段階5 就労開始後の支援

寮・社宅の見回り訪問のしかた|確認するポイントと記録

外国籍スタッフの住まいのトラブルは、本人から相談がないまま大きくなることがよくあります。設備の故障を我慢していた、カビが広がっていた、近隣からの苦情が管理会社に何度も入っていた。こうしたことは、実際に住まいを訪ねてみて初めて分かることも少なくありません。

この記事では、寮や社宅を訪問して様子を確認するときの進め方と、確認するポイント、記録の残し方を解説します。

結論:事前に連絡し、本人と一緒に見て回る。「監視」ではなく「困りごとの確認」

見回り訪問の目的は、本人が言い出しにくい困りごとや、住まいの小さな問題を早く見つけることです。本人の生活を監視するためのものではありません。

訪問するときは、必ず事前に本人に連絡して了解を得て、本人が在宅のときに一緒に部屋を見て回ります。会社が借りている社宅であっても、本人の住まいに無断で入ることは避けましょう。

訪問の時期の目安

時期 目的
入居して1か月ほど 住まいのルールが守れているか、生活に困っていることはないかを確認する
定期面談にあわせて 3か月に1回の定期面談のときに、住まいでの面談とあわせて様子を見る
季節の変わり目 夏の熱中症対策、冬の暖房や結露の様子を確認する
苦情や相談があったとき 近隣からの苦情や、本人からの相談の内容を現地で確かめる
入居者が入れ替わる前後 部屋の状態を確認し、記録を更新する

定期面談をオンラインで行っている場合は、住まいの状態が画面越しでは分かりにくくなります。ときどきは訪問して、実際の様子を確かめましょう。面談の進め方は定期面談の進め方とチェック項目|住まい・生活の困りごとの聞き方で解説しています。

確認するポイント

建物の外回り

  • ゴミ置き場が分別どおりに使われているか
  • 郵便受けに郵便物がたまっていないか、名前が出ているか
  • 自転車が決められた場所に置かれているか
  • 廊下やベランダに私物を置いていないか

室内

  • 換気ができているか、カビや結露が出ていないか
  • エアコン、給湯器、換気扇などの設備が動いているか
  • 火災警報器が付いているか、たこ足配線になっていないか
  • 暖房器具の使い方に危ないところがないか
  • 水回りに水漏れや詰まりがないか

暮らしぶり

  • 契約した人数より多い人が住んでいないか
  • 寝具や食料など、生活に必要なものがそろっているか
  • ルームシェアの場合、共用部分が清潔に保たれているか、当番が回っているか
  • 本人の体調や表情に気になるところがないか

ルームシェアでは、同居人同士の関係も住まいの満足度に大きく影響します。一人ずつ話を聞く時間もつくると、言い出しにくい不満を聞き取りやすくなります。ルームシェアの注意点は複数名を同時に受け入れるときの住まい|ルームシェアの広さと契約の注意点でまとめています。

写真を撮るときは本人の了解を得る

部屋の状態を記録するために写真を撮る場合は、何のために撮るのかを説明し、本人の了解を得てからにしましょう。私物が写り込まないよう配慮し、撮った写真は住まいの管理の目的以外には使わないことも伝えておきます。

記録の残し方

訪問のたびに、日付、訪問した人、確認した内容、見つかった問題と対応を記録します。入居時に作った部屋のチェックシートと見比べられるようにしておくと、傷や汚れがいつ生じたのかも分かりやすくなります。チェックシートの作り方は入居時の部屋の写真記録とチェックシートの作り方で解説しています。

問題が見つかったときの対応

見つかった問題 対応
設備の故障・水漏れ 管理会社に修理を依頼し、結果を本人に伝える
カビ・結露 換気や除湿の方法を説明する。広がっている場合は管理会社に相談する
ゴミ出しや騒音のルール違反 ルールをあらためて説明し、写真付きの資料を貼っておく
契約にない人の同居 契約違反になることを説明し、退去してもらう。人数が増える事情があれば住まいを見直す
火災や安全上の問題 たこ足配線や暖房器具の使い方を、その場で改める

近隣トラブルや退去時の原状回復への対応は外国籍スタッフの住まいのトラブル対応|騒音・ゴミ・退去時の原状回復、家具の固定や非常持ち出し品など防災の確認は災害への備え|住まいの防災と安否確認の準備もあわせてご覧ください。

見回り訪問のチェックリスト

  • ☐ 訪問の日時を事前に本人に伝え、了解を得た
  • ☐ 本人の在宅時に、一緒に部屋を見て回った
  • ☐ ゴミ置き場、郵便受け、駐輪場、共用部分を確認した
  • ☐ 換気、カビ、設備の動作、火災警報器、配線を確認した
  • ☐ 住んでいる人数が契約どおりか確認した
  • ☐ 本人の体調と困りごとを聞いた
  • ☐ 確認した内容と対応を記録した
  • ☐ 見つかった問題を管理会社や受入れ企業に伝えた

まとめ

  • 見回り訪問の目的は、本人が言い出しにくい困りごとや小さな問題を早く見つけること
  • 事前に連絡して了解を得て、本人の在宅時に一緒に見て回る。無断で入らない
  • 入居1か月後、定期面談、季節の変わり目、苦情があったときなどに訪問する
  • 外回り・室内・暮らしぶりの3つの視点で確認し、写真は本人の了解を得てから撮る
  • 訪問のたびに記録を残し、見つかった問題はすぐに管理会社や受入れ企業につなぐ

見回り訪問は、住まいのトラブルを防ぐと同時に、本人との信頼関係をつくる機会でもあります。困ったときに相談しやすい関係を、訪問を通じて育てていきましょう。

次の段階 6. 届出・更新

このガイドの運営者

不動産のイブキ(伊吹株式会社)。外国籍スタッフの住まいの手配を全国で行っています。制度は改正されることがあるため、手続きの最終確認は出入国在留管理庁などの公式情報もあわせてご確認ください。