段階5 就労開始後の支援

寮・社宅のたばこのルール|室内禁煙・ベランダの喫煙の苦情・退去時のクロスの費用

外国籍スタッフの寮・社宅では、たばこをめぐるトラブルがよく起きます。部屋の中で吸って壁紙が黄ばんだり、ベランダで吸った煙が隣の部屋に入って苦情が来たり、ルームシェアで吸う人と吸わない人がぶつかったりします。国によっては、室内での喫煙や歩きたばこがそれほど気にされないこともあり、日本のルールを知らないまま吸っているケースも少なくありません。

この記事では、寮・社宅でのたばこのルールの決め方と、苦情や退去の費用でトラブルにしないためのポイントを解説します。

結論:物件の条件を確認し、「どこで吸ってよいか」を具体的に決めて伝える

たばこのトラブルを防ぐには、まず物件の契約で喫煙がどう決められているかを確認し、そのうえで寮・社宅の中でどこなら吸ってよいかを具体的に決めて伝えることが大切です。

「室内は禁煙」とだけ伝えると、ベランダや共用部、窓際で吸ってしまい、別のトラブルになることがあります。吸ってよい場所と、吸ってはいけない場所の両方を、本人の言語で示しましょう。

物件で確認したい喫煙の条件

確認すること ポイント
室内の喫煙 契約で室内が禁煙になっていないか。禁煙の物件で吸うと、契約違反になることがある
ベランダの喫煙 管理規約でベランダの喫煙を禁止していないか。ベランダは共用部とされることが多い
敷地内の喫煙場所 建物に喫煙所があるか。敷地内がすべて禁煙になっていないか
退去時の費用 喫煙による汚れや臭いの費用を、借主が負担する決まりになっているか

ヤニ汚れは、借主の負担になりやすい

国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」では、たばこのヤニで壁紙が変色したり、臭いがついたりした場合は、普通に住んでいてできる汚れを超えるものとして、借主の負担になりうるとされています。借上げ社宅では、まず会社が費用を払うことになるため、退去のときに思わぬ出費にならないよう、入居時の写真と、喫煙のルールを残しておきましょう。退去の立ち会いは社宅の退去の立ち会い|原状回復の費用で揉めないための確認、入居時の写真記録は入居時の部屋の写真記録とチェックシートの作り方で解説しています。

寮で決めたい喫煙のルール

ルール 決め方の例
吸ってよい場所 建物の外の決められた喫煙場所だけ。室内、ベランダ、廊下、階段では吸わない
部屋割り ルームシェアでは、吸う人と吸わない人を同じ部屋にしない
吸い殻の始末 吸い殻は水につけてから捨てる。ベランダや窓から捨てない
加熱式たばこ 紙巻きたばこと同じルールにするか、別に決めるかをはっきりさせる
守れなかったとき 注意の仕方と、退去のときの費用の負担を、前もって説明しておく

寮の規程に喫煙のルールを書くときは外国籍スタッフ向け寮規程の条文例|派遣会社・受入れ企業がそのまま使えるひな形、ルールを本人の言語の資料にするときは外国籍スタッフ向け住まいのルール資料の作り方|多言語化のコツ、共用部のルールの決め方は寮の共用部分のルールづくり|キッチン・浴室・洗濯機の使い方と当番の決め方をご覧ください。

ベランダでの喫煙は、苦情になりやすい

「室内は禁煙」と伝えると、ベランダで吸うようになることがよくあります。しかし、ベランダの煙は上や隣の部屋に流れ込み、洗濯物に臭いがつくなどして、近所からの苦情になりやすい場所です。苦情を受けたときは、まず本人に事情を説明し、建物の外の喫煙場所を案内しましょう。苦情を受けたときの対応の進め方は住まいの騒音の苦情を受けたとき|聞き取りから改善までも参考になります。

外で吸うときのマナーも伝える

  • 歩きたばこをしない。多くの自治体で、路上での喫煙を条例で禁止している地域があります。決められた場所以外で吸うと、過料を求められることもあります。
  • 吸い殻を捨てない。道路や側溝、ゴミ置き場に吸い殻を捨てないよう伝えます。
  • 喫煙所を確かめる。職場や駅の近くの喫煙所の場所を伝えておくと、ルールを守りやすくなります。
  • 地域の目を意識する。寮の前で集まって吸うと、近所の人に不安を与えることがあります。

近所とのつきあいについては寮・社宅と町内会(自治会)|加入するか、会費は誰が払うか、回覧板や当番の伝え方もご覧ください。

火事を防ぐことも、たばこのルールの大切な目的

寝たばこや、吸い殻の始末の不十分さは、住まいの火事の原因になります。たばこのルールを伝えるときは、近所への迷惑や退去の費用だけでなく、火事を防ぐためでもあることを伝えましょう。火災の予防は外国籍スタッフの住まいの火災予防|たこ足配線・調理・たばこの注意点で解説しています。

たばこのルールのチェックリスト

  • ☐ 物件の契約や管理規約で、室内・ベランダの喫煙の扱いを確認した
  • ☐ 吸ってよい場所と、吸ってはいけない場所を具体的に決めた
  • ☐ ルームシェアで、吸う人と吸わない人を同じ部屋にしていない
  • ☐ 加熱式たばこの扱いを決めた
  • ☐ ヤニ汚れの退去時の費用について、本人に説明した
  • ☐ 入居時の部屋の写真を残した
  • ☐ 歩きたばこや吸い殻のポイ捨てをしないよう伝えた
  • ☐ ルールを本人の言語の資料にまとめた

まとめ

  • 寮・社宅のたばこは、火事、近所からの苦情、退去時の費用など、さまざまなトラブルにつながる
  • まず物件の契約や管理規約で、室内やベランダの喫煙の扱いを確認する
  • 「室内禁煙」だけでなく、吸ってよい場所と吸ってはいけない場所を具体的に伝える
  • ヤニ汚れは借主の負担になりやすいため、入居時の写真とルールを残しておく
  • 歩きたばこや吸い殻のポイ捨てをしないなど、外でのマナーも伝える

喫煙の扱いや原状回復の費用は、物件の契約や地域の条例によって異なります。具体的な内容は、管理会社や自治体の案内でご確認ください。

次の段階 6. 届出・更新

このガイドの運営者

不動産のイブキ(伊吹株式会社)。外国籍スタッフの住まいの手配を全国で行っています。制度は改正されることがあるため、手続きの最終確認は出入国在留管理庁などの公式情報もあわせてご確認ください。