外国籍スタッフの住まいを用意するとき、意外と迷うのが家具・家電をどこまでそろえるかです。何もない部屋に入居してもらうと、本人は入国したその日から寝る場所や食事に困ります。一方で、会社がすべてそろえると費用がかさみ、退去のときの扱いも決めておかなければなりません。
この記事では、社宅に用意する家具・家電を、入居日から必要なもの、あると便利なもの、本人に任せてよいものに分けて整理します。あわせて、見落としやすい点や、費用負担と退去時の扱いも解説します。
結論:入居日から暮らせる最低限を用意し、残りは本人が選ぶ
入国直後の本人は、日本でどこに何が売っているかも分からず、手持ちのお金も限られています。入居したその日から寝て、食べて、洗濯ができる最低限のものは、入居前に用意しておくのが基本です。
それ以外の家具や生活用品は、本人の好みや生活に合わせて、慣れてから少しずつそろえてもらう形で十分です。何を会社が用意し、何を本人が用意するのかを最初に決めて、本人にも伝えておきましょう。
家具・家電と生活用品のリスト
入居日から必要なもの
| 品目 | 確認したいこと |
|---|---|
| 寝具(布団またはベッド、枕、毛布) | 入国の季節に合ったものを用意する |
| 照明器具 | 部屋に照明が付いていない物件も多い。全部屋分を確認する |
| カーテン | 窓の大きさを測ってから用意する。夜に外から見えないようにする |
| 冷蔵庫 | 置き場所の幅と、ルームシェアなら人数に合った容量 |
| 洗濯機 | 洗濯機置き場の大きさと、蛇口の形 |
| 冷暖房(エアコン) | 備え付けかどうか。新たに付けるなら工事の日程に余裕をもつ |
| ガスコンロまたは電気コンロ | コンロが付いていない物件がある。ガスの種類(都市ガスかプロパンガスか)に合ったものを選ぶ |
| 炊飯器、電子レンジ | 食事の習慣に合わせて用意する |
| 最低限の調理器具・食器 | 鍋、フライパン、包丁、食器を人数分 |
あると便利なもの
- インターネット回線(Wi-Fi)。家族との連絡に欠かせず、携帯電話を契約するまでの連絡手段にもなります
- 収納(衣装ケース、棚)
- テーブル、座布団や椅子
- ゴミ箱(分別の種類に合わせて複数)
- 掃除機、ハンガー、物干し
- トイレットペーパー、洗剤など、最初の数日分の消耗品
本人に任せてよいもの
テレビ、ドライヤー、好みの調理家電、衣類や日用品などは、本人が生活に慣れてから選んでもらって構いません。近くのスーパーやホームセンター、リサイクルショップの場所を案内しておくと、本人も買い物がしやすくなります。
見落としやすいのは照明・コンロ・カーテン
日本の賃貸物件では、照明器具やコンロが付いていないことがあり、窓の大きさも物件ごとに違います。入国当日の夜に部屋が真っ暗だった、料理ができなかった、ということにならないよう、内見の段階で何が備え付けかを確認しておきましょう。
新品・中古・レンタル・家具付き物件の比べ方
| 方法 | 向いているケース | 気をつけたい点 |
|---|---|---|
| 新品を買う | 長く住む見込みがあり、同じ社宅を次の入居者にも使う | 初期費用が大きくなる。人数が多いほど負担が増える |
| 中古を買う | 費用を抑えたい | 故障や汚れの状態を確認する。保証の有無も確認する |
| レンタル | 住む期間が短い、または期間がはっきりしない | 長く借りると、買うより割高になることがある |
| 家具・家電付きの物件 | すぐに入居したい、手配の手間を省きたい | 家賃が高めになりやすい。物件数が限られる |
派遣のように住む期間が短くなりやすい場合は、レンタルや家具付き物件も選択肢になります。住まいの用意の仕方ごとの費用の考え方は、派遣会社が外国籍スタッフの寮・社宅を用意するときの費用と注意点で解説しています。
ルームシェアの場合
複数名で住む場合は、共用で使うものと、一人ひとりに用意するものを分けて考えます。
- 共用:冷蔵庫、洗濯機、電子レンジ、炊飯器、調理器具など
- 一人ずつ:寝具、収納、個室の照明やカーテンなど
冷蔵庫は人数に対して小さすぎると、食材の置き場所をめぐってもめる原因になります。私物を収納できる場所が一人ひとりにあることも、相部屋で気持ちよく暮らすための大切な条件です。ルームシェアの注意点は複数名を同時に受け入れるときの住まい|ルームシェアの広さと契約の注意点でもまとめています。
費用負担と退去時の扱いを決めておく
家具・家電でトラブルになりやすいのが、費用を誰が負担し、退去のときにどう扱うかです。次の2つのどちらにするかを、入居前に決めておきましょう。
| 考え方 | 費用 | 退去のとき |
|---|---|---|
| 会社の備品として貸す | 会社が負担 | 部屋に残して回収し、次の入居者に使う |
| 本人の持ち物にする | 本人が負担(会社が一部を補助することも) | 本人が持っていくか、自分で処分する |
会社の備品として貸す場合は、何を貸したかを一覧にして、入居時に本人と一緒に確認しておくと、退去時の回収や破損の確認がスムーズです。費用の一部を給与から差し引く場合は、労使協定が必要になります。
本人の持ち物にする場合は、帰国や退去のときに家具・家電が部屋に残されたままにならないよう、処分の方法も入居時に伝えておきましょう。退去の段取りは退職・帰国が決まったら|届出と住まいの退去の段取りで解説しています。
入居前の準備チェックリスト
- ☐ 備え付けの設備(照明、エアコン、コンロ)を内見の段階で確認した
- ☐ 窓の大きさを測り、カーテンを用意した
- ☐ ガスの種類に合ったコンロを用意した
- ☐ 冷蔵庫と洗濯機の置き場所の大きさを確認した
- ☐ 季節に合った寝具を人数分用意した
- ☐ 最初の数日分の消耗品を置いた
- ☐ 会社が用意したものの一覧を作り、費用負担と退去時の扱いを決めた
- ☐ 電気・ガス・水道の使用開始と、インターネット回線の手配を済ませた
入国直後の手続きの流れは、入国直後の生活立ち上げチェックリスト|住居地の届出・口座・携帯の順番にまとめています。
まとめ
- 入居したその日から寝て、食べて、洗濯ができる最低限のものは、入居前に用意する
- 照明、コンロ、カーテンは付いていない物件があるため、内見の段階で確認する
- 新品・中古・レンタル・家具付き物件は、住む期間の見込みで選ぶ
- ルームシェアでは、共用のものと一人ずつ用意するものを分けて考える
- 会社の備品として貸すか、本人の持ち物にするかを決め、退去時の扱いまで伝えておく
何をどこまで用意するかは、受入れ企業の方針や住む期間によって変わります。本人の生活の様子を見ながら、必要なものを少しずつ補っていきましょう。