定期面談は、特定技能外国人への義務的支援の一つです。3か月に1回の面談を「決まりだからこなす」だけになっていると、本人の困りごとに気づけず、気づいたときには離職や住まいのトラブルが起きていた、ということにもなりかねません。
この記事では、定期面談のルールと進め方を整理したうえで、仕事・生活・住まいのチェック項目と、本音を聞き出すための質問の仕方を紹介します。
結論:3か月に1回以上、本人と監督者の両方と面談する
定期面談は、3か月に1回以上、特定技能外国人本人と、その人を監督する立場の人(上司など)のそれぞれと行います。本人との面談では、仕事のことだけでなく、生活や住まいで困っていることがないかも聞き取ります。
面談で労働関係の法令違反や、支援計画どおりに支援が行われていないことを知った場合は、関係機関への通報などの対応が必要になります。面談は「様子を聞く場」であると同時に、問題を早く見つけるための大切な仕組みです。
定期面談の基本ルール
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 頻度 | 3か月に1回以上 |
| 相手 | 特定技能外国人本人と、監督する立場の人のそれぞれ |
| 面談する人 | 本人を直接監督する立場にない人(支援担当者など) |
| 言語 | 本人が十分に理解できる言語。必要に応じて通訳を手配する |
| 方法 | 対面のほか、一定の条件のもとでビデオ通話によるオンライン面談も認められている(音声だけの通話は不可) |
| 記録 | 面談の内容を記録し、保管しておく |
上司が面談を担当すると、本人は仕事の不満や職場の人間関係を話しにくくなります。面談は、本人を直接監督する立場にない支援担当者が行うことが前提です。
オンライン面談の注意点
2025年4月から、一定の条件のもとでビデオ通話による定期面談が認められています。移動の手間は減りますが、次の点に気をつけましょう。
- 本人が周りを気にせず話せる場所で受けてもらう(寮の共用スペースや職場の休憩室は避ける)
- 初めての面談や担当者が替わったときは、できるだけ対面で行う
- 録画の保存などの要件は、最新の運用要領で確認する
- 住まいの状態は画面越しでは分かりにくいため、ときどきは住まいを訪問して確認する
面談のチェック項目
仕事について
- ☐ 仕事の内容は雇用契約どおりか。慣れない作業で困っていないか
- ☐ 給与は約束どおりに支払われているか。残業代や休日は契約どおりか
- ☐ 職場の人間関係で困っていることはないか
- ☐ けがや体調不良はないか
生活について
- ☐ 日本語で困る場面はないか。日本語の勉強を続けられているか
- ☐ お金の管理で困っていないか(送金、借金、携帯電話の料金など)
- ☐ 病院や役所の手続きで困っていることはないか
- ☐ 休日の過ごし方や、相談できる友人がいるか
住まいについて
- ☐ 設備の故障や不具合はないか(エアコン、給湯器、水回り、カビなど)
- ☐ 同居人との関係で困っていることはないか
- ☐ 近隣から苦情を言われたことはないか。ゴミ出しで迷っていることはないか
- ☐ 家賃や光熱費の金額や支払いで分からないことはないか
- ☐ 通勤は無理なくできているか
- ☐ 引っ越したいと思っていないか
住まいの困りごとは、本人から言い出さないまま我慢していることが多い分野です。チェック項目として毎回聞くことで、小さなうちに気づけます。
本音を聞き出すための質問の仕方
「はい・いいえ」で終わらない聞き方をする
「困っていることはありますか」と聞くと、多くの人は「大丈夫です」と答えます。「最近、部屋で不便だと思ったことは何ですか」「休みの日は何をしていますか」など、具体的な場面を思い浮かべてもらう聞き方にすると、話が広がりやすくなります。
前回の内容から始める
「前回、エアコンの調子が悪いと言っていましたが、その後どうですか」と前回の記録から話を始めると、ちゃんと覚えてもらえているという安心感につながり、相談しやすい関係ができます。
言いにくいことは、言いやすい場をつくる
同居人や上司との関係など、周りに人がいると話しにくい内容もあります。ルームシェアの場合は一人ずつ面談する、職場ではなく別の場所で話すなど、場の設定にも気を配りましょう。
聞いたことには必ず返事をする
面談で聞いた困りごとに対して、何も反応がなければ、本人は次から相談しなくなります。すぐに解決できないことでも、「管理会社に連絡しました」「次回までに確認します」と、何をしたかを必ず伝えましょう。
住まいの困りごとが出てきたら
面談で住まいの困りごとが出てきたら、内容に応じて次のように対応します。
- 設備の故障・不具合:管理会社に修理を依頼し、対応の結果を本人に伝える
- 近隣トラブル・ゴミ出し:事実を確かめ、ルールをあらためて説明する。対応の流れは外国籍スタッフの住まいのトラブル対応|騒音・ゴミ・退去時の原状回復で解説しています
- ルールが分からない:写真付きのルール表をつくり直す。説明のポイントは生活オリエンテーションで伝えたい住まいのルール|ゴミ出し・騒音・家賃の支払いでまとめています
- 引っ越したい:理由を聞き、引っ越さずに解決できるかを考える。進め方は外国籍スタッフから「引っ越したい」と言われたら|支援担当者がやることをご覧ください
面談の記録は定期届出にもつながる
面談の記録は、支援を計画どおりに行っていることを示す大切な資料です。年1回の定期届出の時期に慌てないよう、面談のたびに日付、相手、聞き取った内容、対応した内容を記録しておきましょう。定期届出については定期届出の期限と書き方|提出前に確認したいポイントで解説しています。
まとめ
- 定期面談は3か月に1回以上、本人と監督する立場の人のそれぞれと行う
- 面談は本人を直接監督する立場にない人が、本人が理解できる言語で行う
- 一定の条件のもとでビデオ通話による面談もできるが、話しやすい場所と、ときどきの訪問も大切
- 仕事・生活・住まいのチェック項目を毎回聞き、小さな困りごとに早く気づく
- 聞いた困りごとには必ず返事をし、面談の記録を残しておく
定期面談の要件や記録の方法は、運用要領の改訂で変わることがあります。最終的な確認は、出入国在留管理庁の最新情報をご確認ください。