段階4 入国・生活の立ち上げ

外国籍スタッフの住まいの火災予防|たこ足配線・調理・たばこの注意点

寮や社宅で火災が起きると、本人や同居人の命に関わるだけでなく、建物や近隣にも大きな被害が出ます。外国籍スタッフの住まいでは、母国と電気の仕様が違う、日本の調理器具や暖房器具に慣れていない、火災のときの通報のしかたを知らない、といった理由から、火災の危険が高まることがあります。

この記事では、外国籍スタッフの住まいで起きやすい火災の原因と防ぎ方、もしものときの行動、火災保険で確認しておきたいことを解説します。

結論:「電気・調理・たばこ」の3つの注意と、「通報のしかた」を入居時に伝える

住まいの火災の原因で多いのは、電気の使い方、調理、たばこです。たこ足配線をしない、料理中はコンロから離れない、寝たばこをしない、といった基本を入居時に伝えておきましょう。

あわせて、火災が起きたときに119番に電話して、日本語で住所を伝えられるようにしておくことが大切です。住所を書いたカードを部屋に貼っておくだけでも、いざというときの助けになります。

火災の主な原因と防ぎ方

原因 防ぎ方
たこ足配線 一つのコンセントや電源タップに、電気をたくさん使う家電をつながない。電子レンジ、電気ケトル、ドライヤー、暖房器具などは特に注意
コンセントのほこり 冷蔵庫や洗濯機の裏など、差しっぱなしのプラグのほこりを定期的に掃除する
傷んだコード コードを家具の下敷きにしたり、束ねたまま使ったりしない。傷んだコードは使わない
調理 コンロに火をつけたまま離れない。コンロの周りに燃えやすいものを置かない
揚げ物の油 油を火にかけたまま離れない。油から煙が出たら火を止める
たばこ 寝たばこをしない。吸い殻は水につけてから捨てる。禁煙の物件では室内で吸わない
暖房器具 ストーブの近くに洗濯物や布団を置かない。寝るとき・出かけるときは消す
モバイルバッテリー・充電池 膨らんだり熱くなったりしたものは使わない。充電中に布団の上に置かない

母国から持ってきた家電にも注意

母国から持ってきた家電は、日本の電圧やコンセントの形に合わないことがあります。変換プラグだけで無理に使うと、故障や発熱の原因になります。また、安全基準を満たしていない安い電源タップや充電器も、発火の原因になることがあります。日本で使える家電かどうか、入居時に確認しておきましょう。

揚げ物の油に火がついたとき

油に火がついたときに水をかけると、燃えた油が飛び散って、火が一気に広がります。絶対に水をかけないことを伝えましょう。火を止め、鍋にふたをするか、消火器を使います。無理に消そうとせず、危ないと思ったらすぐに逃げて119番に通報します。料理のときの注意は宗教や食習慣への配慮と住まい|キッチン・におい・お祈りの場所でも触れています。

充電池の捨て方

モバイルバッテリーや電子たばこなどに使われている充電池は、普通のゴミに混ぜて捨てると、ゴミ収集車や処理施設で火災の原因になることがあります。自治体のルールに沿って、決められた方法で捨てるよう伝えましょう。

入居時に確認しておくこと

  • 火災警報器。住宅には火災警報器の設置が義務付けられています。付いているか、電池が切れていないかを確認します。音が鳴ったときの意味も伝えておきます。
  • 消火器の場所。建物の消火器がどこにあるかを、一緒に見ておきます。
  • 避難の経路。玄関以外の逃げ道(ベランダの避難はしごや隣の部屋との仕切り板など)を確認し、その前に物を置かないよう伝えます。
  • 使ってよい暖房器具。石油ストーブなどの使用が禁止されている物件もあります。冬の暖房の注意点は外国籍スタッフの夏と冬の暮らし|熱中症・暖房・結露を参照。
  • 喫煙のルール。禁煙の物件か、ベランダでの喫煙はよいかを確認します。たばこのヤニは、退去のときの原状回復の費用にもつながります。社宅の退去の立ち会い|原状回復の費用で揉めないための確認も参照。

火災が起きたときの行動

  1. 大きな声で周りに知らせる。「火事だ」と叫んで、同居人や近所の人に知らせます。
  2. 119番に通報する。「火事です」と伝え、住所を伝えます。
  3. 小さな火なら消火する。天井に火が届くほどになったら、消すのをあきらめて逃げます。
  4. すぐに逃げる。煙を吸わないよう、姿勢を低くして逃げます。荷物を取りに戻らないこと。
  5. 支援担当者に連絡する。安全な場所に逃げてから、支援担当者や会社に連絡します。

住所を書いたカードを部屋に貼っておく

119番に電話しても、日本語で住所を正確に伝えるのは、日本語に慣れていない人には難しいものです。部屋の住所を日本語とローマ字で書いたカードを、電話の近くや玄関に貼っておくと、そのまま読み上げることができます。「火事です」「救急です」などの言葉もあわせて書いておきましょう。住まいのルールの資料にまとめる方法は外国籍スタッフ向け住まいのルール資料の作り方|多言語化のコツで解説しています。

火災保険で確認したいこと

住まいの火災では、自分の部屋の家財の損害だけでなく、借りている部屋そのものの損害についても、借主が責任を負うことがあります。不注意で火事を起こして部屋を傷めた場合、貸主に対して元に戻す責任を負うためです。

  • 借上げ社宅の場合は、会社が加入している火災保険の内容(借りている部屋への賠償の補償があるか)を確認する
  • 本人契約の場合は、本人が入っている火災保険の内容を確認し、保険の期間が切れていないかを見る
  • 家財の補償が必要かどうかも確認する

日ごろの確認

見回り訪問のときに、たこ足配線や、暖房器具の周りに燃えやすいものがないか、火災警報器が付いているかを確認しましょう。気になる点があれば、その場で本人と一緒に直します。訪問の進め方は寮・社宅の見回り訪問のしかた|確認するポイントと記録で解説しています。また、地震などの災害への備えは災害への備え|住まいの防災と安否確認の準備、入居時に伝えるルールの全体は生活オリエンテーションで伝えたい住まいのルール|ゴミ出し・騒音・家賃の支払いをご覧ください。

火災予防のチェックリスト

  • ☐ たこ足配線をしない、プラグのほこりを掃除することを伝えた
  • ☐ 料理中にコンロから離れない、油火災に水をかけないことを伝えた
  • ☐ 寝たばこをしない、喫煙のルールを守ることを伝えた
  • ☐ 暖房器具の注意と、使ってよい器具を伝えた
  • ☐ 充電池の扱いと捨て方を伝えた
  • ☐ 母国から持ってきた家電が日本で使えるか確認した
  • ☐ 火災警報器、消火器の場所、避難の経路を一緒に確認した
  • ☐ 119番の通報のしかたと、住所を書いたカードを用意した
  • ☐ 火災保険の内容を確認した

まとめ

  • 住まいの火災の主な原因は、電気の使い方、調理、たばこ。入居時に基本の注意を伝える
  • 揚げ物の油に火がついたときは、絶対に水をかけない
  • 母国から持ってきた家電や、充電池の扱いにも注意する
  • 火災警報器、消火器、避難の経路を入居時に一緒に確認する
  • 119番で住所を伝えられるよう、住所を書いたカードを部屋に貼っておく
  • 借りている部屋への賠償の補償があるか、火災保険の内容を確認する

火災予防や通報の方法については、住んでいる地域の消防署のウェブサイトなどで、外国語の案内が用意されていることもあります。あわせて活用してください。

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このガイドの運営者

不動産のイブキ(伊吹株式会社)。外国籍スタッフの住まいの手配を全国で行っています。制度は改正されることがあるため、手続きの最終確認は出入国在留管理庁などの公式情報もあわせてご確認ください。