段階4 入国・生活の立ち上げ

住まいの防犯と詐欺への注意|鍵・訪問販売・電話

日本の暮らしや言葉に慣れていない外国籍スタッフは、訪問販売の強引な勧誘や、公的機関を名乗る電話、SNSでの怪しい誘いの被害にあいやすい傾向があります。本人は「断ったら失礼になる」「役所の人に逆らえない」と考えて、言われるままにお金を払ってしまうこともあります。

この記事では、住まいの防犯の基本と、外国籍スタッフが巻き込まれやすい手口、被害を防ぐために支援担当者が伝えておきたいことを解説します。

結論:「お金や個人情報を求められたら、まず担当者に相談」をルールにする

手口は次々に変わるため、すべてを覚えてもらうのは難しいものです。それよりも、知らない人からお金や在留カード、口座の情報を求められたら、その場で決めずに支援担当者に相談するという一つのルールを伝えておくのが効果的です。

あわせて、玄関の鍵や窓を閉めるといった住まいの防犯の基本と、困ったときの相談窓口を、入居のときに伝えておきましょう。

住まいの防犯の基本

  • 外出時と寝るときは必ず鍵をかける。1階やベランダから入れる窓も忘れずに閉めます。
  • 鍵を他人に貸さない、勝手に合鍵を作らない。賃貸の契約で禁止されていることが多く、鍵をなくしたときは交換の費用がかかります。
  • 知らない人をすぐに部屋に入れない。インターホンで用件を確認し、分からなければドアを開けずに断ります。
  • 自転車には鍵を二つかける。自転車を買ったら防犯登録をします。
  • 郵便受けに鍵をかける。在留カードや銀行のカードなど、大事な郵便物が抜き取られないようにします。

住まいのルールとあわせて入居時に伝えると効率的です。説明のポイントは生活オリエンテーションで伝えたい住まいのルール|ゴミ出し・騒音・家賃の支払いでまとめています。

外国籍スタッフが巻き込まれやすい手口

手口 よくある例 伝えたいこと
公的機関を名乗る電話 入管や警察、大使館を名乗り、「在留資格に問題がある」「手数料を払えば解決する」とお金を求める 公的機関が電話でお金を振り込ませることはない。すぐに切って担当者に相談する
SNSの高収入アルバイト 「短時間で高収入」「荷物を受け取るだけ」と誘い、犯罪の手伝いをさせる 応じると本人が犯罪者として逮捕され、在留資格を失うことがある
口座や携帯電話の買い取り 「帰国するなら口座を買う」「携帯電話を契約して渡せばお金を払う」と持ちかける 口座や携帯電話を売ったり渡したりすることは法律で禁止されている
訪問販売・点検商法 「設備の点検に来た」と部屋に入り、高額な商品や工事を契約させる 管理会社から事前の連絡がない点検は疑う。その場で契約しない
強引な勧誘 新聞や宗教、ネット回線などをしつこく勧め、断れずに契約させる はっきり「いりません」と断ってよい

口座や携帯電話の譲渡は本人の将来を壊す

自分名義の銀行口座や携帯電話を他人に売ったり渡したりすると、詐欺などの犯罪に使われ、本人も処罰の対象になります。在留資格を失って日本で働けなくなることもあります。帰国の前は特に誘いが増えるため、口座を作ったときと帰国が決まったときの両方で伝えておきましょう。口座の扱いは銀行口座が作れないときの対処法|断られやすい理由と準備でも解説しています。

契約してしまったときは

訪問販売などで契約してしまった場合でも、一定の期間内であれば、理由を問わずに契約を取り消せる「クーリング・オフ」の制度があります。訪問販売の場合は、契約の書面を受け取った日から8日以内が基本です。期間を過ぎないよう、契約してしまったらすぐに担当者に相談するよう伝えておきましょう。

困ったときの相談先

相談先 電話番号 相談できること
警察(緊急) 110 事件や事故が起きたとき、今まさに危険があるとき
警察相談専用電話 #9110 緊急ではないが、警察に相談したいこと
消費者ホットライン 188 訪問販売や契約のトラブル。近くの消費生活センターにつながる
支援担当者・受入れ企業 (各社の連絡先) どこに相談すればよいか分からないこと全般

本人が日本語で説明するのが難しい場合は、支援担当者が一緒に連絡しましょう。相談を受けた内容と対応は、記録として残しておきます。記録の残し方は相談・苦情対応の記録の残し方|支援実施状況の確認に備えるで解説しています。

在留カードや個人情報の扱い

在留カードは常に持ち歩く必要がありますが、他人に預けたり、写真を送ったりすることは避けるよう伝えます。警察官などから提示を求められたときは見せる義務がありますが、電話やSNSで在留カードの写真や番号を求められても応じないようにしましょう。在留カードの見方は在留カードの見方|就労制限・在留期限・住所欄で確認することで解説しています。

伝えておきたいことのチェックリスト

  • ☐ 外出時と寝るときに鍵をかけることを伝えた
  • ☐ 鍵を他人に貸さない、合鍵を勝手に作らないことを伝えた
  • ☐ 知らない人をすぐに部屋に入れないことを伝えた
  • ☐ 公的機関が電話でお金を求めることはないと伝えた
  • ☐ SNSの高収入アルバイトの危険を伝えた
  • ☐ 口座や携帯電話を売ったり渡したりしてはいけないと伝えた
  • ☐ クーリング・オフの制度と、相談先の電話番号を伝えた
  • ☐ 「お金や個人情報を求められたら、まず担当者に相談」を伝えた

まとめ

  • 「お金や個人情報を求められたら、その場で決めずに担当者に相談」を一つのルールとして伝える
  • 鍵をかける、鍵を貸さない、知らない人を部屋に入れないなど、住まいの防犯の基本を入居時に伝える
  • 公的機関を名乗る電話、SNSの高収入アルバイト、口座や携帯電話の買い取りに注意する
  • 訪問販売で契約しても、クーリング・オフで取り消せる場合がある。すぐに相談するよう伝える
  • 110、#9110、188などの相談先を伝え、必要なら担当者が一緒に連絡する

詐欺の手口は次々に変わります。最新の手口や注意点は、警察や消費者庁、自治体のウェブサイトで確認し、必要に応じて本人に伝えてください。

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このガイドの運営者

不動産のイブキ(伊吹株式会社)。外国籍スタッフの住まいの手配を全国で行っています。制度は改正されることがあるため、手続きの最終確認は出入国在留管理庁などの公式情報もあわせてご確認ください。