段階1 受入れ決定・準備

旅館・ホテルで働く外国籍スタッフの住まい|観光地の物件不足・中抜け勤務・従業員寮の見直し

旅館やホテルでは、特定技能の宿泊業分野などで働く外国籍スタッフが増えています。温泉地やリゾート地などの観光地では、そもそも賃貸の物件が少なく、昔からある従業員寮を使うことも多くあります。また、朝食と夕食の時間に働き、昼間は休む「中抜け」の勤務があるのも、宿泊業ならではの特徴です。

この記事では、旅館やホテルで働く外国籍スタッフの住まいを用意するときに、確認したいポイントを解説します。

結論:従業員寮は「今の基準」で見直し、中抜けの時間に休める環境をつくる

昔からある従業員寮を使う場合は、相部屋の人数や広さ、お風呂・トイレの設備が、今の受入れの基準や本人の希望に合っているかを見直すことが大切です。

また、中抜けの勤務がある場合は、昼間の休憩の時間に、静かに休める住まいが近くにあるかどうかが、働き続けやすさに直結します。観光地で物件が少ない場合は、少し離れた町まで範囲を広げ、通勤の手段とセットで考えましょう。

宿泊業の働き方が住まいに与える影響

特徴 住まいへの影響
中抜けの勤務がある 昼間の休憩時間に戻って休める距離に住まいがあると、体の負担が減る
早朝や夜遅くに働く 公共交通がない時間帯に通うことがある
観光地にある 賃貸の物件が少ない、または家賃が高い。別荘地など、住む人向けではない物件も多い
昔からの従業員寮がある 相部屋や共同のお風呂など、今の基準や本人の希望に合わないことがある
季節によって忙しさが変わる 繁忙期に人数が増え、住まいが足りなくなることがある
山間部や雪の多い地域にある 冬の寒さや雪で、通勤や買い物が難しくなることがある

職場の周りに物件があるかの確かめ方は受入れ前に確認したい職場周辺の住環境|物件が少ない地域の見極め方、車が前提になる地域での住まい探しは車通勤が前提の地域での住まい探し|地方の受入れで気をつけることで解説しています。

従業員寮を使うときに見直したいこと

項目 見直すこと
相部屋の人数と広さ 特定技能の場合、一人あたりの寝室の広さなどの基準を満たしているか。できれば個室にする
お風呂・トイレ 共同の場合、人数に対して足りるか。使う時間帯のルールがあるか
台所 自分で料理ができる場所があるか。まかないがない日の食事をどうするか
冷暖房 古い建物は冬に冷えやすい。各部屋に冷暖房があるか
鍵とプライバシー 部屋に鍵がかけられるか。旅館の建物の一部にある場合、お客さまの動線と分けられているか
インターネット 寮の中でWi-Fiが使えるか

個室とルームシェアの比べ方は社宅は1Kとルームシェア、どちらで用意する?費用と定着で比べる選び方、共用部分のルールは寮の共用部分のルールづくり|キッチン・浴室・洗濯機の使い方と当番の決め方で解説しています。

職場と住まいが近すぎるときは、線引きを意識する

従業員寮が旅館やホテルの敷地内にあると、休みの日や休憩の時間にも仕事を頼まれやすくなります。勤務の時間と休みの時間をはっきり分け、休みの日に寮にいても仕事を頼まないことを、職場で共有しておきましょう。寮費や食費を給料から差し引く場合は、ルールと金額を明確にします。社宅の家賃を給料から差し引くとき|労使協定と課税の考え方も参照してください。

観光地で物件が少ないときの考え方

  • 範囲を広げて探す。観光地の中にこだわらず、通勤できる範囲の近くの町まで広げて探します。
  • 通勤の手段をセットで考える。離れた町に住む場合は、送迎や自転車、公共交通の時間を確認します。中抜けの勤務では、昼間にどこで休むかも考えます。
  • 繁忙期の住まいを早めに確保する。繁忙期に人数が増える場合は、時期を見込んで早めに住まいを用意します。
  • 冬の暮らしを確認する。雪の多い地域では、除雪の状況や冬の通勤の手段、暖房の費用も確認しておきます。外国籍スタッフの夏と冬の暮らし|熱中症・暖房・結露も参照。

中抜けの時間に休める場所を用意する

中抜けの勤務では、昼間の数時間を休憩にあてます。住まいが遠く、戻って休めない場合は、職場の中に静かに休める休憩室を用意するなど、体を休められる場所を確保しましょう。住まいの規程や寮のルールの例は外国籍スタッフ向け寮規程の条文例|派遣会社・受入れ企業がそのまま使えるひな形をご覧ください。観光地は外国籍の住民が少ない地域もあるため、地域の交流の場や相談窓口の案内も大切です。外国籍スタッフの孤立を防ぐ|地域の交流の場や相談窓口につなぐも参照してください。

宿泊業の外国籍スタッフの住まいのチェックリスト

  • ☐ 従業員寮の相部屋の人数と広さが、基準や本人の希望に合っているかを見直した
  • ☐ お風呂・トイレ・台所の設備と使う時間のルールを確認した
  • ☐ 部屋に鍵がかけられ、お客さまの動線と分けられている
  • ☐ 中抜けの時間に休める場所を確保した
  • ☐ 早朝や夜遅くの通勤の手段を確認した
  • ☐ 観光地の外まで範囲を広げて物件を探した
  • ☐ 繁忙期に人数が増えるときの住まいを早めに確保した
  • ☐ 冬の通勤や暖房の費用を確認した

まとめ

  • 昔からの従業員寮を使う場合は、相部屋の人数や設備を今の基準で見直す
  • 中抜けの勤務では、昼間の休憩に休める住まいや休憩室が大切
  • 職場と住まいが近いときは、勤務と休みの線引きをはっきりさせる
  • 観光地で物件が少ない場合は、近くの町まで範囲を広げ、通勤の手段とセットで考える
  • 繁忙期の人数の増加や、冬の暮らしにも備える

住まいに求める条件は、施設の場所や勤務の形によって変わります。実際の働き方に合わせて、住まいを用意してください。

次の段階 2. 在留資格の手続き

このガイドの運営者

不動産のイブキ(伊吹株式会社)。外国籍スタッフの住まいの手配を全国で行っています。制度は改正されることがあるため、手続きの最終確認は出入国在留管理庁などの公式情報もあわせてご確認ください。