- 灯油代の扱いを決める。灯油を会社がまとめて買うか、本人が買うか、費用をどう分けるかを決めます。
- 節約の方法を伝える。厚手のカーテン、すき間の目張り、重ね着など、暖房費を抑える工夫を伝えます。
寮の光熱費の分け方は寮・ルームシェアの光熱費の分け方|定額・人数割り・個別メーターの比べ方で解説しています。
水道管の凍結は、夜と留守のときに起きやすい
気温が氷点下になる夜や、一時帰国などで部屋を長く空けるときは、水道管が凍って水が出なくなったり、破裂して水漏れが起きたりすることがあります。寒冷地の物件には水抜き栓が付いていることが多いため、入居のときに使い方を実際に見せておきましょう。凍結したときに熱湯をかけると管が破裂することがあるため、管理会社に連絡するよう伝えます。冬の暮らしの基本は外国籍スタッフの夏と冬の暮らし|熱中症・暖房・結露、設備が壊れたときの連絡の流れは寮・社宅の設備が壊れたとき|水漏れ・エアコン・トイレの詰まりの連絡の流れと費用の負担をご覧ください。
除雪と冬の通勤の準備
| 準備すること | 内容 |
|---|---|
| 除雪の分担 | 建物の入口や駐車場の雪かきを、管理会社と入居者のどちらがするか。入居者がする場合は、スコップなどの道具を用意する |
| 通勤の手段 | 雪の日は自転車が使えないことが多い。バスや送迎など、冬の通勤の手段を決める |
| 出発の時間 | 雪の日は道が混み、バスも遅れる。早めに出発するよう伝える |
| 車を使う場合 | 冬用のタイヤへの交換、凍った道での運転の注意、車の雪下ろし |
| 転倒の防止 | 凍った道は滑りやすい。滑りにくい靴をはき、小さな歩幅で歩くよう伝える |
車を持つときの手続きは外国籍スタッフが車を持つとき|駐車場・車庫証明・保険と帰国時の手続きで解説しています。
防寒の準備は、来日前から伝えておく
暖かい国から来るスタッフは、厚手の上着や手袋、滑りにくい靴などを持っていないことがほとんどです。来日前のガイダンスで、冬の寒さと必要な服装を伝え、来日後すぐに買える店を案内しておきましょう。冬に来日する場合は、空港から住まいまでの移動の間の防寒も考えておくと安心です。来日前のガイダンスで伝えることは事前ガイダンスで説明すること|住まいと生活費をどう伝えるかもご覧ください。
雪の多い地域・寒い地域の住まいのチェックリスト
- ☐ 暖房の方式と、窓の断熱の様子を確認した
- ☐ 水抜き栓の使い方を、入居時に実際に見せた
- ☐ 石油ストーブの換気と給油の注意を、本人の言語で伝えた
- ☐ 冬の暖房費の目安と、灯油代の扱いを決めて伝えた
- ☐ 建物の入口や駐車場の除雪を誰がするか決めた
- ☐ 雪の日の通勤の手段と出発の時間を決めた
- ☐ 来日前に、冬の服装と防寒の準備を伝えた
- ☐ 一時帰国などで部屋を空けるときの凍結対策を伝えた
まとめ
- 暖かい国から来たスタッフは、雪や氷点下の寒さを経験したことがないことが多い
- 物件選びでは、暖房の方式、窓の断熱、水道の凍結対策、除雪の分担を確認する
- 石油ストーブは換気と給油の注意を伝え、灯油とガソリンを取り違えないようにする
- 冬の暖房費が寮費や手取りにどう影響するかを、前もって伝えておく
- 雪の日の通勤の手段と、来日前の防寒の準備を、雪が降る前に整える
冬の気候や住まいの設備は、地域や建物によって大きく異なります。具体的な対策は、管理会社や地域の案内でご確認ください。