在留資格の変更や在留期間の更新の申請は、必ず許可されるとは限りません。書類の不備や、届出の漏れ、本人の状況などによって、不許可の結果が届くことがあります。不許可になると、本人は限られた期間の中で、再申請をするのか、日本を離れるのかを決め、住まいや生活の整理を進めなければなりません。
この記事では、外国籍スタッフの在留資格の変更や更新が不許可になったときに、支援担当者がとるべき対応と、出国までの短い期間で住まいを整理する段取りを解説します。
結論:まず理由を確かめ、「再申請」と「出国の準備」を同時に進める
不許可の通知を受けたら、まず地方出入国在留管理官署で不許可の理由を確かめます。理由によっては、書類を補ったり、状況を改めたりして再申請できることもあります。
ただし、再申請が認められるかどうかは分かりません。多くの場合、不許可のあとに日本にいられる期間は短いため、再申請の検討と並行して、出国になった場合の住まいの解約や生活の整理の準備も始めておくことが大切です。どちらか一方に絞ってから動くと、時間が足りなくなります。
不許可の通知を受けたら
| 順番 | やること | ポイント |
|---|---|---|
| 1 | 通知の内容と、日本にいられる期限を確認する | 不許可のあと、出国の準備のための短い期間の在留が認められることが多い。その期限を必ず確認する |
| 2 | 不許可の理由を確認する | 申請した地方出入国在留管理官署で、理由の説明を受けられる。本人と支援担当者が一緒に行くと、内容を正確に把握しやすい |
| 3 | 再申請ができるかを判断する | 行政書士など、在留手続きにくわしい専門家に早めに相談する |
| 4 | 受入れ企業と今後の方針を決める | 再申請するのか、退職・帰国になるのかを、本人の意向も含めて決める |
| 5 | 住まいと生活の整理を始める | 再申請する場合も、出国になったときに間に合うよう準備しておく |
期限を1日でも過ぎると、本人に大きな不利益が出る
不許可のあとに認められる在留の期限を過ぎて日本にいると、不法残留になります。その後に日本へ入国することが難しくなるなど、本人の将来に大きな影響が出ます。期限は本人任せにせず、支援担当者と受入れ企業でも管理しましょう。審査中の在留の扱い(特例期間)は在留資格の変更・更新の審査中にできること・できないことで解説しています。
よくある不許可の理由と、再申請の考え方
| 理由の例 | 考えられる対応 |
|---|---|
| 書類の不足や、書類どうしの内容の食い違い | 書類を補い、内容を整えて再申請できることがある |
| 届出の漏れ(受入れ企業や支援機関の届出) | 漏れていた届出を済ませたうえで、再申請を検討する |
| 税金や社会保険料の未納 | 未納を解消し、納めたことを示す書類をそろえて再申請を検討する |
| 仕事の内容が在留資格に合わない | 仕事の内容を見直すか、別の在留資格や別の受入れ先を検討する |
| 本人の在留中の状況(出席率、素行など) | 再申請で結果を変えるのは難しいことが多い |
再申請が認められるかどうかは、個別の事情によって大きく変わります。判断は専門家と相談しながら進め、本人に「必ず許可される」といった期待を持たせないよう注意しましょう。更新の申請の準備のポイントは特定技能1号の在留期間更新|必要書類と早めに準備したいことで解説しています。
別の受入れ先で働く道があるとき
不許可の理由が、受入れ企業の側の事情や仕事の内容にある場合は、別の受入れ先で改めて申請する道が考えられることもあります。その場合は、新しい受入れ先の近くでの住まいの確保も必要になります。国内で転職する場合の進め方は国内転職の特定技能外国人を受け入れるとき|在留資格変更と引っ越しの進め方で解説しています。
出国になる場合の住まいの整理
出国までの期間は限られています。住まいの解約や退去は、ふだんの帰国よりも短い期間で進めなければなりません。
| 契約の形 | やること |
|---|---|
| 本人契約 | すぐに管理会社に解約を連絡する。解約予告の期間の家賃や、原状回復の費用をどう清算するかを決める。保証会社への連絡も忘れずに |
| 借上げ社宅 | 会社が解約の手続きをする。次に入るスタッフがいれば、解約せずに引き継ぐことも検討する |
| ルームシェア | 同居人に事情を伝え、本人の負担分や共用の光熱費の清算を決める |
本人契約で、出国までに退去の立ち会いができない場合は、誰が代わりに立ち会うか、原状回復の費用の精算をどうするかを、管理会社と早めに相談しておきましょう。契約の形ごとの退去の違いは借上げ社宅と本人契約、どちらを選ぶ?費用・手間・退去時の違いで解説しています。
住まい以外に整理すること
- 住民税。出国後に納める住民税がある場合は、納税管理人を決めるか、出国前にまとめて納めます。考え方は外国籍スタッフの住民税|2年目の手取りと帰国時の納税を参照。
- 携帯電話とインターネット。出国前に解約します。本体の分割払いが残っていないかも確認します。携帯電話とネット回線の契約|入国直後に困らないための準備も参照。
- 銀行口座。最後の給料や、家賃・光熱費の引き落としが済んでから閉じます。
- 電気・ガス・水道。退去日に合わせて止める手続きをします。
- 役所の届出。市区町村での転出の届出など、出国前に必要な手続きを済ませます。
退職や帰国のときの段取りの全体は退職・帰国が決まったら|届出と住まいの退去の段取りで解説しています。不許可の場合は時間が限られるため、このリストを本人と一緒に確認し、期限から逆算して予定を組みましょう。
本人への接し方
不許可の通知を受けた本人は、大きな不安やショックを感じています。手続きの説明だけでなく、本人の気持ちにも配慮しましょう。
- 本人が理解できる言語で、不許可の理由と今後の選択肢を説明する
- 「いつまでに、何をするか」を一覧にして渡し、一つずつ一緒に進める
- 本人を責めない。受入れ企業や支援機関の側に原因がある場合は、その説明もする
- 帰国になる場合は、出国の日まで連絡が取れるようにしておく
相談の経過や、決めたことは記録に残しておきます。記録の残し方は相談・苦情対応の記録の残し方|支援実施状況の確認に備えるで解説しています。
不許可になったときのチェックリスト
- ☐ 通知の内容と、日本にいられる期限を確認した
- ☐ 地方出入国在留管理官署で、不許可の理由を確認した
- ☐ 専門家に、再申請ができるかを相談した
- ☐ 受入れ企業と本人で、今後の方針を決めた
- ☐ 出国になった場合に備えて、住まいの解約の条件を確認した
- ☐ 住民税、携帯電話、銀行口座、ライフラインの整理の予定を立てた
- ☐ 期限から逆算した予定を、本人と共有した
- ☐ 相談の経過を記録した
まとめ
- 不許可の通知を受けたら、まず日本にいられる期限と、不許可の理由を確認する
- 書類の不足や届出の漏れ、税金の未納などが理由なら、改めて再申請できることがある。判断は専門家と相談する
- 再申請の検討と並行して、出国になった場合の住まいの解約や生活の整理の準備を始める
- 期限を過ぎて日本にいると不法残留になる。期限は本人任せにせず管理する
- 本人の不安に配慮し、「いつまでに、何をするか」を一緒に確認しながら進める
不許可後の手続きや在留の扱いは、個々の状況によって異なります。具体的な対応は、出入国在留管理庁や行政書士などの専門家にご確認ください。