外国籍スタッフから「結婚しました」「結婚する予定です」と報告を受けることがあります。おめでたいことですが、結婚によって在留資格の手続きが必要になったり、住まいを見直す必要が出てきたりすることがあります。特に寮やルームシェアの社宅に住んでいる場合は、配偶者と一緒に住めるかどうかが大きな問題になります。
この記事では、外国籍スタッフが結婚したときに確認しておきたい在留資格の考え方と届出、社宅で配偶者と同居できるかの判断、家族で住む住まいへの住み替えを解説します。
結論:「相手の国籍と在留資格」を確認し、社宅のルールで同居の可否を決める
結婚によって在留資格がどうなるかは、本人の在留資格と、結婚の相手の国籍や在留資格によって大きく変わります。在留資格の判断は複雑なため、本人の状況を聞いたうえで、必要に応じて行政書士などの専門家に相談するよう案内しましょう。
住まいについては、今の社宅で配偶者と同居できるのかを、社宅のルールと賃貸の契約で確認します。同居できない場合は、家族で住める住まいへの住み替えを考えます。
結婚の相手によって変わる在留資格の考え方
| 相手 | 考えられること |
|---|---|
| 日本人 | 本人が「日本人の配偶者等」の在留資格への変更を考えることがある |
| 永住者 | 本人が「永住者の配偶者等」の在留資格への変更を考えることがある |
| 母国などにいる外国人 | 本人の在留資格によって、配偶者を日本に呼べるかどうかが変わる。たとえば特定技能1号では原則として家族の帯同はできないが、特定技能2号や技術・人文知識・国際業務では、要件を満たせば配偶者を呼べる |
| 日本で別の在留資格で暮らす外国人 | それぞれが自分の在留資格で日本に住み続けることもある |
在留資格を変えると、働ける仕事の範囲が変わることもあります。受入れ企業での雇用の続け方にも関わるため、変更を考えている場合は、早めに受入れ企業と支援担当者に相談してもらいましょう。家族を呼び寄せるときの住まいは特定技能2号で家族を呼び寄せるとき|住まいの広さと準備、技術・人文知識・国際業務の社員の住まいは技術・人文知識・国際業務の外国籍社員の住まい|転勤と社宅の考え方で解説しています。
離婚などのときの届出
「日本人の配偶者等」や「家族滞在」など、配偶者であることをもとにした在留資格で暮らしている人は、離婚したときや、配偶者が亡くなったときに、出入国在留管理庁への届出が必要です。届出は14日以内に行います。電子届出システムでも届け出られます。入管への届出をオンラインで出す|電子届出システムの使い方と注意点も参照してください。
社宅で配偶者と同居できるか
| 確認すること | 内容 |
|---|---|
| 社宅のルール | 社宅の規程で、家族の同居を認めているか。単身者向けの寮として運用していないか |
| 賃貸の契約 | 契約で入居できる人数や、入居者の届出のルールがどうなっているか |
| 部屋の広さ | 2人で暮らせる広さか。ルームシェアの場合はほかの入居者との関係 |
| 費用の負担 | 同居する場合、家賃や光熱費の負担を変えるか |
ルームシェアの寮に配偶者が住むことは、ほかの入居者の生活にも影響するため、認めないのが一般的です。社宅の規程に、家族の同居についての決まりを書いておくと、判断に迷いません。規程の作り方は外国籍スタッフの社宅規程の作り方|家賃負担・退去・備品のルール、条文の例は外国籍スタッフ向け寮規程の条文例|派遣会社・受入れ企業がそのまま使えるひな形をご覧ください。
無断の同居は契約違反になることがある
配偶者や恋人を、会社や管理会社に知らせないまま社宅に住まわせると、賃貸の契約や社宅の規程に違反することがあります。結婚や同居の予定ができたら、まず相談するよう、入居のときに伝えておきましょう。
家族で住む住まいへの住み替え
- 今の社宅で同居できない場合は、家族で住める住まいへの住み替えを考える
- 会社が住まいを用意するか、本人が自分で契約するかを決める
- 配偶者が来日する場合は、来日の時期に合わせて入居日を決める
- 将来子どもが生まれることも考えて、広さや学校・保育園の場所も見ておく
- 引っ越したら、14日以内に住所の届出をする
家族で暮らす住まい選びは家族と暮らす外国籍スタッフの住まい選び|学区・保育園・広さの考え方、住所が変わったときの届出は住所が変わったときの届出まとめ|在留カード・住民票・勤務先で解説しています。ルームシェアから移る場合の考え方は社宅は1Kとルームシェア、どちらで用意する?費用と定着で比べる選び方も参考になります。
結婚の報告を受けたときのチェックリスト
- ☐ 本人の在留資格と、結婚の相手の国籍・在留資格を確認した
- ☐ 在留資格の変更や家族の呼び寄せを考えている場合、専門家への相談を案内した
- ☐ 在留資格の変更が雇用に与える影響を、受入れ企業と確認した
- ☐ 社宅の規程と賃貸の契約で、配偶者との同居の可否を確認した
- ☐ 同居できない場合、家族で住める住まいへの住み替えを検討した
- ☐ 引っ越しのあとの住所の届出を伝えた
まとめ
- 結婚で在留資格がどうなるかは、本人の在留資格と相手の国籍・在留資格によって変わる。必要に応じて専門家に相談する
- 配偶者であることをもとにした在留資格の人は、離婚などのときに14日以内の届出が必要
- 社宅で配偶者と同居できるかは、社宅のルールと賃貸の契約で確認する。ルームシェアの寮では認めないのが一般的
- 無断の同居は契約違反になることがある。予定ができたら相談するよう伝えておく
- 同居できない場合は、家族で住める住まいへの住み替えを考える
在留資格の手続きは、個々の状況によって大きく異なります。具体的な判断は、出入国在留管理庁や行政書士などの専門家にご確認ください。