段階3 住まいの確保

複数名を同時に受け入れるときの住まい|ルームシェアの広さと契約の注意点

特定技能外国人を2名、3名と同時に受け入れるとき、費用を抑えるために一つの部屋でルームシェアをしてもらうケースは少なくありません。ただ、人数に対して部屋が狭すぎると住居確保支援の基準を満たせず、物件側の入居人数の上限に引っかかることもあります。

この記事では、複数名で住むときの広さの基準と計算の仕方、住まいの形の選び方、契約と生活面で気をつけたい点を解説します。

結論:広さの基準と、入居人数の上限を両方満たす

複数名の住まいを探すときは、次の2つを同時に満たす物件を選ぶ必要があります。

  • 住居確保支援の広さの基準:一人当たり7.5㎡以上
  • 物件ごとの入居人数の上限:貸主や管理会社が決めている、その部屋に住める人数

広さの基準は満たしていても、物件の契約上は「2名まで」と決まっていることがあります。逆に、物件としては3名で住めても、広さの基準を満たさないこともあります。どちらか一方だけで判断しないことが大切です。

広さの基準:一人当たり7.5㎡以上

住居確保支援では、居室の広さが一人当たり7.5㎡以上であることが求められます。ルームシェアの場合は、部屋の広さを住む人数で割って、一人当たり7.5㎡以上になるかを確認します。

不動産広告では部屋の広さを「畳」で表示することが多く、1畳は1.62㎡以上として表示されています。7.5㎡はおよそ4.6畳にあたります。

計算の例

たとえば「6畳の洋室が2部屋と、8畳のダイニングキッチン」という2DKの部屋で考えてみます。

数える範囲 広さの合計 2名の場合 3名の場合
洋室2部屋のみ(約19.4㎡) 6畳+6畳 一人約9.7㎡で基準を満たす 一人約6.5㎡で基準を下回る
洋室2部屋+ダイニングキッチン(約32.4㎡) 6畳+6畳+8畳 一人約16.2㎡ 一人約10.8㎡

このように、どこまでを「居室」として数えるかで、住める人数の判断が変わります。

居室に含める範囲は事前に確認を

浴室・トイレ・玄関・廊下・収納は居室に含めないのが一般的ですが、ダイニングキッチンやリビングを含めてよいかは判断に迷いやすい点です。人数ぎりぎりの物件を選ぶ場合は、申請前に地方出入国在留管理局や、申請を依頼している行政書士に確認しておきましょう。なお、技能実習から移行して同じ住まいに住み続ける場合など、例外的な扱いが設けられているケースもあります。

複数名の住まいは3つの形から選ぶ

複数名を受け入れるときの住まいの形は、大きく分けて次の3つです。

住まいの形 向いているケース 気をつけたい点
ファミリー向けの部屋でルームシェア(2LDK、3LDKなど) 2〜3名で、家賃を抑えたい 複数人での入居を認める物件が限られる。個室の数が人数分あるかを確認する
同じ建物や近くで1人1室を複数借りる(1K、1Rなど) プライバシーを重視したい。勤務シフトがばらばら 一人当たりの家賃は高くなりやすい。同じ建物で空室がそろうとは限らない
戸建てを借りる 4名以上をまとめて受け入れたい 物件数が少なく、駅から遠いことも多い。通勤手段を確認する

個室の有無は、長く働いてもらううえで大切なポイントです。相部屋は家賃を抑えられますが、生活リズムの違いや人間関係のストレスから、住まいへの不満が離職につながることもあります。人数分の個室を用意できるかを、最初の条件に入れておくことをおすすめします。

契約で気をつけたいこと

入居する人を全員申告する

借上げ社宅でも本人契約でも、実際に住む人は全員、貸主や管理会社に申告する必要があります。申告していない人が住んでいると契約違反になり、退去を求められることもあります。「1名で契約して、あとから2名で住む」といった進め方は避けましょう。

入居者が入れ替わるときの手続き

借上げ社宅では、退職や異動で住む人が入れ替わることがあります。入居者の変更に管理会社への届出や承諾が必要かどうか、契約の段階で確認しておくと、入れ替えのたびに慌てずに済みます。

本人に負担してもらう家賃の上限

受入れ機関が借り上げた住まいの家賃を本人に負担してもらう場合、その額は、家賃(管理費・共益費を含む)を住む人数で割った額までとされています。敷金・礼金や仲介手数料などを本人に負担させることはできません。ルームシェアでは、一人当たりの負担額を人数で正しく割って決めましょう。

退去時の原状回復

複数名で住んでいた部屋は、退去時の汚れや傷が誰によるものか分かりにくくなります。入居時に部屋の状態を写真で残しておき、退去時の費用を誰がどう負担するかをあらかじめ決めておくと、トラブルを防げます。

生活面で気をつけたいこと

  • 部屋割りの決め方。勤務シフトが違う人同士を同じ部屋にすると、睡眠を妨げ合うことがあります。性別はもちろん、生活リズムや本人の希望も聞いて部屋割りを決めましょう。
  • 騒音とゴミ出し。人数が多い部屋は、話し声や足音、ゴミの量で近隣から苦情が出やすくなります。入居時にルールを具体的に説明し、ゴミ当番などを決めておくと安心です。
  • 共用部分の使い方。キッチンや浴室、洗濯機の使い方や掃除の分担は、最初に決めておかないと不満がたまりがちです。
  • 来客や友人の宿泊。契約で認められていない人が長く泊まると、無断の同居とみなされることがあります。来客のルールも伝えておきましょう。

複数名の手配は早めに動き出す

複数人での入居を認める物件や、同じ建物で空室がそろう物件は、1名分の部屋より見つけにくくなります。当サイトを運営する不動産のイブキでお手伝いする場合、複数名の同時受入れでは入居までに2〜3週間程度を目安にしています。

海外から呼び寄せる場合は、在留資格認定証明書の審査中に人数・地域・予算を固めて候補を絞っておくのが基本です。人数が多い場合は、どこまで分かれて住むことを許容するかも先に決めておくと、物件探しが早く進みます。手配のタイミングは特定技能の住居確保はいつから動く?入国日から逆算した物件手配のスケジュールで詳しく解説しています。

まとめ

  • 複数名の住まいは、一人当たり7.5㎡以上の広さの基準と、物件ごとの入居人数の上限を両方満たす
  • どこまでを居室として数えるかで判断が変わるため、人数ぎりぎりの物件は事前に確認する
  • 住まいの形は、ルームシェア、1人1室を複数、戸建ての3つ。個室の有無は定着にも影響する
  • 住む人は全員申告し、本人負担の家賃は人数で割った額までにする
  • 複数名の手配は1名より時間がかかるため、早めに動き出す

住居確保支援の基準や運用は変わることがあります。最終的な確認は、出入国在留管理庁の公式情報もあわせてご確認ください。

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このガイドの運営者

不動産のイブキ(伊吹株式会社)。外国籍スタッフの住まいの手配を全国で行っています。制度は改正されることがあるため、手続きの最終確認は出入国在留管理庁などの公式情報もあわせてご確認ください。