寮・社宅にテレビを置くかどうかを決めるとき、見落としやすいのがNHKの受信料です。テレビ放送を受信できる機器を部屋に置くと、NHKと受信契約を結ぶことが法律で定められています。
外国籍スタッフは、この仕組みを知らないことが多く、訪問を受けて内容が分からないまま契約したり、逆に何もしないまま退去・帰国したりすることがあります。この記事では、寮・社宅のNHK受信料の考え方と、会社が決めておきたいことを解説します。
結論:テレビを用意するかどうかと、契約の名義を先に決め、入居者に説明しておく
会社が備品としてテレビを用意するなら、契約の名義と受信料の負担を会社で決めておく必要があります。入居者が自分でテレビを買う場合は、本人が契約することになることを、入居のときに伝えておきましょう。
テレビ放送を見る必要がなければ、放送を受信するチューナーのない機器を選ぶのも一つの方法です。
テレビを置く形と、契約の考え方
| 形 | 契約の考え方 | 会社が決めること |
|---|---|---|
| 会社が備品としてテレビを用意する | テレビを設置した会社が、部屋ごとに契約するのが一般的 | 受信料を会社が負担するか、寮費に含めるか |
| 入居者が自分でテレビを買う | テレビを設置した入居者本人が契約する | 入居のときに、契約が必要になることを伝える |
| テレビを置かない | 放送を受信できる機器がなければ、契約は不要とされる | 寮のルールでテレビの持ち込みをどう扱うか |
| チューナーのないモニターなどを置く | 放送を受信できないため、契約は不要とされる | インターネットの動画を見られる環境を用意するか |
受信料の金額や契約の細かな扱い、携帯電話やカーナビなどテレビ以外の機器の扱いは、NHKの案内で最新の内容を確認してください。
テレビより、インターネットを求める入居者が多い
外国籍スタッフの多くは、テレビよりもスマートフォンで母国の動画やニュースを見ています。寮にテレビを用意するより、インターネットの回線を整えたほうが喜ばれることも少なくありません。何をそろえるかは家具・家電はどこまで用意する?最低限そろえたい生活用品リスト、家電を買うか借りるかは寮・社宅の家具・家電は買うか借りるか|新品・中古・レンタルの比べ方と、故障や処分のときの考え方をご覧ください。
会社がテレビを用意するときに決めておくこと
- 契約の名義。会社が設置したテレビは、会社の名義で契約するのが一般的です。誰が契約の手続きをするかを決めます。
- 受信料の負担。会社が負担するか、寮費に含めて入居者から受け取るかを決めます。寮費に含める場合は、入居者に説明して合意を得ます。
- 備品台帳への記録。どの部屋にテレビがあるかを台帳に記録し、契約と照らし合わせられるようにします。
- 部屋からテレビを引き上げたとき。テレビを撤去したら、契約の変更や解約の手続きが必要になることがあります。
備品の記録のしかたは寮・社宅の備品台帳のつくり方|家具・家電の記録、故障と買い替えの管理、入居者が替わるときの確認で解説しています。
訪問を受けたときに困らないために
- 仕組みを入居のときに説明する。テレビを置くと受信契約が必要になること、会社の備品のテレビは会社が対応していることを、本人の言語で伝えます。
- 分からないときは担当者に連絡する。訪問を受けて内容が分からない場合は、その場で書類に署名せず、担当者に連絡するよう伝えます。
- 身分を確認する。NHKを名乗る人が来た場合も、身分証を確認するよう伝えます。受信料をかたった詐欺もあるため、その場で現金を払わないようにします。
契約の書類に、内容が分からないまま署名させない
言葉が分からないまま書類に署名すると、本人が何を契約したのか分からず、あとで支払いの請求が届いて困ることがあります。会社の備品のテレビについて、入居者が個人で契約してしまうと、契約が重なることもあります。訪問や勧誘への対応は住まいの防犯と詐欺への注意|鍵・訪問販売・電話、住まいのルールの資料への入れ方は外国籍スタッフ向け住まいのルール資料の作り方|多言語化のコツをご覧ください。
退去や帰国のときの手続き
| 場面 | 手続き |
|---|---|
| 入居者が自分のテレビを持って帰国する・処分する | 本人がNHKに解約の手続きをする。テレビを処分・譲渡したことが分かる書類を求められることがある |
| 入居者が自分のテレビを置いて退去する | テレビの扱い(引き取るか処分するか)と、契約の解約を本人に確認する |
| 会社のテレビの部屋が空室になる | テレビを撤去するか、次の入居者まで置いておくかを決め、契約の扱いを確認する |
帰国の段取りは退職・帰国が決まったら|届出と住まいの退去の段取り、解約のときにまとめて止めたい契約は社宅の解約手続きの進め方|解約の申し出の期限、日割り、ライフラインの停止、敷金の精算まで、入居のときに始める契約は電気・ガス・水道の開始手続き|入居前に済ませておくことで解説しています。
解約しないまま帰国すると、請求が続くことがある
入居者が自分で契約したまま、解約の手続きをせずに帰国すると、受信料の請求が続くことがあります。帰国の準備のチェックリストに、NHKの解約を入れておきましょう。
寮・社宅のNHK受信料のチェックリスト
- ☐ 寮・社宅にテレビを用意するかどうかを決めた
- ☐ 会社がテレビを用意する場合、契約の名義と受信料の負担を決めた
- ☐ どの部屋にテレビがあるかを備品台帳に記録した
- ☐ 入居者が自分でテレビを買う場合、契約が必要になることを伝えた
- ☐ 訪問を受けたときは、その場で署名せず担当者に連絡するよう伝えた
- ☐ 帰国の準備のチェックリストに、NHKの解約を入れた
まとめ
- テレビ放送を受信できる機器を置くと、NHKとの受信契約が必要になる
- 会社が用意したテレビは会社の名義で、入居者が買ったテレビは本人の名義で契約するのが一般的
- テレビ放送が必要なければ、チューナーのない機器を選ぶ方法もある
- 訪問を受けたときは、内容が分からないまま署名せず、担当者に連絡するよう伝える
- 退去や帰国のときは、解約の手続きを忘れないようにする
受信料の金額や契約の扱いは、見直されることがあります。最新の内容は、NHKの案内でご確認ください。