段階6 届出・更新

受入れ企業の名称や所在地が変わったとき|届出と社宅の契約名義の変更

受入れ企業が社名を変えた、本社や工場を移転した、ほかの会社と合併した。こうした会社側の変化があったときにも、外国籍スタッフの在留に関わる届出が必要になります。会社の手続きに追われて、スタッフ本人の届出や、社宅の契約名義の変更が後回しになってしまうことは少なくありません。

この記事では、受入れ企業の名称や所在地が変わったときに必要な届出と、借上げ社宅の契約名義など住まいまわりで変更が必要になることを解説します。

結論:本人の届出は14日以内。社宅の名義変更も同じタイミングで進める

技術・人文知識・国際業務や特定技能などの在留資格で働く外国籍スタッフは、勤め先の会社の名称や所在地が変わったときに、14日以内に出入国在留管理庁へ届け出る必要があります。届け出るのは会社ではなく、スタッフ本人です。

あわせて、会社の名義で借りている社宅は、管理会社や保証会社、電気・ガスなどの名義の変更が必要になります。会社の変更の手続きの一覧に、スタッフの届出と社宅の名義変更を最初から入れておくと、漏れを防げます。

外国籍スタッフ本人の届出

項目 内容
届出が必要なとき 勤め先の会社の名称や所在地が変わったとき、会社が消滅したとき、契約が終わったとき、新しい会社と契約したとき
対象 技術・人文知識・国際業務、技能、介護、特定技能などの在留資格で働く人
期限 変更があった日から14日以内
届出の方法 オンラインの電子届出システム、窓口への持参、郵送
届け出る人 外国籍スタッフ本人

電子届出システムを使えば、24時間いつでも届け出ることができます。ただし、日本語の画面で入力するため、本人だけでは難しいこともあります。会社として変更の日が決まったら、対象のスタッフの一覧をつくり、支援担当者が届出を手伝うと確実です。

会社の手続きと、本人の届出は別もの

会社が登記を変えたり、取引先に通知したりしても、それでスタッフ本人の届出が済むわけではありません。本人の届出が漏れると、在留期間の更新などの審査で不利になることがあります。「会社が変わったら、本人も届け出る」ことを、本人と受入れ企業の両方に伝えておきましょう。

受入れ企業の側で確認すること

特定技能外国人を受け入れている場合は、受入れ企業の側でも確認が必要です。支援計画や雇用契約には、会社の名称や所在地、働く場所が書かれています。これらが変わる場合は、支援計画の変更の届出や、雇用契約の変更の届出が必要になるかを確認しましょう。どの変更が届出の対象になるかは、運用要領で確認するか、地方出入国在留管理官署に問い合わせてください。

  • 働く場所が変わる場合。工場や事業所の移転で、スタッフの働く場所が変わるときは、雇用契約の内容の変更にあたる可能性があります。
  • 協議会への届出。分野によっては、協議会の構成員の情報の変更を届け出る必要があります。協議会については特定技能の分野別協議会への加入|受入れ前に済ませる手続きを参照。
  • 合併や会社分割の場合。雇用契約を引き継ぐ会社が変わる場合は、届出の内容が大きく変わります。早めに専門家に相談しましょう。

随時届出の種類と期限は随時届出が必要になるのはどんなとき?ケース別の期限と届出先で整理しています。また、登録支援機関の側で名称や所在地が変わった場合や、委託先を変える場合の手続きは登録支援機関を変更するとき|手続きと住まいの引き継ぎをご覧ください。

社宅の契約名義の変更

会社の名義で借りている社宅は、会社の名称や所在地が変わったら、関係先に届け出て名義や登録の情報を改めます。

届け出る先 手続きの例
管理会社・貸主 名称や所在地の変更を届け出る。新しい登記事項証明書の提出を求められることがある
保証会社 契約者の情報の変更を届け出る
火災保険 契約者の名称や所在地を変更する
電気・ガス・水道・インターネット 会社名義で契約している場合は、名義や請求先の変更を届け出る
家賃の支払い 口座振替の口座名義が変わる場合は、手続きを改める

社名が変わるだけで会社そのものは同じ場合は、手続きは名称の変更の届出で済むことが多いです。一方、事業をほかの会社に譲る場合など、借主となる会社そのものが変わる場合は、貸主の承諾を得て契約を引き継ぐか、新しく契約を結び直す必要が出てくることがあります。どちらにあたるかは、契約書の内容とあわせて管理会社に確認しましょう。

借上げ社宅の契約名義の考え方は派遣スタッフの社宅を借上げで用意するときの契約名義と注意点、ライフラインの名義の考え方は電気・ガス・水道の開始手続き|入居前に済ませておくことで解説しています。

物件ごとの一覧があると手続きが早い

社宅が何件もある場合は、物件ごとに管理会社、保証会社、火災保険、ライフラインの契約先と名義を一覧にしておくと、会社の名称が変わったときに、届け出る先を漏れなく洗い出せます。社宅規程に書かれている会社の名称や連絡先も、あわせて改めましょう。規程の作り方は外国籍スタッフの社宅規程の作り方|家賃負担・退去・備品のルールで解説しています。

事業所の移転で、住まいの見直しが必要になるとき

工場や事業所が移転すると、スタッフの通勤の距離や手段が変わります。今の社宅から新しい職場まで無理なく通えない場合は、住まいの見直しが必要です。

  • 新しい職場までの通勤手段と時間を、スタッフごとに確認する
  • 通えない場合は、送迎を用意するか、新しい職場の近くへ住み替えるかを決める
  • 住み替える場合は、移転の日に合わせて入居できるよう、早めに物件を探す
  • 引っ越したスタッフは、14日以内に新しい住所の届出をする

住み続けるか住み替えるかの判断の考え方は派遣先が変わるときの住まい|通勤圏の変化と住み替えの判断で解説しています。働く場所が変わるときの判断は、派遣先の変更の場合と共通する点が多くあります。

スタッフへの説明

会社の名称が変わったり、合併したりすると、スタッフは「自分の雇用はどうなるのか」「在留資格に影響はないか」と不安に感じることがあります。本人が理解できる言語で、次のことを説明しましょう。

  • 何が変わり、何が変わらないのか(給料、仕事、住まいなど)
  • 本人が出す届出と、その期限
  • 社宅の名義が変わっても、住み続けられること(住み替えが必要な場合はその予定)
  • 給与明細や会社の書類の名称が変わること

説明した日と内容、届出の状況は記録に残しておきます。記録の残し方は相談・苦情対応の記録の残し方|支援実施状況の確認に備えるで解説しています。

会社の名称・所在地が変わるときのチェックリスト

  • ☐ 対象となる外国籍スタッフの一覧をつくった
  • ☐ 本人が14日以内に所属機関に関する届出をするよう伝え、手伝った
  • ☐ 支援計画や雇用契約の変更の届出が必要かを確認した
  • ☐ 協議会への届出が必要かを確認した
  • ☐ 社宅ごとに、管理会社・保証会社・火災保険・ライフラインへ変更を届け出た
  • ☐ 社宅規程の会社の名称や連絡先を改めた
  • ☐ 移転の場合、スタッフの通勤と住まいを見直した
  • ☐ スタッフに、変わることと変わらないことを説明した

まとめ

  • 勤め先の会社の名称や所在地が変わったら、外国籍スタッフ本人が14日以内に出入国在留管理庁へ届け出る
  • 電子届出システムを使えるが、本人だけでは難しいこともあるため、支援担当者が手伝う
  • 特定技能の場合は、支援計画や雇用契約の変更の届出が必要かも確認する
  • 会社名義の社宅は、管理会社・保証会社・火災保険・ライフラインの名義や登録を改める
  • 事業所の移転で通勤が難しくなる場合は、送迎や住み替えを早めに検討する

届出の要否や手続きの内容は、変更の内容や在留資格によって異なります。最新の情報は、出入国在留管理庁のウェブサイトや地方出入国在留管理官署でご確認ください。

このガイドの運営者

不動産のイブキ(伊吹株式会社)。外国籍スタッフの住まいの手配を全国で行っています。制度は改正されることがあるため、手続きの最終確認は出入国在留管理庁などの公式情報もあわせてご確認ください。