段階5 就労開始後の支援

災害で寮・社宅が使えなくなったとき|避難から仮の住まい・契約の整理まで

地震や台風、大雨などの災害で、外国籍スタッフが住む寮や社宅が被害を受け、住めなくなることがあります。日本語の情報が分かりにくいスタッフは、どこに避難すればよいか、これからどこに住めばよいか分からず、大きな不安を抱えます。会社としても、仕事の再開とあわせて、住まいをどう確保するかを考えなければなりません。

この記事では、災害で寮や社宅が使えなくなったときの対応を、安否の確認と避難のあとの流れに沿って解説します。災害への日ごろの備えは災害への備え|住まいの防災と安否確認の準備でまとめています。

結論:安全の確保の次は「当面の寝る場所」、その次に「契約と書類の整理」

災害のあとは、まずスタッフの安否の確認と安全な場所への避難が最優先です。そのうえで、今夜から寝る場所を確保し、落ち着いてから被害を証明する書類の手続きや賃貸の契約の整理を進めます。

一度にすべてを決めようとせず、段階ごとにやることを分けて、本人に分かる言葉で伝えながら進めましょう。

災害のあとの流れ

段階 やること
直後 安否の確認。けが人がいれば救護。避難所や安全な場所への避難を案内する
数日のうち 寮の被害を確認する(安全が確認できてから)。当面の寝る場所を確保する
1〜2週間 仮の住まいを決める。被害を証明する書類の手続き。管理会社・貸主と契約について話し合う
その後 寮の修理を待つか、新しい住まいに移るかを決める。保険の請求

被害を受けた建物に、安全の確認なしで戻らない

地震のあとの建物は、見た目に問題がなくても、余震で壊れるおそれがあります。浸水した部屋は、電気の設備から火災や感電が起きることもあります。荷物を取りに戻りたいという気持ちは分かりますが、自治体や管理会社による安全の確認が済むまでは戻らないよう伝えましょう。電気の設備からの火災の注意は外国籍スタッフの住まいの火災予防|たこ足配線・調理・たばこの注意点も参照してください。

当面の寝る場所と仮の住まい

選択肢 向いている場面 注意点
避難所 災害の直後 日本語の案内が分かりにくい。食事や生活のルールを支援担当者が補って伝える
会社のほかの寮の空き部屋 被害のない寮に空きがある 定員や広さの基準を守る
ホテル・短期の住まい 修理まで数週間〜数か月かかる 費用の負担を決める。地域全体が被災すると空きが少ない
新しい賃貸物件 寮の修理に長くかかる、または使えない 被災地域では物件が不足しがち。少し離れた地域も含めて探す

一時的な住まいの選び方は入国日に住まいが間に合わないとき|一時的な宿泊先の選び方と注意点、家具付きの物件の使い方は家具付き物件やマンスリーを社宅に使う|普通の賃貸との費用の比べ方と注意点、複数の住まいをまとめて確保する方法は受入れ人数が急に増えるとき|短い期間で複数の住まいを確保する方法が参考になります。

被害を証明する書類と保険

  • 被害の写真を撮る。安全が確認できたら、建物や部屋、家財の被害を写真で記録します。
  • 罹災証明書などの手続き。住まいの被害の程度を証明する書類を、市区町村が発行しています。支援を受けるときなどに必要になることがあります。手続きの方法は市区町村で確認します。
  • 火災保険などの請求。建物や家財の保険の契約の内容を確認し、保険会社に連絡します。
  • 在留カードなどをなくした場合。災害で在留カードやパスポートをなくした場合も、再交付の手続きが必要です。在留カードをなくしたとき|再交付の手続きと住まいへの影響も参照。

賃貸の契約の扱い

被害の状況 考え方
部屋の一部が使えない 使えない部分の割合に応じて、家賃が減額されることがある。管理会社・貸主と話し合う
修理すれば住める 修理の時期と、その間の家賃の扱いを確認する
建物が使えなくなった 建物がなくなった場合などは、賃貸の契約は終わる。敷金の精算などを確認する

どの扱いになるかは、被害の状況や契約の内容によって違います。自己判断で家賃の支払いを止めたりせず、管理会社や貸主と話し合いましょう。必要に応じて専門家にも相談します。

本人への情報の伝え方

  • 避難所の場所、食事や水の配布、仮の住まいの予定を、本人の言語で伝える
  • 仕事の再開の見通しと、給料の扱いを伝える
  • 母国の家族への連絡を手伝い、無事を伝えられるようにする
  • 自治体の外国語の災害情報や、外国人向けの相談窓口を案内する

連絡の窓口を一つにまとめる

災害のときは情報が混乱しがちです。スタッフからの連絡を受ける窓口と、会社や管理会社、登録支援機関の間で情報を共有する担当者を、あらかじめ決めておきましょう。住まいの担当と役割分担を決める|受入れ企業・支援機関・不動産会社の情報共有も参照してください。災害のあとは不安から孤立しやすくなるため、地域の相談窓口にもつなぎましょう。外国籍スタッフの孤立を防ぐ|地域の交流の場や相談窓口につなぐもご覧ください。

災害で寮が使えなくなったときのチェックリスト

  • ☐ スタッフ全員の安否を確認し、安全な場所に避難させた
  • ☐ 安全の確認が済むまで、被害を受けた建物に戻らないよう伝えた
  • ☐ 当面の寝る場所と、仮の住まいの予定を決めた
  • ☐ 被害の写真を撮り、被害を証明する書類の手続きを確認した
  • ☐ 保険会社に連絡した
  • ☐ 管理会社・貸主と、家賃や契約の扱いを話し合った
  • ☐ 本人の言語で、避難・住まい・仕事の見通しを伝えた
  • ☐ 母国の家族への連絡を手伝った

まとめ

  • 災害のあとは、安否の確認と避難が最優先。安全の確認が済むまで建物に戻らない
  • 当面の寝る場所、仮の住まい、新しい住まいと、段階ごとに確保する
  • 被害の写真を撮り、被害を証明する書類や保険の手続きを進める
  • 賃貸の契約の扱いは、被害の状況と契約の内容によって違う。管理会社・貸主と話し合う
  • 本人の言語で情報を伝え、家族への連絡や相談窓口へのつなぎも手伝う

災害のときの手続きや支援の制度は、災害の規模や自治体によって異なります。最新の情報は、自治体や関係機関の案内でご確認ください。

次の段階 6. 届出・更新

このガイドの運営者

不動産のイブキ(伊吹株式会社)。外国籍スタッフの住まいの手配を全国で行っています。制度は改正されることがあるため、手続きの最終確認は出入国在留管理庁などの公式情報もあわせてご確認ください。