段階5 就労開始後の支援

部屋にゴミをためてしまう入居者への対応|早めに気づくサイン、片付けの手伝い方、退去の費用を増やさないために

寮・社宅の見回りに行くと、部屋の中やベランダにゴミ袋がたまっていることがあります。最初は数袋でも、そのままにしておくと、においや虫が出て、ほかの入居者や近所から苦情が来るようになります。退去のときには、専門の清掃が必要になり、高額な費用がかかることもあります。

ゴミをためてしまう理由は、だらしなさだけではありません。ゴミの出し方が分からない、出す日に家にいない、心や体の調子が悪いなど、さまざまな事情があります。この記事では、部屋にゴミをためてしまう入居者への対応を解説します。

結論:早めに気づき、理由を聞いて、出せる仕組みを一緒につくる。物は勝手に捨てない

ゴミがたまる前に気づくには、見回りのときにベランダや玄関まわりを確認することが役立ちます。ゴミがたまっていたら、叱る前に出せない理由を聞き、理由に合わせて、ゴミを出せる仕組みを本人と一緒につくることが大切です。

片付けを手伝う場合も、本人の了解なく部屋の物を捨てないようにします。何がゴミで何が大事な物かは、本人にしか分かりません。

早めに気づくサイン

  • ベランダや玄関の前にゴミ袋が置いてある。外から見て分かる段階になっていれば、部屋の中にもたまっている可能性があります。
  • 部屋の前や共用部でにおいがする。生ゴミがたまっていることがあります。
  • 虫が増えた。ゴキブリやコバエが、ほかの部屋にも出るようになることがあります。
  • 同じ寮の入居者や近所から苦情が来る。本人より先に、周りの人が気づくことが多いです。
  • 見回りや点検を何度も断る。部屋を見られたくない理由があることがあります。

見回りのときに確認したいことは寮・社宅の見回り訪問のしかた|確認するポイントと記録、虫が出たときの対策は寮・社宅の衛生と害虫対策|ゴキブリ・ダニ・トコジラミを防ぐ住まいの管理で解説しています。

ゴミをためてしまう理由と対応

理由 対応の例
分別や出し方が分からない 本人の言語の分別表を渡し、一緒にゴミを分けてみる。ゴミ置き場まで一緒に行く
出す日に家にいない(夜勤・早朝の出勤) 前の晩に出せるか、24時間出せる置き場があるかを管理会社や自治体に確認する。同じ寮の人と当番を組む
粗大ゴミや家電の出し方が分からない 申込みの方法や費用を説明し、申込みを手伝う
ゴミ袋を買っていない・指定の袋が分からない 自治体の指定の袋と、売っている店を教える
仕事が忙しく疲れている 勤務の状況を受入れ企業と共有し、無理がないか確認する
心や体の調子が悪い 体調を聞き、必要に応じて病院や相談窓口につなぐ

分別のルールの伝え方はゴミの分別を定着させる|自治体ごとのルールの調べ方と伝え方をご覧ください。

急にゴミがたまり始めたら、体調の変化を疑う

それまできちんとゴミを出していた人が、急に出さなくなった場合は、仕事や人間関係の悩み、体調の悪化など、心や体の不調のサインかもしれません。片付けの話だけで終わらせず、「最近、眠れている?」「困っていることはない?」と声をかけ、必要に応じて相談窓口につなぎましょう。住まいの困りごとの相談先|内容別の窓口と、支援担当者が外部につなぐときのコツもご覧ください。

片付けを手伝うときの進め方

  1. 本人の了解を得て日時を決める。部屋に入るのは、本人がいるときにし、事前に了解を得ます。
  2. 本人が判断する。何を捨てて何を残すかは、本人が決めます。担当者は袋を分けたり運んだりするのを手伝います。
  3. 生ゴミから片付ける。においや虫の原因になる生ゴミを先に出します。
  4. ゴミの日に合わせて出す。一度にたくさん出すと置き場があふれるため、量が多い場合は、自治体や管理会社に出し方を相談します。
  5. その後の様子を見る。片付けのあとも、しばらくは見回りの回数を増やし、ゴミを出せているかを確認します。

部屋に入るときのルールは会社が寮・社宅の部屋に入るときのルール|事前の連絡と了解、緊急のときの入り方、立ち会いと記録で解説しています。

本人の了解なく物を捨てない

ゴミがたまっていても、部屋の物は本人の物です。本人の留守の間に担当者が片付けて捨ててしまうと、大事な書類やお金、思い出の品を捨ててしまうおそれがあり、大きなトラブルになります。片付けは必ず本人と一緒に行いましょう。注意を何度重ねても改善しない場合は、寮のルールを守らない入居者への対応|注意の段階の踏み方、記録の残し方、退寮を求める前に確認したいことの進め方を参考にしてください。

放っておくと起きること

起きること 内容
近所や管理会社からの苦情 においや虫、ベランダのゴミが原因で苦情が来る。契約の解除を求められることもある
火災の危険 紙やゴミがたまった部屋は燃え広がりやすい。電気のコードの周りにゴミがあると危ない
退去の費用 専門の清掃や、床や壁の張り替えが必要になり、費用が高くなる
ほかの入居者の不満 ルームシェアや同じ寮の入居者の暮らしにも影響する

火災を防ぐための注意は外国籍スタッフの住まいの火災予防|たこ足配線・調理・たばこの注意点、退去の費用を増やさない住み方は退去の費用を増やさない住み方の伝え方|日頃の掃除・換気・壁や床の扱いで気をつけたいことで解説しています。

入居のときに「ゴミの出し方」を一緒にやってみる

入居のときに、分別表を渡すだけでなく、実際にゴミを分けて置き場まで一緒に出してみると、本人が覚えやすくなります。夜勤がある人には、勤務の時間に合わせた出し方を最初から一緒に考えておくと、ゴミがたまるのを防げます。

ゴミをためる入居者への対応のチェックリスト

  • ☐ 見回りのときに、ベランダや玄関まわりを確認している
  • ☐ ゴミがたまっている理由を、本人から聞いた
  • ☐ 本人の言語の分別表を渡し、出し方を一緒に確認した
  • ☐ 夜勤などで出す日に家にいない場合の出し方を考えた
  • ☐ 急に変化があった場合、体調や悩みを聞いた
  • ☐ 片付けは本人の了解を得て、本人と一緒に行った
  • ☐ 本人の了解なく、部屋の物を捨てていない
  • ☐ 片付けのあとも、しばらく様子を見ている

まとめ

  • 部屋にゴミをためると、苦情、虫、火災の危険、退去の高額な費用につながる
  • 見回りのときにベランダや玄関まわりを確認し、早めに気づく
  • 叱る前に理由を聞き、分別の説明、出す時間の工夫、当番など、出せる仕組みをつくる
  • 急にゴミがたまり始めたら、心や体の不調のサインかもしれないと考える
  • 片付けは本人の了解を得て一緒に行い、勝手に物を捨てない

ゴミの出し方は、自治体や建物によって異なります。具体的なルールは、自治体の案内や管理会社でご確認ください。

次の段階 6. 届出・更新

このガイドの運営者

不動産のイブキ(伊吹株式会社)。外国籍スタッフの住まいの手配を全国で行っています。制度は改正されることがあるため、手続きの最終確認は出入国在留管理庁などの公式情報もあわせてご確認ください。