段階5 就労開始後の支援

寮で感染症が出たとき|発熱した人の休ませ方、ルームシェアでの部屋の分け方、結核への対応

大勢のスタッフが台所や浴室を共用して暮らす寮では、インフルエンザや胃腸炎などの感染症が、一人から寮全体に広がりやすくなります。同じ職場の人が同時に何人も休むことになれば、仕事にも大きな影響が出ます。

また、来日して間もない外国籍スタッフは、体調が悪くても病院の探し方が分からなかったり、仕事を休むことに遠慮したりして、無理をしてしまうことがあります。この記事では、寮で感染症が出たときの対応と、日ごろからの備えを解説します。

結論:「早めの受診」「部屋と共用部の分け方」「食事と連絡の手配」を決めておく

寮で感染症を広げないためには、体調が悪いときに早めに受診できるよう手伝うこと、発熱した人がほかの入居者とできるだけ接しないようにすることが大切です。

ルームシェアの寮では部屋を分けるのが難しいこともあるため、使える空き部屋や一時的な宿泊先、食事の届け方、連絡の取り方を、前もって決めておくと慌てずに対応できます。

発熱した人が出たときの流れ

  1. 本人から担当者に連絡してもらう。体調が悪いときは無理に出勤せず、担当者に連絡するよう日ごろから伝えておきます。
  2. 受診を手伝う。近くの医療機関を探し、電話で受診の方法を確認します。言葉に不安がある場合は、通訳のサービスや翻訳アプリを使います。
  3. 休ませる。医師の指示に従って仕事を休ませます。休みの扱いや給料については、会社の決まりを本人に説明します。
  4. ほかの入居者と分ける。できるだけ一人の部屋で過ごしてもらい、共用部の使い方を決めます。
  5. 食事と日用品を届ける。外に出られない間の食事や薬、飲み物を届ける方法を決めます。
  6. 同じ寮の人の様子を確認する。ほかの入居者に体調の変化がないか確認し、必要なら受診をすすめます。

病院のかかり方と健康保険の使い方は病院のかかり方と健康保険|入国直後に伝えること、長く休むことになったときの収入と住まいの対応は病気やけがで働けなくなったとき|外国籍スタッフの収入の支えと住まいの対応で解説しています。

「休んだら給料が減る」という心配に答えておく

外国籍スタッフは、仕事を休むと給料が減る、評価が下がると心配して、熱があっても出勤しようとすることがあります。体調が悪いときは休んでよいこと、休んだときの給料や有給休暇の扱い、長く休むときに使える健康保険の制度を、入社のときに本人の言語で伝えておきましょう。

ルームシェアの寮での部屋の分け方

方法 内容 注意したい点
寮の空き部屋を使う 空いている部屋に、一時的に移ってもらう 寝具や日用品を用意しておく。治ったあとの清掃を決める
同室の人に移ってもらう 発熱した人ではなく、元気な同室の人が別の部屋に移る 移る先の部屋の定員と広さを確認する
一時的な宿泊先を使う 近くのホテルなどに一時的に移る 費用の負担と、食事や連絡の方法を決める
部屋を分けられない場合 寝る場所を離し、仕切りを使い、こまめに換気する マスクの着用や、食事の時間をずらすなどの工夫をする

寮の部屋割りの考え方は国籍の違うスタッフが同じ寮に住むとき|部屋割りの考え方とトラブルを防ぐ工夫、一時的な宿泊先の選び方は入国日に住まいが間に合わないとき|一時的な宿泊先の選び方と注意点も参考になります。

共用部の使い方を、その間だけ決め直す

台所、浴室、トイレ、洗面所を共用している寮では、発熱した人が使う時間を最後にする、使ったあとにドアノブや蛇口を拭く、タオルを共用しない、といったルールを、その間だけ決め直しましょう。換気のために窓を開けることも大切です。日ごろの共用部のルールは寮の共用部分のルールづくり|キッチン・浴室・洗濯機の使い方と当番の決め方、寮の衛生管理は寮・社宅の衛生と害虫対策|ゴキブリ・ダニ・トコジラミを防ぐ住まいの管理をご覧ください。

結核と診断されたとき

結核は、日本でも毎年新しく患者が出ている感染症で、出身国によっては日本より患者が多い国もあります。一部の国の人を対象に、入国前に結核の検査を求める仕組みも導入されています。

  • 保健所の指示に従う。結核と診断されると、医療機関から保健所に届出が行われ、保健所が本人や周りの人への対応を案内します。
  • 接触者の健診に協力する。同じ寮で暮らす人や職場の人が、健診を受けるよう求められることがあります。日程の調整や通訳の手配を手伝いましょう。
  • 治療を続けられるよう支える。結核の治療は数か月続きます。薬を飲み続けられるよう、本人の言語で説明し、通院を手伝います。
  • 差別やうわさを防ぐ。本人の病気について、必要な人以外に広めないよう注意します。

職場の衛生とつながる仕事では、寮の衛生も職場の一部

食品工場や介護の仕事など、体調不良のときに仕事に就けない職場では、寮の中で感染症が広がると職場全体の人手に影響します。寮の換気や手洗いの習慣、体調不良の連絡のルールを、職場の衛生管理と合わせて考えましょう。食品工場で働く外国籍スタッフの住まい|深夜・早朝のシフトと、寮の衛生管理が仕事に直結する理由、介護の外国籍スタッフの住まい|夜勤・早番に通える距離と、昼に眠れる部屋の選び方もご覧ください。

寮の感染症への備えのチェックリスト

  • ☐ 体調が悪いときは出勤せず担当者に連絡するよう、本人の言語で伝えた
  • ☐ 休んだときの給料や有給休暇の扱いを説明した
  • ☐ 近くの医療機関と、通訳の手段を調べておいた
  • ☐ 発熱した人が一人で過ごせる部屋や、一時的な宿泊先を決めておいた
  • ☐ 共用部の使い方と換気のルールを、その間だけ決め直す準備がある
  • ☐ 外に出られない間の食事や薬を届ける方法を決めた
  • ☐ 結核と診断されたときは、保健所の指示に従い、接触者の健診に協力する
  • ☐ 本人の病気について、必要な人以外に広めないようにしている

まとめ

  • 大勢で暮らす寮では、感染症が一人から広がりやすい
  • 体調が悪いときに休んで受診できるよう、休みの扱いを前もって伝えておく
  • 発熱した人とほかの入居者を分ける方法を、空き部屋や一時的な宿泊先も含めて決めておく
  • 共用部の使い方と換気のルールを、その間だけ決め直す
  • 結核と診断されたときは、保健所の指示に従い、治療を続けられるよう支える

感染症の対応は、病気の種類や医師・保健所の指示によって異なります。具体的な対応は、医療機関や保健所の案内に従ってください。

次の段階 6. 届出・更新

このガイドの運営者

不動産のイブキ(伊吹株式会社)。外国籍スタッフの住まいの手配を全国で行っています。制度は改正されることがあるため、手続きの最終確認は出入国在留管理庁などの公式情報もあわせてご確認ください。