外国籍スタッフの住まいを探すとき、民間の賃貸住宅で保証会社の審査が通らなかったり、条件に合う物件が見つからなかったりすると、「UR賃貸住宅や公営住宅は使えないのか」と考えることがあります。どちらも民間の賃貸住宅とは仕組みが違い、向いている場面と向いていない場面があります。
この記事では、民間の賃貸住宅、UR賃貸住宅、公営住宅の特徴を比べ、外国籍スタッフの住まいとしての向き不向きと、受入れの場面ごとの選び方を解説します。
結論:受入れ直後の社宅は民間賃貸が中心。URは長く住む人や家族向けの選択肢に
入国直後のスタッフの住まいを、決まった日までに用意する社宅としては、物件の数が多く、時期を合わせやすい民間の賃貸住宅が中心になります。
一方で、UR賃貸住宅は、保証人や礼金がいらないなどの特徴があり、日本での生活が長く収入も安定したスタッフや、家族と暮らすスタッフの住まいとして選択肢になります。公営住宅は、収入が低く住まいに困っている世帯のための住宅のため、社宅として使うものではありません。
3つの住まいの比較
| 項目 | 民間の賃貸住宅 | UR賃貸住宅 | 公営住宅 |
|---|---|---|---|
| 貸主 | 個人や会社 | 都市再生機構(UR) | 都道府県や市区町村 |
| 物件の数・場所 | 多い。職場の近くで探しやすい | 団地が中心。地域によって偏りがある | 地域によって限られる |
| 初期費用 | 敷金・礼金・仲介手数料・保証料などがかかることが多い | 礼金・仲介手数料がかからない | 家賃が収入に応じて決まり、低めのことが多い |
| 保証人・保証会社 | 保証会社の審査が必要なことが多い | 保証人は不要 | 自治体の決まりによる |
| 入居の条件 | 貸主・管理会社・保証会社の審査 | 収入の基準などの申込資格がある | 収入の上限、住まいに困っていることなどの条件があり、抽選のことも多い |
| 入居までの時間 | 早ければ数週間 | 空きがあれば比較的早い | 募集の時期が決まっていて、すぐには入れないことが多い |
UR賃貸住宅の特徴と注意点
UR賃貸住宅は、礼金・仲介手数料・更新料がかからず、保証人もいらない住まいです。民間の賃貸住宅で保証会社の審査に不安がある場合にも、選択肢の一つになります。
- 収入の基準がある。申し込む人の月の収入が家賃の一定の倍数以上であることなど、収入の基準があります。収入が基準に届かない場合は、貯蓄の額で申し込める仕組みもあります。
- 外国籍の方の申込みの条件を確認する。外国籍の方も申し込めますが、在留資格や在留期間によって条件があります。申し込む前に、URの窓口で確認しましょう。
- 物件の場所を確認する。団地が中心で、職場の近くに物件があるとは限りません。
- 法人での契約。会社が社宅として借りる仕組みが用意されている場合もあります。条件はURに確認してください。
日本での生活が長い永住者や定住者のスタッフ、家族と暮らすスタッフの住まい探しでは、URも候補に入れてみるとよいでしょう。永住者・定住者のスタッフの部屋探しは永住者・定住者の派遣スタッフの部屋探し|入居審査で見られること、家族と暮らす住まい選びは家族と暮らす外国籍スタッフの住まい選び|学区・保育園・広さの考え方で解説しています。
公営住宅は社宅の代わりにはならない
公営住宅は、収入が低く住まいに困っている世帯のための住宅です。会社が社宅として借りたり、入国直後のスタッフの住まいとして手配したりするものではありません。外国籍の方が申し込めるかどうかや条件は、自治体によって違います。スタッフ本人が家族と暮らすために申し込みたいと相談してきた場合は、住んでいる自治体の窓口を案内しましょう。
場面ごとの選び方
| 場面 | 向いている住まい |
|---|---|
| 海外から来日するスタッフの最初の住まい | 民間の賃貸住宅(会社名義の借上げ社宅) |
| 複数のスタッフを同じ時期に受け入れる | 民間の賃貸住宅(同じ建物・近くでまとめて) |
| 日本での生活が長く、本人が自分で住まいを選びたい | 民間の賃貸住宅(本人契約)、UR賃貸住宅 |
| 家族と暮らすスタッフ | 民間の賃貸住宅(ファミリー向け)、UR賃貸住宅 |
| 保証会社の審査が通らなかった | 会社名義での契約、別の保証会社、UR賃貸住宅など |
保証会社の審査に通らなかったときの方法は保証会社の審査に落ちたときの対処法|外国籍スタッフの部屋探し、入居審査の書類は外国籍の方の入居審査で必要な書類と、審査に通りやすくする準備、会社名義と本人名義の違いは借上げ社宅と本人契約、どちらを選ぶ?費用・手間・退去時の違いで解説しています。
社宅から本人の住まいへ移るときの選択肢として
特定技能2号への移行や、日本での生活が長くなったことをきっかけに、会社の社宅から本人が自分で契約する住まいに移ることがあります。そのときに、民間の賃貸住宅とURを比べて選べるよう、情報を伝えておくのも支援の一つです。特定技能2号に移行したら住まいの支援はどう変わる?|支援計画の対象外になったあとの考え方も参照してください。
住まいの選択肢を比べるときのチェックリスト
- ☐ 入居が必要な日と、それに間に合う住まいの種類を確認した
- ☐ 職場の近くに、それぞれの種類の物件があるか確認した
- ☐ URを考える場合、収入の基準と外国籍の方の申込みの条件を確認した
- ☐ 公営住宅は社宅の代わりにならないことを社内で共有した
- ☐ 会社名義か本人名義かを決めた
- ☐ 保証会社の審査に不安がある場合の代わりの方法を考えた
まとめ
- 入国直後の社宅には、物件が多く時期を合わせやすい民間の賃貸住宅が中心になる
- UR賃貸住宅は、礼金・仲介手数料・更新料がかからず、保証人もいらない。収入の基準などの申込資格がある
- URは、日本での生活が長いスタッフや家族と暮らすスタッフの選択肢になる。外国籍の方の申込みの条件は事前に確認する
- 公営住宅は住まいに困っている世帯のための住宅で、社宅の代わりにはならない
- 場面ごとに、時期・場所・条件を比べて選ぶ
UR賃貸住宅や公営住宅の申込みの条件は、変わることがあり、物件や自治体によっても異なります。最新の情報は、URや各自治体の窓口でご確認ください。