大学などを卒業した留学生の中には、卒業までに就職先が決まらず、日本に残って就職活動を続ける人がいます。この場合、「留学」の在留資格のままでは日本にいられないため、就職活動のための「特定活動」に在留資格を変えることになります。卒業と同時に学生寮を出なければならないことも多く、収入が限られる中で住まいを探すことになります。
この記事では、卒業後に就職活動を続ける留学生の在留と住まいの注意点、そうした人に内定を出す企業や登録支援機関が、住まいの面でできることを解説します。新卒で4月に入社する留学生の住まいは留学生を新卒で採用するときの住まい|在留資格の変更と4月入社までの準備で解説しています。
結論:就職活動の期間は住まいが不安定になりやすい。内定を出したら、住まいの準備を早めに始める
就職活動のための特定活動の期間は、アルバイトの収入が限られ、在留の期間も短いため、部屋を借りる審査が通りにくいことがあります。卒業と同時に学生寮を出て、友人の部屋に一時的に住んでいる人もいます。
こうした人に内定を出したら、在留資格の変更の手続きと並行して、入社の時期に合わせた住まいの準備を早めに始めることが、入社までの不安を減らし、内定の辞退を防ぐことにもつながります。
就職活動のための特定活動の概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象 | 日本の大学などを卒業し、在学中から就職活動を続けている人。専門学校の卒業生も、一定の条件を満たせば対象になる |
| 在留期間 | 6か月。1回更新でき、卒業から最長1年程度まで |
| 主な要件 | 卒業した学校の推薦状、就職活動を続けていることを示す資料、生活費を支払えることを示す資料など |
| アルバイト | 資格外活動の許可を受ければ、週28時間以内で働ける |
| 就職が決まったら | 就職先の仕事に合った在留資格(技術・人文知識・国際業務、特定技能など)への変更を申請する |
要件の細かい内容は、学校や在留の状況によって違います。本人には、卒業した学校の窓口と出入国在留管理庁の案内を確認するよう伝えましょう。アルバイトの時間の数え方は留学生・家族滞在のアルバイトを派遣で受け入れるとき|週28時間の数え方で解説しています。
内定から入社までの期間
就職先が決まってから実際に入社するまでに期間が空く場合も、一定の条件のもとで、その間の在留が認められる仕組みがあります。入社の時期と在留の期限の関係は、本人と一緒に早めに確認しておきましょう。
学生寮を出たあとの部屋探しで困りやすいこと
| 困りやすいこと | 理由 |
|---|---|
| 入居審査が通りにくい | 決まった仕事がなく、アルバイトの収入も限られている。在留の期間も短い |
| 保証会社の審査 | 勤務先がないため、審査で不利になりやすい |
| 初期費用の負担 | 敷金や礼金、家具・家電の費用を用意するのが難しい |
| 住まいが定まらない | 友人の部屋に一時的に住むなど、住所が不安定になりやすい |
入居審査で必要な書類は外国籍の方の入居審査で必要な書類と、審査に通りやすくする準備、保証会社の審査に落ちたときの対処は保証会社の審査に落ちたときの対処法|外国籍スタッフの部屋探しで解説しています。
住所の届出と保険料の支払いを忘れない
友人の部屋に一時的に住むなど、住まいが定まらない期間は、住所の届出や国民健康保険料の支払いがおろそかになりがちです。住所の届出が遅れたり、保険料の未納があったりすると、就職が決まったあとの在留資格の変更の手続きに影響するおそれがあります。国民健康保険料の未納と在留の手続きの関係は国民健康保険料の未納が在留の更新に影響する|2027年6月からの情報連携と、未納が起きやすい場面をご覧ください。
内定を出した企業や登録支援機関ができること
- 住まいの状況を聞く。今どこに住んでいるか、いつまで住めるかを確認します。
- 入社の時期に合わせて社宅を用意する。会社が借りる社宅であれば、本人の収入や在留の期間による審査の心配が小さくなります。
- 短い期間の住まいでつなぐ。入社までの期間が短い場合や、在留資格の変更の結果を待つ間は、家具付きの物件などでつなぐ方法もあります。家具付き物件やマンスリーを社宅に使う|普通の賃貸との費用の比べ方と注意点も参照。
- 在留資格の変更の流れを伝える。就職先の仕事に合った在留資格への変更が必要なことと、許可が出るまでは働けないことを伝えます。
特定技能で採用する場合の流れは留学生を特定技能で採用するとき|在留資格変更と引っ越しのタイミング、技術・人文知識・国際業務の社員の住まいは技術・人文知識・国際業務の外国籍社員の住まい|転勤と社宅の考え方で解説しています。
住まいの安心が、内定の辞退を防ぐ
就職活動を続けてきた人にとって、内定と同時に住まいの見通しが立つことは大きな安心になります。入社までの住まいの心配を減らすことが、内定の辞退や入社前のトラブルを防ぐことにもつながります。
卒業後に就職活動を続ける留学生を採用するときのチェックリスト
- ☐ 本人の今の在留資格と在留期限を確認した
- ☐ 今の住まいと、いつまで住めるかを確認した
- ☐ 住所の届出と国民健康保険料の支払いができているかを確認した
- ☐ 就職先の仕事に合った在留資格への変更の流れを伝えた
- ☐ 入社の時期に合わせて社宅の準備を始めた
- ☐ 在留資格の変更の結果を待つ間の住まいを決めた
まとめ
- 卒業後も就職活動を続ける留学生は、就職活動のための特定活動に在留資格を変える。期間は6か月で、1回更新できる
- この期間は収入や在留の期間が限られ、部屋を借りる審査が通りにくい
- 住所の届出や保険料の支払いがおろそかになると、その後の在留の手続きに影響するおそれがある
- 内定を出したら、在留資格の変更と並行して、入社の時期に合わせた住まいの準備を始める
- 住まいの見通しが立つことが、内定の辞退を防ぐことにもつながる
就職活動のための特定活動の要件や期間は、学校や個々の状況によって異なります。最新の情報は、出入国在留管理庁や卒業した学校の案内でご確認ください。