段階5 就労開始後の支援

外国籍スタッフが家賃を払えなくなったときの公的な支え|住居確保給付金と自立相談支援の窓口

外国籍スタッフが自分の名義で部屋を借りている場合、離職や仕事の減少で収入が減ると、家賃が払えなくなることがあります。派遣の仕事の切れ目や、会社の業績の悪化による休業などは、本人の努力だけでは避けられないこともあります。

こうしたときに、家賃の支払いを支える公的な制度として「住居確保給付金」があります。この記事では、住居確保給付金の考え方と、使える人の主な条件、相談先の窓口、支援担当者がつなぐときの注意点を解説します。

結論:本人名義で借りた部屋の家賃に困ったら、早めに自立相談支援の窓口へつなぐ

住居確保給付金は、離職や収入の減少で家賃が払えなくなった人に、自治体が一定の期間、家賃を大家に直接支払う制度です。日本で住民登録をしている外国籍の人も、条件を満たせば対象になります。

相談先は、市区町村の生活困窮者の自立相談支援の窓口です。家賃の滞納が長くなる前に相談することが大切なので、支援担当者は、収入が減った段階で早めに窓口を案内しましょう。

住居確保給付金の主な条件

項目 主な内容
対象になる人 離職・廃業して2年以内の人、または、本人の責任ではない理由で収入が減り、離職と同じくらいの状況にある人
収入と資産 世帯の収入や預貯金が、自治体の定める基準以下であること
求職の活動 ハローワークへの登録など、仕事を探す活動を行うこと
支給の額 自治体が決めた上限の範囲で、家賃の額。大家や管理会社に直接支払われる
支給の期間 原則3か月。条件を満たせば延長されることがある

細かな条件や上限の額は、住んでいる自治体によって違います。また、制度は見直されることがあり、家賃の安い住まいへの転居を支える仕組みも加わっています。最新の内容は、自治体の窓口で確認しましょう。

会社の寮・社宅は、対象にならないことが多い

住居確保給付金は、本人が借りている住まいの家賃を支える制度です。会社の名義で借りた寮や社宅に住んでいる場合は、対象にならないことが多くあります。寮・社宅に住むスタッフの収入が減ったときは、会社として寮費の負担をどうするかを考えましょう。退職後も今の部屋に住み続けたいと相談されたときは退職後も社宅に住み続けたいと言われたら|会社名義から本人名義への切り替えの進め方と注意点をご覧ください。

支援担当者がつなぐときの流れ

  1. 収入が減った理由と見込みを聞く。離職か、仕事が減ったのか、いつまで続きそうかを確認します。
  2. 家賃の支払いの状況を確認する。すでに滞納しているか、いつの分から払えないかを確認します。
  3. 自立相談支援の窓口を案内する。住んでいる市区町村の窓口を調べ、必要なら一緒に相談に行きます。
  4. 必要な書類をそろえる。在留カード、賃貸借契約書、離職や収入の減少が分かる書類、通帳などを用意します。
  5. 大家や管理会社に事情を伝える。本人の了解を得て、支払いの見込みを伝えておくと、話し合いがしやすくなります。

家賃の滞納が起きたときの対応は外国籍スタッフの家賃滞納が起きたとき|原因の聞き取りと支払いの立て直し、内容別の相談先は住まいの困りごとの相談先|内容別の窓口と、支援担当者が外部につなぐときのコツで解説しています。

生活保護とは扱いが違う

生活保護は、外国籍の人については、永住者や定住者など一部の在留資格の人に限って、準じた扱いで保護が行われています。一方、住居確保給付金は、生活保護に至る前の段階の支えとして設けられた制度で、在留資格の種類だけで対象が決まるものではありません。どの制度が使えるかは、本人の状況によって違うため、窓口で相談しましょう。永住者や定住者の部屋探しは永住者・定住者の派遣スタッフの部屋探し|入居審査で見られることも参考になります。

あわせて確認したいこと

  • 在留の手続き。離職した場合は、所属機関に関する届出や、次の仕事に合った在留資格の手続きが必要になることがあります。
  • 健康保険と年金。会社の健康保険から外れた場合は、国民健康保険などへの切り替えが必要です。
  • 病気やけがが原因の場合。働けない理由が病気やけがなら、健康保険の傷病手当金などが使えることがあります。
  • 住まいの見直し。家賃の負担が大きい場合は、家賃の安い住まいへの移転も考えます。

特定技能のスタッフが退職して次の仕事を探すときは特定技能のスタッフが退職して転職先を探すとき|次の会社が決まるまでの住まいと在留、健康保険と年金の切り替えは派遣の仕事の切れ目の国民健康保険・国民年金|外国籍スタッフに伝える手続き、病気やけがで働けないときは病気やけがで働けなくなったとき|外国籍スタッフの収入の支えと住まいの対応をご覧ください。

家賃の安い住まいへの移転も、早めに相談を

収入が元に戻る見込みが立たない場合は、家賃の安い住まいに移ることで、生活を立て直しやすくなります。外国籍の方が借りやすい物件や、住まい探しを手伝う居住支援の仕組みもあるため、滞納が大きくなる前に相談しましょう。住宅セーフティネット制度は外国籍スタッフの住まい探しに使える?|2025年10月の改正と保証会社の認定制度もご覧ください。

家賃が払えなくなったときのチェックリスト

  • ☐ 収入が減った理由と、今後の見込みを聞いた
  • ☐ 家賃の支払いの状況と、滞納の有無を確認した
  • ☐ 本人が借りている部屋か、会社の寮・社宅かを確認した
  • ☐ 市区町村の自立相談支援の窓口を案内した
  • ☐ 在留カード、契約書、収入の減少が分かる書類などをそろえた
  • ☐ 本人の了解を得て、大家や管理会社に事情を伝えた
  • ☐ 在留の手続き、健康保険・年金の切り替えを確認した
  • ☐ 家賃の安い住まいへの移転も検討した

まとめ

  • 住居確保給付金は、離職や収入の減少で家賃が払えない人に、自治体が家賃を大家に支払う制度
  • 住民登録をしている外国籍の人も、条件を満たせば対象になる
  • 会社の名義で借りた寮・社宅は、対象にならないことが多い
  • 相談先は市区町村の自立相談支援の窓口で、滞納が長くなる前に早めにつなぐ
  • 在留の手続き、健康保険・年金、住まいの見直しもあわせて確認する

住居確保給付金の条件や支給の額は、自治体や制度の見直しによって異なります。最新の内容は、住んでいる市区町村の自立相談支援の窓口でご確認ください。

次の段階 6. 届出・更新

このガイドの運営者

不動産のイブキ(伊吹株式会社)。外国籍スタッフの住まいの手配を全国で行っています。制度は改正されることがあるため、手続きの最終確認は出入国在留管理庁などの公式情報もあわせてご確認ください。