「財布ごと在留カードを落としてしまった」「引っ越しの片付けの途中で見当たらなくなった」。外国籍スタッフから在留カードをなくしたと相談を受けることは、決して珍しくありません。在留カードは日本で暮らすうえで最も大切な身分証明書で、なくしたときには決められた期間内に手続きをしなければなりません。
この記事では、在留カードをなくしたときの再交付の手続きの流れと、悪用を防ぐための対応、住まいの契約など生活の手続きへの影響を解説します。
結論:まず警察に届け、気づいた日から14日以内に入管で再交付を申請する
在留カードをなくしたときは、まず警察に遺失届を出し、なくしたと気づいた日から14日以内に、住んでいる地域を管轄する地方出入国在留管理官署で再交付を申請します。紛失による再交付には手数料はかかりません。
14日を過ぎると、遅れた理由を説明する書類が必要になり、罰則の対象になることもあります。本人は「どこに行けばいいのか分からない」と手続きを後回しにしがちなので、相談を受けたらその日のうちに段取りを一緒に決めましょう。
再交付の手続きの流れ
| 順番 | やること | ポイント |
|---|---|---|
| 1 | 心当たりの場所を探す | 職場、住まい、最後に使った店などに問い合わせる |
| 2 | 警察に遺失届(盗まれた場合は盗難届)を出す | 近くの交番や警察署で届け出て、受理番号を控える |
| 3 | 必要なものをそろえる | 申請書、写真、パスポートなど(下の表を参照) |
| 4 | 地方出入国在留管理官署で再交付を申請する | 住んでいる地域を管轄する官署に行く |
| 5 | 新しい在留カードを受け取る | 受け取ったら、カードの番号が変わったことを関係先に伝える |
申請に必要なもの
| 必要なもの | 内容 |
|---|---|
| 再交付申請書 | 出入国在留管理庁のウェブサイトから入手できる |
| 写真 | 1枚。大きさなどの規格が決まっている |
| なくしたことを示す資料 | 紛失や盗難の場合は陳述書。警察に届け出たときの受理番号が必要 |
| パスポート | 窓口で提示する |
本人が病気などで自分で行けない場合は、同居している16歳以上の親族などが代理で申請できる場合があります。必要なものや代理の条件は、出入国在留管理庁のウェブサイトで最新の情報を確認してください。
海外でなくした場合は、日本に戻った日から14日以内
一時帰国中など、日本の外でなくしたことに気づいた場合は、日本に戻ってきた日から14日以内に申請します。在留カードを持たずに日本に戻ることになるため、再入国の手続きについても、出発前に出入国在留管理庁の案内を確認しておくよう伝えましょう。
なくしたあとの悪用を防ぐ
なくした在留カードが他人の手に渡ると、本人になりすまして携帯電話や銀行口座の契約に使われるおそれがあります。再交付の手続きとあわせて、次のことも確認しましょう。
- 一緒になくしたものを確認する。財布ごとなくした場合は、銀行のキャッシュカードやクレジットカードの利用停止をすぐに手続きします。
- 警察への届出を必ず済ませる。悪用されたときに、本人が届け出ていたことの証明になります。
- 身に覚えのない連絡に注意する。知らない契約の請求や、携帯会社・金融機関からの連絡があった場合はすぐに相談するよう伝えます。
在留カードは常に持ち歩く必要がありますが、他人に預けたり、写真を送ったりしないよう伝えておくことも、悪用を防ぐことにつながります。詳しくは住まいの防犯と詐欺への注意|鍵・訪問販売・電話をご覧ください。
特定在留カードをなくしたとき
在留カードとマイナンバーカードが一体になった特定在留カードを持っている場合は、マイナンバーカードとしての機能も止める手続きが必要になることがあります。在留カードの再交付の手続きとあわせて、住んでいる市区町村の窓口や、マイナンバーカードの問い合わせ窓口に確認するよう伝えましょう。
住まいや生活の手続きへの影響
在留カードは、住まいの契約をはじめ、さまざまな手続きで提示や写しの提出を求められます。再交付されるまでの間は、これらの手続きが進めにくくなります。
| 手続き | 影響と対応 |
|---|---|
| 賃貸の新しい契約 | 入居の審査で在留カードの写しが必要。再交付を待ってから申し込むか、申請中であることを管理会社に伝えて相談する |
| 社宅の契約の更新 | 更新のときに在留カードの写しを求められることがある。新しいカードの写しを提出する |
| 携帯電話の契約 | 在留カードのICチップを読み取って本人確認をするため、再交付を受けるまで契約できない |
| 銀行の手続き | 口座の開設や住所の変更などで提示が必要。カードの番号が変わったことを届け出る |
| 職場 | 受入れ企業は在留カードを確認して記録している。新しいカードを確認し、番号を更新する |
社宅の更新の手続きは社宅の更新手続き|2年ごとの更新料と在留期限の確認、携帯電話の契約は携帯電話とネット回線の契約|入国直後に困らないための準備、銀行の手続きは銀行口座が作れないときの対処法|断られやすい理由と準備で解説しています。
なくさないための工夫
- 入れる場所を決めておく。財布のどこに入れるか、使ったらすぐに戻すかを決めておきます。
- 写しを保管しておく。表と裏の写しを本人が安全な場所に保管しておくと、再交付の申請や関係先への連絡がスムーズになります。写しを他人に送らないことも伝えます。
- 引っ越しや帰国の準備のときは特に注意する。荷物の整理で紛れやすいため、在留カードとパスポートはまとめて手元に置きます。
- 災害に備える。非常持ち出し袋に写しを入れておくと、災害で家を離れたときに役立ちます。防災の準備は災害への備え|住まいの防災と安否確認の準備をご覧ください。
在留カードのどこに何が書かれているか、更新の時期をどう確認するかは在留カードの見方|就労制限・在留期限・住所欄で確認することで解説しています。
在留カードをなくしたときのチェックリスト
- ☐ 心当たりの場所に問い合わせた
- ☐ 警察に遺失届(盗難届)を出し、受理番号を控えた
- ☐ 一緒になくしたキャッシュカードやクレジットカードを止めた
- ☐ 申請書、写真、パスポートなど、必要なものをそろえた
- ☐ 気づいた日から14日以内に、入管で再交付を申請した
- ☐ 特定在留カードの場合、市区町村などに確認した
- ☐ 新しいカードを受け取り、職場、管理会社、銀行などに伝えた
- ☐ 対応の経過を記録した
相談を受けた日と、手続きの経過は記録に残しておきます。記録の残し方は相談・苦情対応の記録の残し方|支援実施状況の確認に備えるで解説しています。
まとめ
- 在留カードをなくしたら、まず警察に届け、気づいた日から14日以内に入管で再交付を申請する
- 紛失による再交付に手数料はかからない。申請書、写真、警察の受理番号、パスポートを用意する
- 海外でなくした場合は、日本に戻った日から14日以内に申請する
- 悪用を防ぐため、一緒になくしたカード類の停止と、身に覚えのない連絡への注意を伝える
- 再交付までの間は、賃貸の契約や携帯電話の契約などが進めにくくなる。新しいカードを受け取ったら関係先に伝える
手続きの内容や必要な書類は変わることがあります。最新の情報は、出入国在留管理庁のウェブサイトでご確認ください。