段階1 受入れ決定・準備

国内転職の特定技能外国人を受け入れるとき|在留資格変更と引っ越しの進め方

他社で働いている特定技能外国人を、転職で受け入れるケースが増えています。海外から呼び寄せるより早く働き始められる一方で、在留資格の手続きと引っ越しのタイミングが重なり、住まいの調整でつまずくことが少なくありません。

この記事では、国内での転職者を受け入れるときに必要な手続きと全体のスケジュール、そして前の会社の寮を出るタイミングなど、住まいで困りやすい点とその進め方を解説します。

結論:許可が出るまで新しい職場では働けない

特定技能の在留資格は、働く会社が指定されています。そのため、同じ分野の仕事であっても、会社が変わるときは在留資格変更許可申請が必要で、許可が出るまでは新しい会社で働けません。

審査には1〜2か月程度かかることが多く、その間に前の会社を退職し、住まいも移ることになります。転職者の受入れでは、「前の会社を辞める日」「前の住まいを出る日」「許可が出る日」の3つがずれやすく、このずれをどう埋めるかが住まいの準備の要になります。

転職の受入れに必要な手続き

転職では、本人・前の受入れ機関・新しい受入れ機関のそれぞれに手続きがあります。

誰が 手続き 時期
新しい受入れ機関 雇用契約の締結、事前ガイダンス、支援計画の作成 内定後、申請の前
新しい受入れ機関(または本人) 在留資格変更許可申請 書類がそろったら
前の受入れ機関 雇用契約が終了したことの届出 契約終了から14日以内
本人 勤務先(契約機関)が変わったことの届出 退職・入社から14日以内
本人 転出届・転入届(住居地の変更) 引っ越しから14日以内

前の会社と違う分野の仕事に就く場合は、新しい分野の技能試験に合格していることも必要です。同じ分野でも、担当する業務が変わる場合は対象になるか確認しておきましょう。

在留期間の満了が近いときは

在留期間の満了日までに変更の申請をしていれば、審査中に満了日を過ぎても、結果が出るまで(満了日から最長2か月まで)は日本に在留できます。ただし、この間も新しい会社で働くことはできません。満了日が近い場合は、申請が間に合うよう書類準備を急ぎましょう。

全体のスケジュール例

転職者の受入れは、内定から就労開始までおおむね2〜3か月が目安です。在留資格の手続きと住まいの動きを並べると、次のようになります。

時期 在留資格の手続き 住まい・退職の動き
内定〜2週間 雇用契約、事前ガイダンス 今の住まいの退去条件(寮か本人契約か、退去の予告期限)を本人に確認する
2〜4週間 支援計画の作成、申請書類の準備、申請 新しい住まいの方式を決め、勤務地の近くで物件を探し始める
審査中(1〜2か月) 入管の審査、追加資料への対応 前の会社の退職日と寮の退去日を確定。新しい住まいの候補を絞り、入居日を調整する
許可後 就労開始 新しい住まいへ入居し、14日以内に転入届

受入れ全体の流れは、特定技能外国人の受入れスケジュール|内定から入社まで何か月かかる?でも解説しています。

住まいでつまずきやすい3つのパターン

1. 前の会社の寮を、退職と同時に出なければならない

前の会社が用意した寮や借上げ社宅に住んでいる場合、退職日に合わせて退去を求められることがよくあります。一方で、在留資格の許可が出るのはその後になることが多く、退職してから許可が出るまでの住まいが宙に浮いてしまいます。

まずは前の会社に、退去日をいつまで延ばせるかを相談してもらいましょう。難しい場合は、新しい住まいを申請中のうちに確保しておくか、許可が出るまでの短期間をどこで過ごすかを決めておく必要があります。

2. 新しい勤務地が遠く、許可が出る前に引っ越す必要がある

県をまたぐ転職では、今の住まいから新しい職場に通えません。許可が出てからすぐに働き始めるには、許可の前後で引っ越しを済ませておく必要があります。入居日を許可の見込みに合わせ、家賃が発生する日をできるだけ就労開始に近づけるよう調整しましょう。

3. 不許可になったときの住まい

審査の結果、変更が許可されないこともあります。新しい住まいの契約を先に済ませていると、住む理由がなくなった部屋の費用が残ってしまいます。許可の見通しが立つまでは申込みの段階にとどめる、契約の名義や費用負担をどうするかを事前に決めておくなど、リスクを小さくする段取りが必要です。

国内在住者は本人契約も選びやすい

すでに日本に住んでいる人は在留カードを持っているため、海外からの呼び寄せと比べて本人が借主として契約しやすいのが特徴です。借上げ社宅にするか、本人契約を支援するかは、費用負担や退去時の手続きも含めて受入れ企業と相談して決めましょう。

住まいの準備の進め方

転職者の住まいは、次の順番で進めると調整がしやすくなります。

  1. 今の住まいの退去条件を確認する。寮か本人契約か、退去の予告はいつまでに必要か、退去日はいつまで延ばせるかを本人に確認します。
  2. 新しい住まいの方式を決める。借上げ社宅にするか、本人契約を支援するかを決めます。初期費用や引っ越し費用を誰が負担するかも、このときに決めておきます。
  3. 申請中に物件を探し、候補を絞る。勤務地からの通勤時間、家賃の上限、外国籍の方の入居に対応できるかを条件に探します。
  4. 入居日を決める。許可の見込み時期と、今の住まいの退去日の両方を見て、間が空かない日を選びます。
  5. 引っ越し後の届出を済ませる。前の市区町村で転出届、新しい市区町村で引っ越しから14日以内に転入届を出します。

物件探しのタイミングや契約形態ごとの違いは、特定技能の住居確保はいつから動く?入国日から逆算した物件手配のスケジュールも参考にしてください。

新しい職場での支援で気をつけること

転職者は日本での生活に慣れているぶん、支援が手薄になりがちです。ただ、住む地域が変われば、生活のルールも変わります。

  • 住所変更の手続き。転入届のほかに、銀行口座や携帯電話、勤務先への住所変更も必要です。郵便物の転送届も出しておくと、前の住所あての書類を受け取り損ねません。
  • 地域ごとのルール。ゴミの分別や収集日は自治体によって違います。前の地域と同じつもりで出してしまい、近隣とのトラブルになることがあるため、新しい地域のルールをあらためて説明しましょう。
  • 前の会社との関係。退職の経緯によっては、本人が前の会社と連絡を取りづらいこともあります。寮の退去や書類の受け取りで困っていないか、こちらから確認しておくと安心です。

まとめ

  • 特定技能は働く会社が指定されているため、転職には在留資格変更の許可が必要。許可が出るまで新しい会社では働けない
  • 本人・前の受入れ機関・新しい受入れ機関のそれぞれに届出があり、多くは14日以内
  • 「退職日」「寮の退去日」「許可が出る日」のずれが、住まいのつまずきの原因になりやすい
  • 今の住まいの退去条件を最初に確認し、申請中に新しい住まいの候補を絞っておく
  • 国内在住者は在留カードがあるため、本人契約も選びやすい

手続きの要件や運用は変わることがあります。最終的な確認は、出入国在留管理庁の公式情報もあわせてご確認ください。

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このガイドの運営者

不動産のイブキ(伊吹株式会社)。外国籍スタッフの住まいの手配を全国で行っています。制度は改正されることがあるため、手続きの最終確認は出入国在留管理庁などの公式情報もあわせてご確認ください。